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セブルス・スネイプの同窓会(13)

(これは『ハリーポッター』シリーズの本と映画鑑賞後の、妄想です。時期は第3巻「アズガバンの囚人」)


ブラックが逃げ、ルーピンがホグワーツを去った後、しばらくは茫然自失の状態が続いた。この手に捕えたと思った仇を逃してしまったのだ。それも他ならぬ、リリーの息子のせいで(そうに決まっている!)。ダンブルドアのポッターびいき、グリフィンドールびいきも耐えがたく思われた。

「リリー、裏切り者のブラックを逃してしまった。」

夜ごと、眠りに就く前にリリーに語りかけた。しかし続く言葉はリリーには聞かせられない。リリーの死に関与し、自分の命を狙うブラックにだまされて逃亡を手助けするような、傲慢な父親そっくりのポッターなど、どうにでもなってしまえ!

しかしそんなことを思うと、心の中のリリーが悲しげな顔をする。それに、いつか復活するヴォルデモートを倒せるのはポッターだけなのだ。しかたないから、魔法薬学にもそれなりの成績をつけてやった。こんなに夏休みが待ち遠しい年はなかった。


やっとのことで学年が終わり、私は早々にマルフォイ邸に向かった。私を満たしてくれるのはルシウスしかいない。グリフィンドールの連中などもう懲り懲りだ。

ルシウスに会うと、ルシウスもご機嫌斜めだった。私はすっかり忘れていたが、去年の夏休み明け、魔法生物飼育法の授業でドラコがヒッポグリフのバックビークに怪我をさせられてから、ルシウスはバックビークの処刑とハグリッドの追放に精を出していたのだった。ハグリッドの追放はダンブルドアにつぶされ、処刑が決まったバックビークも刑の当日に逃げて消えてしまったのだ。考えてみれば、それはくしくも、ブラックの一件と同じ日だった。怪しい、、、疑念が一つ増えた。

「またダンブルドアにしてやられた。忌々しいたぬき爺め。ドラコを傷つけた者たちが無罪放免とは。」

「ルシウス、私もさんざんな年だった。」

「森番に人狼とは、ろくでもない新任教授ばかりだったな。まったく、ホグワーツはどうなっているのだ。」

「ルシウス」

私はルシウスに近付き、肩に頭をもたせかけた。1年近くブラックを警戒し続けた緊張ともろもろの怒りや忌々しい思いを溶かしてくれるのはここしかないのだ。

「セヴィ、お前から甘えてくるとは珍しい。どうしたのだ?」

ルシウスが髪に指を絡めながら撫でてくれた。吐き出したい思いをなんとか飲み込む。後のことを考えればポッターに関わることは伝えるべきではない。

「ただ、、、会いたかっただけだ。」

ルシウスは両手のひらで私の顔を包み、瞳を合わせてきた。

「疲れているようだな。疲れたならホグワーツなど辞めてしまえ。ここにいればよいではないか。」

ルシウスは背中に腕をまわし、私の体を引き寄せた。背中を撫で下りるルシウスの手を感じながら、ふとルーピンを思い浮かべ、忌々しい気分が蘇った。こちらにもあちらにもよい顔をしようとして、全てをぶち壊した愚か者。しかし。ルーピンは最悪だが、私の脱狼薬で飼いならされた狼は悪くなかった。脱狼薬なしで、あの狼は満月のたびにまたどこかに閉じ込められて荒れているのだろうか?

思い浮かんだ雑念は、ルシウスの唇が耳元を這うのとともに消え去った。体から体に伝わる心音を感じながら、私は欲望に身を任せ、快楽にのたうち、やがて、はじけるような解放の時が訪れた。

「セヴィ、少しやせたようだぞ。もともと細いのに、食事はきちんとしていたのか?」

私は、貧弱な体がいっそう貧弱になったかと、さらに身が細る思いで骨の浮き出た体を眺めた。

「ストイックなのもよいが、少し贅沢もしないといけないぞ。マジョルカに秘密の別荘があるから2人で行かないか?」

「しかしナルシッサとドラコが寂しがるでしょう?」

「長くは無理だが1週間くらいならいいだろう?事業の見回りだとでも言っておけばよい。ナルシッサとドラコはクィディッチのワールドカップに連れて行ってやるから。」

数日後、ドラコには1週間分の宿題を与え、見送るナルシッサに心配いらないと伝えて、ルシウスと2人、ポートキーでマジョルカに飛んだ。ルシウスの別荘は穏やかな海に面したこじんまりした建物で、中は趣味のよい家具と装飾品で飾られていた。口の堅い管理人夫婦が食事などの世話をしてくれて、他にしもべ妖精が1人いた。ルシウスは彼らに私を引き合わせると、自分と同じ主人だと思えと命じてくれた。

ルシウスと私はプライベートビーチにイスを並べて寝転んだが、ホグワーツの地下牢に住みなれた身には日差しが強すぎる。私はさっそく鍋を取りだして、手に入った材料で日焼け止めと日焼け後のスキンケアローションを調合し、ルシウスに笑われた。笑っていたルシウスもすぐに肌に赤みが差してきたので、今度は私が笑いながら日焼け止めをつけてあげた。

木陰で日がな一日本を読み、たまに遠くを走る船を眺めたりしているうちに空が夕陽に染まってきた。ホグワーツでの、常に緊張が抜けない日々に比べて、天国のように穏やかに時は流れる。隣で軽い寝息を立てるルシウスを見ると、この優雅な景色に実になじんでいて、やはり別世界の人だと思う。私にはふさわしくないこんな幸せなひと時を与えてくれたことに心から感謝した。

マジョルカからマルフォイ邸に戻り、まもなくルシウスはナルシッサとドラコを連れて、クィディッチ・ワールドカップの観戦に出かけていった。
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セブルス・スネイプの同窓会(12)

(これは『ハリーポッター』シリーズの本と映画鑑賞後の、妄想です。時期は第3巻「アズガバンの囚人」)


シリウスに助け起こされて、私たちは説明を続けた。ハリーたちの鋭い質問に答えながら。セブルスもこんなふうに聞いてくれたら、真実をわかってくれるだろうにと思いながら。しかしまずは真実を明かし、ピーターを捕え、シリウスの無罪を明らかにしなければならない。

シリウスは、アズガバンを訪問したファッジが持っていた予言者新聞に出ていたウィーズリー一家の写真を見て、ロンの肩の上に指が欠けたネズミ、つまりピーターを見つけたのだった。ジェームスを裏切ったピーターにシリウスが呪文を投げる前に、ピーターは周りにいた人たちを吹き飛ばして殺し、ネズミに変身して逃げてしまった。

シリウスはジェームスたちの家にかけた忠誠の術の秘密の守人を、すぐわかる自分ではなく、ピーターにしようとジェームスに進言したことを気に病んでいた。その結果が、ピーターの裏切りによるジェームスたちの死となってしまったのだから。

しぶるロンをなんとか説得し、ようやくスキャバーズに解除呪文をかけると、、、ネズミはピーターの姿に変わった。ピーターはヴォルデモートに逆らうことがどんなに恐ろしかったかと言い訳したが、もちろんシリウスと私は聞く耳を持たなかった。今すぐにでも殺してやりたいほど憎い。

ジェームスとリリーの死。孤児として育つことを余儀なくされたハリー。シリウスの12年間のアズガバン暮らし。そして私の絶望の日々。ピーターには償う義務がある。

ハリーとハーマイオニは、ピーターとシリウスにさらに質問を重ね、、、なぜピーターは何年もチャンスがあったのにハリーを殺さなかったのかとか、闇の魔術を使わずにシリウスがどうやってアズガバンを脱獄できたのかとか、、、十分な説明の後に、シリウスの無実とピーターの罪を理解してくれた。

ハリーがピーターはアズガバンに送るべきだと言うので、ピーターを引きつれてホグワーツに戻ることにした。ハーマイオニが気にするのでセブルスの状態を見ると、気絶しているだけだった。ここで騒がれるともっとひどいことになりそうなので、気絶したままのセブルスを呪文で立ちあがらせて、校内に戻ってから介抱しようと思った。あとで説明すれば、きっとセブルスもわかってくれると信じ込むことにした。とりあえず今はピーターを引き渡し罪を明らかにすることが先決だ。

ピーターに逃げられないように、私とロンに鎖でつなぎ、ぞろぞろと叫びの屋敷の通路を外に向かった。気絶したままのセブルスはシリウスが杖で操って連れてきた。

「お前の真の気持ちはブラックが現れた時にわかる」

セブルスが言っていたことを思い出す。結果としてはその通りかもしれない。だけど、シリウスは無実の罪で12年間アズガバンに収監されていたのだから、真実を明かすための成り行きでこうなってしまったこと、きっとセブルスは理解してくれる、いや、理解してもらえるまで説明しようと、少し強気に思っていた。なんといっても、親友のシリウスを取り戻せたことが私は嬉しくて、それに何年もだまし続けたピーターへの怒りと捕まえた満足感で、私は少しハイになっていたのだ。そのすべてが私の愚かさのせいで無に帰すとは思いもせずに。

通路を出てホグワーツに向かう途中、雲が晴れ、そして満月が現れた。体の中から湧きあがるざわめき。狼の雄叫び。今夜は脱狼薬を飲まなかったんだ。そう思ったのが最後だった。

*******************

気がつくと、地面の上に倒れていた。叫びの屋敷でポッターたちに吹っ飛ばされたのだが。裏切り者のブラックにルーピン、助けてやったのに私に杖を向けたポッターたち。憎しみと忌々しさがこみ上げてきたが、近くにウィーズリーが倒れているのを見て血の気が失せた。ポッターはどうした?ポッターはどうなったのだ?

あわてて呪文で担架を出してウィーズリーを横たえ、呪文で担架を浮かせながらポッターたちを探した。湖のほとりでポッターを見つけたときにはほっとした。ポッターとグレンジャー、そしてブラックも担架に横たえて、医務室に向かう。

何が起こったのか、考えるまでもなかった。愚か者のルーピンが脱狼薬を飲み忘れて変身したのだ。私を好きだなどと言いながらブラックを手引きし、信じてほしいと言いながら、生徒たちを危険に晒すという最悪の形で信頼を裏切った。しかし、なにはともあれ、ポッターや生徒たちは無事で、リリーを死に至らしめたブラックにディメンターのキスを受けさせることができるのは喜ばしいことだ。

生徒たちを医務室に運び、ブラックをダンブルドアに引き渡し、事態を報告した。かけつけた魔法大臣のファッジは、私の行動をマーリン勲章に値すると称賛してくれた。ポッターたちが私に杖を向けて気絶させたことについては、ブラックの錯乱術にかかったのだと言っておいた。ブラックにだまされたことには違いないだろう。ポッターたちは意識が戻ってからもブラックをかばっているが、正気のさたとは思えない。

これでやっと、リリーの死に関わった仇の一人に罪を購わせることができると思っていたのに、牢が破られ、ブラックは逃亡していた。ブラックに言いくるめられて、ポッターとグレンジャーが逃亡を助けたに違いない。それしか考えられない。リリーの命を奪った者を逃がすとは。

私は何度もダンブルドアに訴えたが、耳を貸してもらえなかった。英雄ポッターがかかわるとなると、ファッジも同じだ。ポッターたちは医務室から出ていないからというが、ブラックの拘束を知っているのは、私とダンブルドアを除けば、彼らだけではないか。ポッターたちを問いただすことすらせず、ダンブルドアは私をいさめるだけだった。私は怒りと絶望を胸に、医務室を去ることしかできなかった。

許しがたい者たち。ブラックは逃してしまったが、手引きしたルーピンは残っている。それだけでなく、ルーピンは脱狼薬を飲み忘れて生徒たちの前で狼に変身するという過ちを犯した。ダンブルドアとて庇いきれぬ失態だ。ルーピンはホグワーツから追い出す。

私は朝食の大ホールに集まるスリザリン生たちの席に行き、ルーピンの正体を明かした。

************************

目が覚めると、禁じられた森に倒れていた。昨夜の変身時を思い返し、あわてて口を拭ってみたが、どうやら何か
を、、、人を食ってしまった形跡はなかった。ほっとした。体のあちこちに自分のものではない鋭い爪跡が残っていたが、獣のもののようだ。傷ついた体でなんとかハグリッドの小屋にたどりつき、身支度を整えさせてもらった。そこで、ハグリッドから、セブルスが私の正体を生徒たちに明かしたと聞いた。私には二度と望めない恵まれた職を去るのは悲しいが、このような、生徒たちを危険にさらすようなことは二度と起こってはならないのだから、辞職はやむをえないことだと思う。ハリーたちを傷つけることなくすんでよかった。

校長室に向かう途中、すれ違う生徒たちが私を避けて、ひそひそと話すのを見るのは、やはり辛かった。辞意を伝えるとダンブルドアは引きとめてくれたが、これ以上負担をかけるわけにはいかないし、私の過ちは私が受け止めなければならないと思う。

ダンブルドアは昨夜、私の変身後の出来事をおしえてくれた。意識を失っていたシリウスやハリーたちを、セブルスが担架に乗せて医務室に運んできたこと。ハリーたちは無事で、シリウスもディメンターのキスを免れて無事逃げられたこと。

叫びの屋敷で気絶したセブルスが、モビリコーパスで頭をぶつけながら浮遊させられていたことを思い出す。セブルスはシリウスさえ、担架に載せて運んだのか。

「リーマス、残念なことになったが、セブルスをあまり責めんでやってくれ。失望のあまり口走ってしまったのじゃ。」

「わかっています、アルバス。セブルスはこの数カ月、きちんと脱狼薬をつくり、変身時の世話をしてくれました。感謝していますし、申し訳なく思っていますが、、、この気持ちは伝えられませんね。」

「あれももう少し融通がきくとよいのじゃがの。」

ダンブルドアに教授職に招聘してくれた感謝を伝え、このように去ることを詫びた。

部屋に戻り出発の荷造りをしているとハリーがやって来た。ハリーのような生徒を持てて幸せだったことを伝え別れを告げた。私は正直、一刻も早くホグワーツを去りたかった。自分の愚かさのため失うものを、いつまでも目にしていたくなかったから。

セブルスには、もう一目会いたい気持ちはあったけれど、合わす顔がない思いのほうが強かった。そしてシリウス。せっかく無実が明らかになったのに、私の変身のせいでピーターを逃がし、無実を証明することができなくなってしまった。落ち着いたらダンブルドアにシリウスの行方をきき、訪ねて行こう。私の失態を詫び、許してくれたらきっとまた親友に戻れる。12年の空白を埋めて。

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tag : ハリーポッター セブルス ルーピン ハリー シリウス

セブルス・スネイプの同窓会(11)

(これは『ハリーポッター』シリーズの本と映画鑑賞後の、妄想です。時期は第3巻「アズガバンの囚人」)


今年度最後のクィディッチの試合はグリフィンドール対スリザリンだった。これでグリフィンドールが勝てば、連続7年続いたスリザリンの優勝を止め、グリフィンドールがクィディッチカップを手にすることになる。セブルスは観戦席の一番前に座ってスリザリン生たちと応援に熱を入れていた。

セブルスには悪いけど、私もグリフィンドールの卒業生として、クィディッチには負けられない。その試合で見事ハリーは絶妙のタイミングでスニッチを取り、グリフィンドールを優勝に導いた。ジェームス、ハリーはクィディッチの名手だよ。君たちの分まで私が見守っているね。

クィディッチが終わると、あっという間に学年末の試験になった。私は工夫を凝らして、闇の魔術に対する防衛術の学習の効果がわかるような試験をした。試験でもハリーは優秀な成績をおさめた。

試験最終日の夕刻、私は自室でじっと、忍びの地図を眺めていた。その日は、今学年初めドラコ・マルフォイに怪我を負わせたヒッポグリフのバックビークに、おそらく処刑の判断が下される日だった。バックビークを可愛がっているハグリッドと仲の良いハリーたちが、規則を破って校内を抜け出しハグリッドの小屋に行くのではないかと心配だった。

案の定、忍びの地図にはハリーたちがハグリッドの小屋に行くのが現れた。地図上に現れる周囲の人たちの動きに目を凝らしているうちに、私はとんでもない名前を発見した。

ピーター・ペディグリュー。ハリーたち3人といっしょにその名前が動いている!ピーター?そしてどこからともなく現れたシリウス・ブラックの名前。ピーターとシリウスとロンが3つ巴になって走って行く。そのあとを追うハリーとハーマイオニ。向かっているのは、、叫びの屋敷だ。

私は取るものもとりあえず、部屋をとびだした。

*******************

あれほど言っておいたのに、ルーピンは脱狼薬を飲みに来ない。暖炉のフル―パウダーで呼び出したが返事もない。満月の日だと言うのに、何をしているのだルーピンは。自分を信じてほしいなどと、よく言ったものだと、ルーピンに投げつける言葉を考えながら脱狼薬を持って部屋を訪ねた。が、部屋にも姿がない。ゴブレットを机の上に置くと、そこには地図が広げてあった。ポッターから取り上げたあの紙切れだ。見るとすぐにその名が目に飛び込んできた。

シリウス・ブラック!すぐわきにルーピンの名も。

少し離れたところにごちゃごちゃと名前が重なっている。Pが多くて読み取りにくいが、グレンジャー、ウィーズリーの名があるとなれば、当然ポッターだ。

ポッターがブラックに襲われる!しかもルーピンもいっしょだ。やはりルーピンはブラックと繋がっていたのだ。あれほど御託を並べて、やはり私をだましていたのだ。とにかくポッターを助けなければ。そして、リリーを死に追いやったブラックをディメンターに渡してやる!もちろんルーピンもともに。

私は取るものもとりあえず、叫びの屋敷に向かって走った。

************************

叫びの屋敷の上の部屋に駆け込むと、立ち尽くすシリウスと、杖でシリウスに狙いを定めるハリーの姿。急いで武器解除の呪文でハリーたちの杖を取り上げた。シリウスに杖を向けながらあたりを見回す。ピーターはどこにいるんだ?なぜ死んだはずのピーターが。

「シリウス!あいつはどこだ?」

シリウスはゆっくりとロナルド・ウィーズリーを指差した。ロンの胸には、、、ネズミ。ピーターのアニメガスはネズミだ。だけどあのネズミはずっとロンのペットだった。ピーターはなぜずっと姿を現さずネズミの姿でロンのもとに留まっていたのか?では、まさか、ジェームスたちの家に掛けた忠誠の術の秘密の守人は、シリウスではなくてピーターで、、、ピーターが裏切り者だったのか?

「では、あいつがそうだったのか?君と入れ替わって、あいつが?私にも言わずに?」

シリウスはゆっくりとうなずいた。私は杖を下げ、目がくぼみやせ衰えたシリウスをしっかりと抱きしめた。12年振りに会う親友。12年も無実の罪でアズガバンに捕らわれていた、、私を含め、誰からも裏切り者と思われて。

「ルーピン先生・・・これはどういうこと?」

ハリーが信じられないといった感じの声できいてきた。ハーマイオニが叫んだ。

「ハリー、ルーピン先生を信じてはダメ!ルーピン先生はブラックを校内に引き入れ、あなたを殺そうとした。先生は人狼なのよ!」

「君らしくないね、ハーマイオニー。3つのうち1つしか正しくない。私はシリウスを校内に引き入れていないし、ハリーの死も望んでいない。人狼だということは否定しないけれどね。」

ロンが痛みのうめき声をあげたので、心配して近付くと、「近寄るな、人狼!」とわめいた。魔法界での普通の反応だが、、

「いつから知っていたんだい、ハーマイオニー?」

「ずっと前から。スネイプ先生のレポートを書いた時から。」

「君は実に賢い魔女だ。」

「バカだったわ。みんなに正体を言えばよかった。」

「少なくとも先生方はみな知っていたよ。」

「ダンブルドアは人狼だと知っていて教師に雇ったの?狂ってる。」

ロンが言った。

「そう言う先生方もいたけれど、ダンブルドアが私は信頼できると説得してくれたんだよ。」

「そしてダンブルドアは間違っていたんだ。先生はずっとブラックを助けていた!」

ハリーが叫んだ。

「私はシリウスを助けていたわけではないよ。」

私はハリーとロンとハーマイオニにそれぞれの杖を返し、自分の杖をベルトに戻した。

「さあ、君たちは杖を持ち、私たちは杖をかまえていない。説明をきいてくれるかな?」

私は忍びの地図でシリウスがロンとピーターとともに叫びの屋敷に入ったのを見たこと、忍びの地図は私たちが学生の頃に作ったから使い方を知っていたこと、そして、ロンのネズミ、スキャバーズこそピーターのアニメガス(動物もどき)の姿だと説明した。

勉強家のハーマイオニが、アニメガスは魔法省に登録されているはずなのに、ピーターは登録されていないと指摘したので、そもそもの初め、つまり、私が幼い頃に人狼になったことから説明した。彼ら3人はすべてを知り理解する権利も必要もあると思うから。

先を急かすシリウスを制しながら説明を続けた。人狼の入学など許されなかったけれど、ダンブルドアの特別なはからいでホグワーツに入学できたこと、私の正体に気づいたジェームス、シリウス、ピーターが時間をかけてアニメガスになって狼に変身している間も私とともにいてくれたこと、そうして変身時に叫びの屋敷を抜け出していたこと。そのことをダンブルドアにも秘密にしていたこと。

そしてシリウスが『いたずら』で満月時にセブルスを叫びの屋敷に誘導し、変身した人狼に対面させたこと、それをジェームスが危うく救ったこと。

「だからスネイプはあなたを嫌っていたんですね、先生もそのいたずらに加わったと思って?。」

ハリーが言った時、

「その通りだ。」

セブルスが透明マントを脱いで現れ、まっすぐに私に杖を向けた。

「暴れ柳の根元でこのマントを見つけたのだ。ずいぶん便利だな、ポッター」

「セブルス・・・」

「私は何度も何度も校長におまえが旧友のブラックをホグワーツに引き入れる手引をすると警告したのだ。そして今証拠をつかんだ。」

「セブルス、君は間違っている。全部をきいていないんだよ。シリウスはハリーを殺しに来たのではなくて・・」

「今夜2人はアズガバンに送られる。ダンブルドアがどう思うか見ものだな。おまえのことを本当に害がないと信じていたのに、ルーピン。」

「バカげてるよ。子供の頃の恨みで無実の人間をアズガバンに送り戻すなんて。」

セブルスに説明しようとすると、口も体も魔法でぐるぐる巻きにされてしまった。怒ったセブルスは手の着けようがない。人の話をきいてくれないから。

セブルスとシリウスはこれ以上ないほどの憎悪を浮かべて睨み合っている。ハリーとハーマイオニが説明をきいてから決めようと言っても、セブルスはますます逆上してしまった。

「父親と同じだ、ポッター!私が助けてやらなかったらおまえは殺されていたのだ。傲慢過ぎてブラックを信じるという過ちを犯した父親と同じように。ここから出ていけ!出ないなら私がそうさせるぞ。」

その瞬間、

「エクスペリアームス!!!」

ハリーとロンとハーマイオニが同時に杖を向けて叫び、セブルスは吹っ飛ばされて気絶してしまった。

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セブルス・スネイプの同窓会(10)

(これは『ハリー・ポッター』シリーズの本と映画鑑賞後の、妄想です。時期は第3巻「アズガバンの囚人」)


シリウスのグリフィンドール寮侵入事件から、校内の見張り態勢は一層厳しくなった。そんなある日、暖炉のフル―パウダーでセブルスに呼び出された。

セブルスの部屋にはハリーがいて、セブルスが手にしているのは、、、忍びの地図だ!私たちが学生の頃、変身の夜にアニメガスになったジェームスたちと4人で叫びの屋敷を抜け出して探険した賜物。ホグワーツからの秘密の脱出経路が記されている。そして、誰がどこにいるかわかるものだ。私たちが作ったもので、しかし、呪文で呼び出さなければ、ただの紙切れにしか見えない。

ホグズミードへの外出の日、外出が許可されていないはずのハリーがホグズミードで姿を見られ、セブルスが怒って持物を検査したらハリーが持っていたということだ。

呪文を知らない者が地図を表そうとすると、罵倒する言葉が現れる。つまり、ブロンクス(ジェームス)からXXへ、とか、ムーニー(私)からXXへ、とか言って。セブルスはアニメガスになった私たちの互いの愛称を知っているはずはないが、私たちが製作者だと見当をつけて私を呼び出したらしい。適当にごまかして忍びの地図を手にし、ハリーを連れてセブルスの部屋を出た。

シリウスからハリーを保護するために皆が厳重な警戒をするなか、「特別な選ばれし者ポッターは危険に身をさらしてもよいと思っている」というセブルスの言葉にトゲはあるが、その通りで、ハリーはもっと身の危険を認識してほしい。ハリーに厳しく注意し、忍びの地図は私が預かることにした。この地図を持っていたら、ハリーはシリウスの居場所を見つけ、そこに向かわないとも限らない。あるいはシリウスが手に入れてハリーの居場所を知る恐れもある。

夜の見回りに加え、ハリーの心配、シリウスへの複雑な思い、そしてセブルスとのことなどに思いが巡り、気が休まることがない。私は眠れなくなった。やっと眠りについても、悪夢にうなされた。夢の中でシリウスがハリーを襲っていたり、私と杖を向けあっていたり、セブルスがシリウスと私に杖を向けたりしていた。まったく休まった気がしない。食事ものどを通らなくなった。


また満月が来て、一人自室で変身の夜を過ごし、夜が明けようやく人間に戻ったけれど、体が鉛のように重くて、セブルスが置いてくれてあった回復薬にたどりつくこともできず、私はそのまま意識を失った。

目覚めると医務室のベッドに寝ていて、マダム・ポンフリーが心配そうに覗き込んでいた。

「リーマス!ああ、リーマス!よかったわ。心配したのですよ。もうこのまま目覚められないのではないかと。」

ポピーは、私が生徒だった頃のように、髪を撫でて抱きしめてくれた。

「どうしてここに?」

「あなたは変身明けに意識を失ってしまって。セブルスがあなたをここに運んできてくれたのですよ。」

ポピーは思い出したように少し笑って続けた。

「あんなにあわてたセブルスを見たのは初めてですよ、リーマス。だって、あなたをシーツにくるんで、抱えて走って来たのですよ、セブルスが。ここに着いたときは息が切れて、セブルスも倒れそうでしたよ。」

「・・・」

「あなたは体重が減っていて、脱狼薬が効きすぎてしまったそうです。私が応急処置をしている間に、セブルスが解毒薬と回復薬を調合してきてくれました。解毒薬が効いたようですね。さあ、目覚めたらこれを飲むようにと。」

「セブルスは?」

「授業です。さあ、これを飲んでもうひと眠りしなさい、リーマス。飲ませなかったら私がセブルスからどんなに怒られるかわかりません。」

薬を飲んでベッドにもぐりこみ、セブルスが嫌そうに裸の私をシーツにくるんで抱え上げる風景を想像した。目から温かいものが滲みだす。君はほんとに、律義だね。ダンブルドアの言葉を思い出した。

「安心してホグワーツに来るがよい。セブルスはおまえにはやさいからの。」

セブルス、私が欲情したのは、君のせいだよ。君がそんなにやさしくしてくれるからだよ。心が温かくなって、久しぶりに安らいだ気持ちで眠りについた。

人の気配で目が覚めると、ベッドの傍らにセブルスが立っていた。

「ルーピン、体重や体調の変化は報告しろといっておいただろう?おまえの変身の管理は、校長に言われた私の責任なのだ。これ以上手をやかせるな。」

「ありがとう、セブルス。また君に助けてもらったよ。人狼の私がホグワーツにいられるのは、今も、生徒の頃も、君のおかげだよ。」

私は胸から溢れる思いを留めることができなかった。

「セブルス、私は君のことが好きなんだよ。こんなふうにしてもらったら、責務としてしているとわかっていても、好きにならずにはいられない。」

「それで私にどうしろと?」

「だから、私のことを信じてほしい。友達としてでよいから。」

セブルスは訝るような目でしばらく私を見ていた。開心術を使っているのだろうか?それでもいい。私の想いに偽りはないのだから。

「今おまえがどんな気持ちでいようとも、真実はブラックが現れたときにわかるだろう。学生の頃、おまえは結局、私のことも、お前自身の気持ちも裏切ってポッターとブラックの肩を持ったのだからな。」

セブルスはそう言うと、背を向けて医務室を出ていった。

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セブルス・スネイプの同窓会(9)

(これは『ハリーポッター』シリーズの本と映画鑑賞後の、妄想です。時期は第3巻「アズガバンの囚人」)


裸のルーピンにベッドで襲われそうになり、しばらくは怒りと驚きで何も考えられなかった。しかし動揺が収まってみると、私のどこにルーピンの欲情をそそるものがあったのかと疑念がわいてきた。なんといっても、ルシウス以外、そのような体験は皆無である。ルーピンはあえて人の気を損ねるようなことをする者ではないはずだ。私の体を奪うことで、ブラックについての追及を懐柔しようなどという企みでもあったのだろうか?開心術を使っておくべきだったが、とっさのことでそれだけの余裕をなくしていた。私らしくなく。

意図を探ろうと出を来事の記憶をたどるうち、気がつくと体が熱を帯びてきて、実に不快だった。寒さを堪えて冷たいシャワーを浴び、身にまとわりつくルーピンの気配を洗い流す。いずれにしても、

私の命と魂はリリーに捧げ、今ここにある心と体はルシウスのものだ。ルーピンなどに奪われてよいものはない。

夕方になり、青ざめて倒れそうなルーピンが部屋に訪ねてきた。怒りにまかせて回復薬を出してやらなかったから、脱狼薬の影響から抜けられないのだ。いいザマだが無責任なことをするわけにもゆかない。

「セブルス、今朝は悪かったよ。頭痛と吐き気と痛みと貧血をおさえる薬をもらえないかな。」

「ふん。今朝の様子では回復薬など必要なさそうだったがな。」

「そんな意地悪なこと言わないでほしいよ。私だって悪気があったわけじゃないんだよ。ただあの状況で体が反応してしまっただけじゃないか。君のボタン一つはずした覚えはないよ。」

「あたりまえだ。そんなことをしたらただではおかん。」

「じゃあ君は何かの折に、はずみで体が反応してしまったことはないの?」

「ない。」

「え?」

ルーピンの顔に憐れむような表情が現れた。私のことを性的不能者とでも思ったに違いない。

「はずみで反応したことなど、ない。ルーピン、そういうことは愛する人に捧げるものなのだ。」

黙り込んだルーピンに準備してあった回復薬を渡してやった。ルーピンは薬を飲み終えて言った。

「ありがとう、セブルス。助かったよ。」


*****************************

「愛する人に捧げるものだ」と言った瞬間、セブルスの顔に何とも言えない柔らかい表情が浮かんだ。いや、表情というより、全体の雰囲気。それには覚えがあった。7年生の時にセブルスが纏っていたものと同じだった。あのときはセブルスがルシウス・マルフォイがの恋人になったと聞いた。あれから15年。マルフォイは結婚して息子までいるのだから、まさかマルフォイということはないのだろうけれど。マルフォイであれ誰であれ、30半ばの大の男に、いや、セブルスに、あんなことを言わせる男に、、、もしかしたら女か?、、激しい嫉妬を感じた。そして胸の痛みも。


クリスマス休暇が明けると、約束通り、ハリーにパトロナス(守護霊)の個人レッスンをしてあげることになった。ハリーは次のクィディッチの試合で、またディメンターの影響を受けて負けてしまうことを心配していた。私もパトロナスを教えるエキスパートというわけではないけれど、ハリーの力になってあげたい。

パトロナスを出すのは、成人の魔法使いでも難しい。パトロナスは体験した幸せな思い出がその原動力になる。1つの幸せな思い出に集中し、それが作り出すパワーに陰りを与えぬ強い精神力も必要だ。本物のディメンターを使うわけにはいかないから、ハリーの前でディメンターに姿を変えるボガートを用いてレッスンすることにした。

ハリーはまだ3年生なのに、なんとか白い霧のようなものを出せた。が、すぐに倒れてしまったけれど。そして2回目にはまだはっきりとした形のパトロナスは出せなかったけれど、なんとかしばらく防ぐことができた。ディメンターは良い記憶を吸い取り、辛い記憶を呼び覚ます。ハリーは両親の最期の声を聞いたという。

「ジェームスの声を?」思わずつぶやくと、ハリーに父を知っていたのかと尋ねられ、「友達だったからね。」と答えた。両親を知らずに育ったハリーに、いつかジェームスとリリーの話をしてあげたい。素晴らしい人たちだったと。ただ、まだ今は、シリウスのことをどう言えばよいのかわからない。親友のシリウスに裏切られて彼らが殺されたということをハリーにどう伝えればよいのか、私にもまだわからないのに。

「では、ルーピン先生はシリウス・ブラックのことも知っていたのですね?」

ハリーにさらに尋ねられたが、私は何も言えず、レッスンを終了した。


次の満月には、変身は自分の部屋でしろと言われた。もう脱狼薬の効果はわかったから、見張っている必要はないと言う。ただ、体重や体調に応じた調整が必要だから、そういうことだけ報告しろと言われた。それでも、

「変身中に君がいてくれると心強いんだよ。」

と訴えてみたが、

「発情した狼と夜を過ごす気はない。」

ときっぱり退けられた。脱狼薬の副作用で体は弱っているし、変身の辛さもあり、惨めな夜だった。狼はセブルスを呼んで遠吠えを繰り返し、なんだか狼にまで責められているような気がした。翌朝目が覚めると、サイドテーブルに回復薬が置いてあって、セブルスの律義さだけはありがたかった。


翌月のクィディッチの試合には、スリザリンのマルフォイたちがディメンターの真似をしてハリーを驚かそうとしたが、なんの影響もなくハリーはスニッチをつかみ、見事グリフィンドールがレイブンクローに勝利した。

喜びにわくグリフィンドール寮。
しかしその夜、シリウスがグリフィンドール寮に侵入した。シリウスは寮に入るパスワードを知っていたことが判明し、校内は騒然となった。

テーマ : 二次創作:小説 - ジャンル : 小説・文学

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