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セブルス・スネイプと謎のプリンス(12)

(これは『ハリーポッター』シリーズの本と映画鑑賞後の、妄想です)


そうこうしているうちに10月半ば、生徒たちのホグズミード外出の日の夕刻、事件が起こった。おそらくドラコが起こしたと思われるその事件は、ダンブルドアを殺害するという目的からすればお粗末なものだったが、一人の生徒が重傷を負った。

犠牲者はケイティ・ベル。ホグズミードからホグワーツに戻る直前の出来事だった。ダンブルドアは留守だったため、知らせを受けた副校長のミネルバの指示で、私が応急処置を施した。邪悪な呪いのかかったネックレスによるもので、たまたまほんのわずかに皮膚が触れただけだったので助かったが、悪くすれば錯乱と痙攣のうちに死に至る恐ろしい呪いだった。生徒を聖マンゴ病院に送り、ネックレスの呪いやその形跡を調べたが、誰がしたことかを証明することはできなかった。

だが、ドラコの仕業ということはわかっていた。ダンブルドアが言った通り、追い詰められたドラコが周囲に犠牲者を出すこともいとわぬ行為に出ているのだ。影でベラトリックスがけしかけているに違いない。生まれた頃の天使のようなドラコの笑顔や、ルシウスの叱責に怯え私の部屋で泣いていた子供の姿が目に浮かぶ。今回は必死の手当で最悪の事態は免れたが、もし犠牲者が死に至るようなことがあれば、ドラコの魂は損なわれてしまうだろう。

しかしドラコは、何度言っても研究室への呼び出しに応じないばかりか、次のクィディッチの試合も理由をつけて出なかった。私はドラコの見張りに全力を注ぐことにした。

クリスマス休暇の前日に、スラグホーン教授が自室でクリスマスパーティを開いた。昔からそうだったのだが、この教授は有力なコネのある生徒や将来有望な生徒を見つけては、食事会を開くのが趣味なのだ。リリーを気に入っていて、私も一度リリーに連れられて出たことがある。私自身は招かれたことはないのだが。今日はドラコがこちらに来るのを見かけ、中をうかがっていたら、いきなりスラグホーン教授に腕を掴まれ引っ張り出されてしまった。

「こそこそ隠れていないで、セブルス、一緒に楽しくやろうじゃないか。」

スラグホーン教授はご機嫌だったが、そこにはポッターがいた。

「今ハリーが魔法薬の授業で飛び抜けた成績だと話していたところなんじゃよ。君が5年間教えた成果だな。」

「おかしなことですな。私はポッターに何も教えられなかったと思っていたのですが。」

「ではハリーの天性の才能じゃな。最初の授業でハリーがつくった『生ける屍の水薬』は素晴らしかったよ。あれほどの物を一回で作れる生徒はおらんよ。セブルス、君でさえ。」

「なるほど?」

ポッターが魔法薬をうまくつくれるなどありえない。ご機嫌なスラグホーンの言葉に適当に相槌をうちながら、ポッターの心を探った。すると一瞬、ポッターの心に、ぎっちりと書き込みがなされた古い教科書が浮かんだ。見誤るはずがない、それは私の学生時代の魔法薬学の教科書だった。どこかに行ってしまったと思っていたが、なぜあの教科書がポッターの手に?しかし、勉強にはなるだろう。

スラグホーン教授の話は、ポッターがとっている科目に移って行った。闇祓いになるのに必須の科目だった。私が皮肉を言い、ラブグッドの的外れな話しに座が笑いに包まれた時、管理人のフィルチがドラコの耳を引っ張って、階段を下りてきた。

「スラグホーン先生、こいつが上の階の廊下をうろついているのを見つけました。先生のパーティに招かれたが、来るのが遅れたと申しております。先生はこやつに招待状を送られましたですか?」

ドラコはフィルチの手を振り払いながらわめいた。

「ああ、招かれていないとも!勝手に押しかけただけさ。これで満足か?」

嬉しそうなフィルチをいさめるように、スラグホーンがドラコの出席を許し、ドラコもスラグホーンの歓心を買うようなお世辞を言い始めた。しかし久しぶりに間近で見るその顔は、目の下に隈ができ、病気のようにやつれていた。私は痛々しさに胸が締め付けられるようだったが、この機会を逃さず、ドラコと話そうとその場から連れ出した。

廊下の奥の教室で、声をひそめてドラコを説得しようと試みた。ケイティ・ベルの事件ではすでに疑われていると言ったが、関係ないと言い返された。心をのぞこうとしたが、閉心術を使っていた。ベラトリックスに教えられたのだ。そして、私が口出しすることが嫌なのだという。呼び出しに応じないことを責めると、罰則なりダンブルドアに言いつけるなりすればいいと。私はそんなことをするつもりはないと言い聞かせ、ドラコを助けるとナルシッサに破れぬ誓いを結んだとまで話したのだが、、、。ドラコは私の助けなどいらない、自分でやる、できるんだと言って、耳を貸さなかった。

だが今回スラグホーンの部屋をうろついて見つかったのは失敗だったと半ば脅しながら、手助けを申し出て、私を信頼して何をやるつもりか話すよう言ったのだが、ドラコはむしろ興奮しただけだった。

「おまえが何を狙っているかわかっている。僕の栄光を横取りしようと思っているんだ!」

ベラトリックスにすっかり言いくるめられ、私のことを疑っているのだ。ドラコの心から、ダディと甘えた私の姿はもう消えてしまったのだろうか?

「子供のようなことを言うのだな。父上が逮捕され、アズカバンに収監されて動揺しているのはわかるが・・・」

私の言葉を聞くことなく、ドラコは教室を駈け出していってしまった。

我が子同様に慈しんでいたドラコが、私を憎み、離れていった。私の任務は、私からすべてを奪い去るのだった。たしかに、ダンブルドアの導きを受け贖罪に生きると決めた時、私のすべてを投げ出すと誓ったのだが、それは現実になると、一つ一つが我が身を切り刻むものだった。

それでも。私はそれだけの罪を犯したのだった。贖罪は果たさねばならぬ。ドラコも守らなければならない。
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テーマ : 二次創作:小説 - ジャンル : 小説・文学

tag : ドラコ セブルス

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