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セブルス・スネイプと謎のプリンス(16)

(これは『ハリーポッター』シリーズの本と映画鑑賞後の、妄想です)


自室に戻り、私は何度も何度も、繰り返し考えていた。ポッターは、リリーの息子は、死ななければならない。リリーがただ一つ、この世に遺したもの。リリーが命を投げ出して守ろうとした息子。リリーの遺志を継ぎ、命をかけて守ってきた。しかしその子は、、、ダークロードとともに死ななければならない。そのために守られてきたのだった。

結局、あの時から決まっていたことなのだ。リリーがその身を投げ出して息子を守った時から。その息子は時を経て、あの時と同じに、ダークロードの死の呪文を受けて死ぬことが決まっていたのだった。短かったリリーの命にさえ及ばぬ時間が与えられただけだった。

すべては私が予言をダークロードに告げたせいなのだ。リリーへの贖罪に命を捧げて生きてきたつもりだったが、それは初めから、償えぬものだったのだ。

私はもう、リリーに語りかけることができなかった。子供の頃からずっと私の魂に灯っていた小さな灯りは、消えてしまった。


ほどなく、スラグホーン教授の部屋でウィーズリーが毒を飲んで倒れるという事件が起こったが、私は出向きもしなかった。なんとか処置ができたらしいと聞いたためもあるが、もう何をやる気も起こらなかったためだ。私にできることなど何もないのだから。

すべてが空しいだけだった。かろうじて、闇の魔術に対する防衛術の授業を行えているのが信じられないほどだった。あとはただ、机に座り、あるいはベッドに横たわり、償えぬ罪を思うだけだった。


2,3週間がそのように過ぎ、その夜も、読みもしない本を開いて机に向かっていると、目の前に銀色の牡鹿が現れた。

セブルス、明日には戻らなければならないから、禁じられた森の前に来てほしい。来るまで待っているよ。」

伝令を告げて牡鹿は消えた。任務で人狼集団に潜入しているはずのルーピンだった。思い起こせば、クリスマスの夜の短い再会以来、3か月ほどが過ぎていた。気は進まなかったが、重い体を引きずるように部屋を出た。

ルーピンはまた一段とやつれた姿で立っていた。ダンブルドアを信じ、ポッターがダークロードを倒すその日を夢見て、厳しい任務を耐えているのだろう。ダンブルドアがまもなく死に、ダークロードを倒すと同時にポッターも死ぬのだと知ったら、ルーピンは何というだろう。知るはずもないが、、、。

セブルス!」

私を見て一瞬笑顔を浮かべかけたその顔が、驚きの表情に変わった。

「そんなにやつれて、いったい何があったんだ?」

悲鳴に近い声だった。返事のしようがない。黙っていると、ルーピンは私の肩に手を掛けて言った。

ダンブルドアに報告するために少し戻っただけなんだ。明日の朝には報告して任務に戻らなければならないんだけど、君は少し時間はあるかい?」

私はうなづき、2人でまたルーピンの小さな貸家に向かい、アパレートした。

部屋に着くとルーピンは、何があったのか、食事はしているのか、眠れないのかといろいろ聞いて来たが、私には何も答えられなかった。質問を遮るためにルーピンの任務について尋ねると、そちらも厳しい状況のようだった。

「荒んだ暮らしの中で君のことを思うのが慰めなのに、そんなふうだとほんとうに心配だよ。いったい何があったんだい?任務に関することは言えないんだろうけど、、、」

しばらく沈黙が続いた後、私を励ますように、ルーピンは杖を振って守護霊を出して見せた。銀色の牡鹿が、小さな部屋を数歩駆けて、消えていった。それを見ると少しだけ、表情が和らぐ気がした。

「君の守護霊も出してくれないかな?この前の時のように。牝鹿と牡鹿が並ぶ姿を何度も思い出していたんだよ。一緒に、セブルス、さあ君も。」

「エクスペクト・パトローナム!」

2人で声を合わせて杖を振ったのだが、、、。しかし、私の杖から出た弱々しい銀色の光の粒は、牝鹿の姿を為せぬまま消えていった。ルーピンは顔色を変え、消えゆく光を見つめていたが、やがて険しい表情で私に向かった。

セブルス、」

「ルーピン、すまない。今日はとても疲れているのだ。もう戻らなければ。無事を祈る。」

慌ただしく言葉を残し、私はルーピンの視線を逃れるように部屋を出た。

ホグワーツの自室に戻り、私は一人、守護霊を出そうと杖を振ってみた。ルーピンの部屋と同様、光の粒が力なく消えていった。リリーとの幸せな思い出で心を満たすことが、どうしてもできないのだった。

まもなく闇の魔術に対する防衛術の授業で、ディメンターを扱う予定なのだが。私は何度目かのため息をつき、授業計画を変更した。教師が手本を示せないなど、私の授業であってはならないことだがしかたがない。たしかポッターが守護霊を出してディメンターを逃れたことがあったはずだ。うまく進めて、ポッターに守護霊を出させ、あとは言葉で説明することにしよう。

私の任務は、私から全てを奪うと思っていたが、魔法までも奪うのだろうか?衝撃的ではあったが、しかし、それももう、どうでもよいことのように思えた。
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テーマ : 二次創作:小説 - ジャンル : 小説・文学

tag : セブルス ルーピン ダンブルドア ポッター ハリーポッター リリー

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