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セブルス・スネイプと謎のプリンス(19)

(これは『ハリーポッター』シリーズの本と映画鑑賞後の、妄想です)

6月に入り、私はいよいよその時が迫っていると感じていた。ダンブルドアは衰弱が著しく、弱った体で外出しては、げっそりして戻ってきた。ダンブルドアの時間が許す限り、戻るたびに私は校長室に出向き、薬を処方し衰えた手足を労わりながら、留守中の学内の様子や、ドラコやポッターの動向、デスイーター集会の話などを報告していた。ダンブルドアはたいてい黙って聞いているだけだったが、ある日私に話しかけてきた。

セブルス、おまえがいてくれて、ほんとうに幸運じゃった。あとを託し、楽に送ってもらえるのじゃからの。感謝しておる。」

「アルバス、あなたのおかげで、私はアズカバン行きを免れ、贖罪の道を歩むことができたのです。罪を犯した私を信じてくださり、感謝しています。このように見送ることになるとは・・・」

私は未練がましく、呪いで黒く焼け焦げた右手を、両手のひらで包み込み口づけした。呪いをこの身に吸い取ることができぬものかと。ダンブルドアは私の顔を上げさせると、左手を、闇の印が刻まれた私の左腕に置いた。

「おまえさんの罪は許されるじゃろう。厳しい道じゃったが、懸命に歩んできたのを知っておる。皆あれこれ言っておったが、わしはおまえを疑ったことはない。これからのことも含め、100%信頼しておる。」

「なぜ私のことをそのように信じてくださったのですか?いつでも裏切れる立場にいましたのに。」

ダンブルドアはしばらく私を見て、昔を思い出しているようだった。

「わしも過ちを犯し闇に傾倒したことがある。その結果ひどいことが起こっての、深く悔いたがどうにもならなんだ。遠い昔のことじゃが。」

「あなたのような偉大な魔法使いが闇に傾倒したことがあるのですか?」

「そうじゃ。若い頃の過ちじゃ。思い通りにならんことがあっての、そのことから逃れるように、ブロンドに惑わされてしまったのじゃ。」

「ブロンドに惑わされたというと?」

「おまえさんも覚えがあろう?ブロンドに心を奪われて、大事なことを見失ったのじゃ。ブロンドをなびかせて力を説く姿が魅力的での。おまえさんのはプラチナブロンドじゃが。」

「ルシウスのことですか?」

「おまえさんがそう言うならそうなのじゃろう。もっともルシウスは、、こう言っては怒るかの?スケールの大きな悪ではない、自分勝手というやつじゃ。今頃は家族を思って必死じゃろう。」

「怒りはしません、その通りです。」

「わかっておったか。わしのブロンドはスケールが大きくての、ヴォルデモート卿にも匹敵する闇じゃった。それが語る世界にわしは魅了されてしまったのじゃ。その結果、大切な者を失った。守るべき弱い命が失われたのじゃ。わしはしばらくその事実に目を向けることができなんだ。しかしそれからは、闇の台頭を抑えることに生涯をかけ、そして力に弱いことを自覚して、権力に近づくまいと教育者として生涯を送ったのじゃ。」

「あなたは素晴らしい教育者です。」

「そういってもらえるとありがたいの、セブルス。おまえさんの自責の念は、わしにはなじみのあるものじゃったというわけじゃ。だからわしはおまえさんが闇に戻ることは決してないと確信しておる」

「そうでしたか。」

「ところが、じゃ、セブルス、時として人は落とし穴に堕ちることがある。わしは過去を深く悔い、二度と過ちなど犯さぬと過信しておった。しかし、100年以上の時が過ぎて、このざまじゃ。」

ダンブルドアは呪いに蝕まれた右手に目をやった。

「呪いとか秘宝とか言われる物には、過去の悔いや悲しみやに、たくみにつけ込み惑わす力があるのじゃ。なぜこんな話をするのかと思っておるじゃろう?セブルス、おまえさんは今までも命を危険に曝し、この先もそうじゃろう。そして、ある物のために命の危険が格段に増すと懸念しておるのじゃが、、、わしはそれを教えてやることができぬ。」

「私が再び過ちを犯すおそれがあるということでしょうか?」

「そうじゃの、わしと同じ程度にということじゃが。おまえさんは深い悲しみと悔いを経験しておるからの、それを償うためならなんでもするというその思いの深さがつけこまれるのではないかと心配なのじゃ。おまえさんがそれを知ることは、おまえさんにとっても、わしたちの計画にとっても、危険を生じることになる。計画を狂わしかねぬ危険はわずかでも冒せぬのじゃ。」

「知らぬことも、知ることも危険なのですね?知らぬことによる危険が私の命だけなのでしたら、知らなくてよいですから心配には及びません。命の危険はもとより承知のうえです。」

セブルス、しかしやっかいなことに、わしはおまえさんの命を実に心配しておるのじゃ。生き延びてほしいのじゃ。贖罪を果たし、戦いが終わった世で、自分の人生を歩んでほしいと思っておる。おしえてやれんのはすまんがの、おまえさんは優秀な魔法薬学と闇の魔術に対する防衛術の教師じゃ。ヴォルデモート卿のこともよく知っておる。身を守る術は備えておると思うのじゃが。しかし戦いを生き延びる意思がないのではないかと心配なのじゃ。贖罪が果たせるなら死んでもかまわんと思っておるじゃろう?あるいは、リリーの息子が命を投げ出すなら、自分も生きて帰ってはならぬとでも思っておるのではないか?」

「・・・」

実際私は、戦い後に生きる自分を想像したことがなかった。リリーの遺志を継ぎ、ダークロードからその息子を守ることが生きる理由だったのだから。

「この戦いは命を守るためのものなのじゃ、セブルス。命を守り、家族が寄り添って幸せに生きるための戦いなのじゃから、お前自身の命もたいせつにしなければならぬ。ヴォルデモート卿から命を狙われるのは、お前の裏切りが知れるときだけではないと心得るのじゃ。知っておるだろうが、忠実な配下であろうと、必要ならば容赦なく命を奪うのがヴォルデモート卿じゃ。よいか?片時も油断するでないぞ。そして最後の時を見極めたら、あとはハリーに託し、身の安全を図るのじゃ。」

「私の、身の安全?しかしあの子の命を守るわずかな可能性でもあるのなら、ダークロードを見張っていなければ、、」

ハリーを信じるのじゃ、セブルス。ハリーに為すべきことを伝えたら、味方に戻るなり、身を隠すなりするのじゃ。あとのことはハリーとヴォルデモート卿しだいじゃが、わしは必ずヴォルデモート卿を倒せると信じておる。これは年寄りの最後の願いじゃ、セブルス、命がけの任務じゃが、自分の身を守ることを放棄してはならん。最後の時が近付くにつれ、危険は高まるはずじゃ。」

ダンブルドアはそう言うと、私の肩を抱き寄せた。

「セブルス、約束してくれんかの?戦いを生き延びる努力をすると。生き延びる力は持っているはずじゃ。」

「・・・わかりました、アルバス」

「今日のこの話を忘れるでないぞ、セブルス」

私たちはどちらも、これが最後なのだとわかっていた。次に会う時は、私がダンブルドアに対し、死の呪文を放つことになるのだ。

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テーマ : 二次創作:小説 - ジャンル : 小説・文学

tag : セブルス ダンブルドア ハリー ハリーポッター

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