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セブルス・スネイプと謎のプリンス(21)

(これは『ハリーポッター』シリーズの本と映画鑑賞後の、妄想です)


ダンブルドアが死んだ。セブルスが殺した。スネイプが、ダンブルドアを殺した。


その数日前、ダンブルドアに任務地から呼び返されて、私はホグワーツ周辺の警備にあたっていた。前報告に戻った時の様子が気になり、セブルスに会いたかったのだけれど、どうやらダンブルドアに泣きついて私を危険な人狼の村から呼び戻してもらったらしいトンクスが、そんな隙を与えてくれなかった。

トンクスは、私の消息が途絶えていた日々の苦しさを涙ながらに訴え、私が年をとっていようと、貧乏であろうと、人狼であろうと構わないから、一緒になりたいと、繰り返し言ってくれたのだった。一途な若い魔女からそんなふうに思われて、揺らぐ気持ちもあった。私のような、一緒になってもなんの得にもならない者に注いでくれる純粋な愛情というのは、心を打つものがある。トンクスとは任務が一緒だったし、いつの間にかトンクスの味方になっていたモリーも、私を励ましたり、2人を食事に招いたりしてくれた。

だけど、私の中にはセブルスへの想いがあったから、そのままは言えなかったけれど、自分はトンクスにはふさわしくないと、できるだけトンクスを傷つけないように、でも頑なに断っていた。学期末の忙しい時期にセブルスをわずらわすのははばかられたし、女性2人に理解してもらうのにも手間取って、こちらに戻ったのだからセブルスには夏休みに入ってからゆっくり会えると思っていた。

その夜は、マクゴナガルに呼ばれて、トンクス、ビルも一緒に、皆で校内を巡回していた。ダンブルドアがホグワーツを離れるということで警備を強めたのだけれど、校内は静かで、何の兆候も見られなかった。そして突然騒動が起こり、ロンたちからデスイーターが侵入したと知らされた。

私たちは急いで彼らを追い、天文塔の下で闘いが始まった。数名のデスイーターが天文塔の上に続くらせん階段へと向かったあと、呪いの障壁が張られ、私たちはみな障壁を抜けることができなかった。上の様子は気になったけれど、かまっていられなかった。階段の下での闘いでも、私たちは形勢不利だったから。ビルがグレイバックに噛まれ、ネビルも呪文に飛ばされて怪我をしていた。援軍に駆け付けたセブルスが、障壁を抜けて天文塔に向かうのに続こうとしたけれど、私は跳ね返されて通り抜けられなかった。

それからほどなく、天井が落ちてあたりに煙が立ち込める暗闇の中、スネイプとドラコが通り抜けていく姿を見かけた。そして、上から下りてきた者たちとともに、下で私たちと戦っていたデスイーターたちも突然引き上げていった。

わけがわからなかったけれど、とりあえず負傷者を医務室に運んだ。ビルは人狼のグレイバックに噛まれ、重傷を負い意識不明だった。ビルのベッドを囲み、ポピーが必死に手当するのを、ロン、ハーマイオニー、ルーナ、トンクスとともに見守っていると、青ざめたハリーがジニ―とともに医務室に入ってきた。

「ハリー、大丈夫かい?」

近寄って声をかけると、ハリーは自分は大丈夫だと答え、ビルの状態を尋ねた。言い淀むロンの物問いたげな視線に応えて、私は考えられることを話してあげた。つまり、変身時に噛まれたわけではないから本物の人狼にはならないと思うけれど、呪いのかかった傷だから完全には治らない。汚染されて、何か狼的な特徴が現れるのではないかと。

それを聞いて、ビルの弟のロンがすがるように、ダンブルドアならなんとかしてくれるはずだと言った、その時・・・

「ロン、、、ダンブルドアは死んだの。」

ジニ―が兄に答えて言ったのだった。

「まさか!」

私は思わず叫び、ジニ―を、それからハリーを見た。嘘に決まっている。嘘か、間違いか。ダンブルドアが死ぬはずがない!けれど・・・ハリーは否定しなかった。ダンブルドアはほんとうに死んでしまったんだ。

私はがっくりと椅子に座りこみ、顔を覆った。ダンブルドアが死んだ。人狼として、あの人狼の村で見た彼らと同じように生きるはずだった私に、救いの手を差し伸べてくれたのがダンブルドアだった。そのおかげで私はホグワーツに入学し、学ぶ機会を得て、かけがえのない友とめぐり合うこともできた。卒業後、困窮していた私をホグワーツの教授として招いてくれたのもダンブルドアだった。不死鳥の騎士団として、仲間とともに闇陣営と戦えるのも、すべてダンブルドアのおかげだった。導きを受け、その恩に少しでも報いたいと思っていたし、ダンブルドアの語る共生の世が私の希望でもあった。そのダンブルドアが・・・

「どんなふうに亡くなったの?」

思いに浸り、現実味の持てないままトンクスの質問を聞き流したのだけれど・・・ハリーの答えに驚愕した。まるでナイフを胸に突き刺されたような衝撃。

「スネイプが殺した。僕はその場にいて、見ていたんだ。闇の印が上がっていたから、僕たちは天文塔に戻った。ダンブルドアは病気で弱っていたけど、階段を駆け上がる足音を聞いて、それが罠だとわかったんだと思う。僕を金縛りにしたから、僕は何もできなかった。透明マントを被っていたんだ。そうしたら、、扉からマルフォイが現れて、ダンブルドアを武装解除した。」

私はその光景を思い浮かべ、体の震えを抑えられなかった。ハーマイオニーが口を覆い、ロンがうめき、ルーナが唇を震わせていた。

「続いてデスイーターがやってきた。それからスネイプが来て、、、スネイプがやったんだ。アヴァダ・ケダブラを。」

ハリーがそれ以上耐えられないように口をつぐんだ。ポピーが泣き出して、それからどこからともなく、不死鳥の哀しい歌声が聞こえてきた。皆黙りこんで、ただその声を聞いていた。ダンブルドアが死んだという、その驚きが悲しみに変わり、信じられない出来事が事実として体にしみわたってゆく時間が過ぎた。


どれほどたったのか、再び医務室の扉が開き、マクゴナガルが入ってきた。

「まもなく、モリーとアーサーがみえます。・・・ハリー、何が起こったのですか?ハグリッドが言うには、あなたがちょうどそこにいて、、、スネイプ先生が何か関わっていたとか・・」

「スネイプが、ダンブルドアを殺しました。」

ハリーの答えが再び胸に突き刺さる。マクゴナガルは崩れるように椅子に座りこみ、弱々しく声を上げた。

「スネイプが・・。私たちは皆疑っていました。けれどダンブルドアはいつも信じていました。スネイプが・・。信じられません。」

私は突然怒りが込み上げ、吐き捨てるように言葉が口をついた。

「スネイプは閉心術に長けている。そんなことはずっと、わかっていた。」

トンクスが囁くような声で言った。

「でも、ダンブルドアは、スネイプは私たちの味方だって誓って言っていたわ。スネイプについて、私たちが知らないことを何か知ってるんだって、私、ずっとそう思ってた。」

続いてマクゴナガルが、あふれる涙をハンケチで抑えながら言った。

「ダンブルドアはいつも、スネイプを信頼する鉄壁の理由があると仄めかしていました。もちろん、スネイプは過去がありますから、みんな疑っていましたが。ダンブルドアは私にはっきりと、スネイプの悔恨は絶対に本物だとおっしゃいました。スネイプを疑う言葉は、一言も聞こうとなさらなかった・・・」

それを聞いてトンクスが言った。

「スネイプが何と言ってダンブルドアを信用させたのか知りたいものだわ。」

「僕、知ってる。」

ハリーの声に驚いて、みな振りかえり、ハリーを見つめた。

「スネイプがヴォルデモートに伝えた情報のせいで、ヴォルデモートが僕の父さんと母さんを殺した。スネイプはダンブルドアに、自分が何をしているのかわかっていなかった、やったことを心から後悔している、2人が死んで申し訳なく思っていると言ったんだ。」

私は信じられない思いで言った。

「それで、ダンブルドアがそれを信じたと?スネイプがジェームスの死をすまなく思っているというのを、ダンブルドアが信じたのか?スネイプはジェームスを憎んでいたのに?」

「それに、スネイプは母さんのことも価値があると思ってなかったんだ。マグル生まれだから。穢れた血だから。」

ハリーの言葉に、ふと何か引っかかる気がしたけれど、それを突きとめる余裕はなかった。取り返しのつかない衝撃的な出来事に動揺し、起こってしまったことをどう受け止めればいいのか途方に暮れていた。

やがてマクゴナガルが、思い詰めた声で、全部自分の責任だと言い、それから皆でその夜の出来事を順を追って確かめていった。誰もが責任を感じ、スネイプを味方と信じていたことを後悔していた。全貌がわかるにつれ、ダンブルドアの死が、取り返しのつかぬ事実として確認されていく。皆黙りこみ、それぞれの思いに沈んでいた。

ダンブルドアの死とともに、それをやったのがセブルスだという事実が私の胸を苛んだ。信じていたのに。ダンブルドアも私も。私はまた、信じた者に裏切られ、たいせつな人を失ったのか。けれど・・・。

他の皆より私はセブルスのことを知っていたはずだ。少なくとも私の目には、セブルスはダンブルドアを慕い、忠実に見えていた。それに、、、そうだ、セブルスの守護霊はリリーの牝鹿だ。それは生涯変わることはないと言っていたじゃないか。セブルスはジェームスは憎んでいたけれど、リリーのことは大切に思っていた。

それなら、リリーに死をもたらしたことをセブルスが心から悔み、それをもってダンブルドアがセブルスを信じたとしてもおかしくはない。けれど、事実は、セブルスがダンブルドアに死の呪文を放った。なぜ・・・?思いは堂々巡りし、答えは見つからない。

あの美しい守護霊を出すリリーの思い出を胸に秘めながら、セブルスはダンブルドアを殺したのだろうか?そういえば、前回会った時、セブルスは守護霊を形作ることができなかった。ひどく辛そうで、私は任務が厳しすぎるのではないかとダンブルドアに詰め寄ったほどだった。ではあの時、実はセブルスは闇陣営に追い詰められるか何かして、裏切りの心を固めていたのだろうか?

そうだとしたら、私はなんと愚か者だったのだろう。まんまとセブルスに騙された。セブルスはヴォルデモートさえも欺く、卓越した閉心術士なのだから。ダンブルドアが勝利をおさめて闘いが終わったら、2人で一緒に幸せになろうなどと言っていた私を、セブルスは隠した心の中であざ笑っていたのだろうか?

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テーマ : 二次創作:小説 - ジャンル : 小説・文学

tag : セブルス ダンブルドア ハリーポッター

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