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セブルス・スネイプと死の秘宝(1)

(これは『ハリーポッター』シリーズの本と映画鑑賞後の、妄想です)


左腕の闇の印に合図があり、私は自宅の隠れ部屋を出てアパレートした。着いてみると、ダークロードを囲みすでに何人もデスイーターが集まっていた。フードを身につけていない者も何人かいる。アズカバンに収監されていたルシウスたちが集団脱獄したのだった。

「皆の者、ダンブルドアを倒し、我らの勢力は格段に高まった。魔法省への潜入も飛躍的に進み、アズカバンの仲間たちも戻って来たぞ。」

ダークロードは上機嫌で、一部のデスイーターは熱狂し、他の者たちにもくつろいだ気配が漂っていた。

「ここで気を緩めることなく、一気に魔法省を掌握せよ。我らが完全なる支配を手にする日も近い。いまだ抵抗する者どもを叩きつぶすのだ。次なる標的はポッターだが、まもなく迎える誕生日で守りの術も解け、今の場所から移動するはずだ。この機会を逃すわけにはいかぬぞ。」

「次の集会はマルフォイ邸で行う。めでたくアズカバンから帰還したルシウスが屋敷を余に提供したいとのことだ。それまでに各自任務を迅速に進めるのだ。」

集会はあっさり解散となったが、私はダークロードに残るよう言われた。私のほうでもダークロードの許可を得なければならぬことがある。

「セブルス、ダンブルドアを倒したお前には褒美を与えようと思うが、何か望みはあるか?すでにお前の言うよう、ドラコの活躍は考慮してルシウスは戻してやったが。」

戻してもただでは解放しないということだ。集会をマルフォイ邸でやるとは。しかしそれは今言ってもどうにもならないし、他に重要なことがあった。

「我が君、ありがたいお言葉でございます。もしお認めいただけますのなら、、」

「なんだ、言ってみよ。」

「ダンブルドアが死に、ホグワーツの校長職が空いております。」

私は、できるだけ自分が野心家に見えるよう声に期待を滲ませながら言った。

「ホグワーツか。おまえはずっとあそこにいたのだからな。」

私の目を覗き込むダークロードに対し、閉心術を使いながら、暗い自宅に膝を抱える子供の頃の私や、ホグワーツの豪華な食事に目を丸くする私の姿を散りばめて見せた。ダークロードには伝わるはずだ。見捨てられた子供が初めて見つけた家に執着する気持ちが。ダークロード自身も同じはずなのだから。

「よかろう。考えてみてやる。それなりの働きをしたのだからな。しかしセブルス、余は今までお前がもたらしていた騎士団やポッターの情報が入手しにくくなることを懸念しているのだが。」

ダンブルドアを殺したことでスパイの役割が果たせなくなり、私の利用価値がなくなると仄めかしている。手柄をたてたとはいえ、それ以上の利用価値のない者に大きな報償は与えぬということか?

「騎士団の情報につきましては、このような事態に備え、騎士団内部に情報源を準備しております。」

「セブルス、気がきくことだ。ではその手腕を見せてもらうことにしよう。」

ダークロードから解放されてほっとしたが、報告し指示を仰ぐダンブルドアがいないことが胸をつく。ほんの数日前のことだから、まだダンブルドアが死んだことに慣れることはできない。とっさに言った騎士団内部の情報源というのも、、、マンダンガスを利用しようというくらいしか考えついていなかった。

行く先はホグワーツしか思いつかなかった。ダンブルドアの葬儀後、ホグワーツは閉鎖が決定し、今は人影もない。防衛は施してあったが、長年住み慣れた私には、術を解いて入ることなど簡単だった。ゴーストさえもなりを潜めているのか、影もない。忌まわしい思い出の蘇る天文塔を目に入れぬよう気をつけながら、校内に入りまっすぐに校長室に向かった。

「ダンブルドア」

考えもなく言ったパスワードはその通りだったのか、パスワード術も解けていたのか、苦もなく室内に入ることができた。すると、

「セブルス、待っておったのじゃ。ようやってくれたの。」

机の後ろの新しい肖像画が懐かしげに声をかけてきた。

「アルバス」

もちろん、そのはずだった。歴代の校長は、死後校長室の肖像画になり、現役の校長を補佐するのだ。肖像画のその人は生前の魂の影に過ぎないのだが、その姿を目にし、話ができることはなんと心強いことか。

「アルバス、ダークロードは私の任務に満足しています。私の利用価値がまだあると思わせられれば、計画通りホグワーツに戻ることができるでしょう。」

「そうでなくてはの。わしが死んだ今、ヴォルデモート卿はハリーを倒し、最後の勝利をつかむことに躍起となっておろう。17歳の誕生日にハリーがダ―ズリー家から移動する機会を襲うといっておるの?」

「はい。おっしゃる通りです。」

「ではおまえがその情報を与えれば、信頼を保つことができるじゃろう。」

「しかしそれは危険ではありませんか?」

「ヴォルデモートに、ハリーが叔母の家から移動する正確な日を教えるのじゃ。そうしなければ疑念を生むじゃろう。ヴォルデモートはおまえさんが情報を得られると信じておるのじゃからな。しかしハリーの安全も確保せねばならんから、おとりを使うのじゃ。そのようにマンダンガス・フレッチャーに服従の呪文をかけるのじゃ。

それから、セブルス、もしその襲撃におまえさんも加わらねばならない場合は、それなりに役を果たすのじゃ。わしはお前さんがヴォルデモート卿の信頼を出来る限り保てることをあてにしておる。さもなければホグワーツはカロー兄弟の思うままにされてしまうじゃろうからの。」

ダンブルドアは生前そのままの洞察力で、闇の台頭を防ぐ闘いに最善の方法を考えていた。説明された具体的な計画の綿密さは変わることがない。その計画で仮に犠牲者が出るにしても、厳しい戦いの勝利のためにやむを得ないという冷徹さも、、むろん犠牲者を最小限に抑える意思もだが、、変わりはなかった。死んでしまったのだから、もちろん、変わりようがないのだが。

私はそれから住み慣れた地下牢の自室に行き、貯蔵棚から必要になりそうな薬剤をいくつか取りだした。その後思いついて医務室に向かい、棚に隠した魔法薬袋を見ると、新しい日付の袋がなくなっていた。私の裏切りを知った後でも、グレンジャーは教えたことは覚えていたらしい。

ホグワーツを出ると、さっそくマンダンガスの行方を探った。ポッターの誕生日は今月末に迫っているし、いつダークロードが次の招集をかけるかわからないのだから、事を急がねばならない。薄暗い酒場でマンダンガスをつかまえると、服従の術をかけた。

「不死鳥の騎士団に、おとりを使うと提案するのだ。ポリジュースを使えばよい。偽ポッターをつくるのだ。それしかうまい方法はない。おまえは私がこう言ったことを忘れる。お前自身の考えとして提案するのだ。わかったか?」

「わかったぜ。」

マンダンガスは焦点の定まらぬ目でうなづいた。


スピナーズエンドの隠れ部屋で、私は機会があったら渡せるように、必要な薬剤を選びだした。デスイーター集会でちらりと見かけたルシウスは、ひどくやつれた風だった。命の安全は確保されていたとはいえ、1年に及ぶアズカバン収監が、裕福な暮らしに慣れたルシウスに堪えぬはずはなかった。粗末な食事、不衛生な寝台、乱暴や虐待もあったかもしれないし、ドラコのことも気に病んていただろう。

ダークロードがマルフォイ邸に居座ってしまい、世話をしてあげることはできないが、せめて必要な魔法薬を渡し、養生してほしかった。それに、いつダークロードがルシウスやドラコに危害を加えるか、わかったものではなかった。マルフォイ邸にいればいたで、自分が苦労していた間もルシウスはけっこうな暮らしをしていたなどと、嫌がらせをしても不思議はない。ダークロードの嫌がらせといえば、、、得意のクルーシオはもとより、ナギニをけしかけることもしかねない。

強壮剤に安眠薬、傷を治すハナハッカ、解毒薬、ほかに数種を選り分けた。もちろんルシウスの財力を持ってすれば、この程度のものは常備されているかもしれないのだが。他にできることを思いつかなかった。たいせつな者のために私ができることは、薬を配る程度かと空しかったが、何もないよりはましと思うしかなかった。
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テーマ : 二次創作:小説 - ジャンル : 小説・文学

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