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セブルス・スネイプと死の秘宝(4)

(これは『ハリーポッター』シリーズの本と映画鑑賞後の、妄想です)


私はトンクスの情熱に引きずられるように結婚した。トンクスの父親と私の両親、ウィーズリー夫妻とあと数名の騎士団の仲間だけのささやかな式をだったが、トンクスの幸せそうな顔を見るのは嬉しかった。私のような者を心から愛してくれた彼女に感謝の思いがこみ上げ、幸せにしてあげたいと思った。

けれど、すぐに後悔した。私はダンブルドアの死やセブルスの裏切りによる衝撃で、どうかしていたんだと思う。人狼と結婚して、幸せになれるはずがないことはわかっていたのに。人狼の境遇が身にしみている年長の私は、若く無邪気なトンクスの情熱に引きずられてはならなかったのに。

トンクスが見ていたのは、人狼である私を認めてくれる、騎士団内にいる時の私だけだった。そこでの私は、それなりに思慮深く、防衛術に優れ、人の気持ちにも敏感だから、口はばったいけれど、若い魔女から見て信頼に足る大人の男に見えたかもしれない。男として、そんな期待に沿いたい気持ちはあったのだけれど、騎士団から一歩外の世間に出れば、人狼である私には彼女の信頼に応えることはできなかった。

人狼への規制の厳格化が強まったこともあり、私はほとんど収入を得ることができなかった。結婚後2人で暮らす小さな貸家は若い女の夢が感じられる温かい装飾を施してあったが、トンクスはそれを全て自分で賄わなければならなかった。そして人狼に関わるものは、一家丸ごと、忌み嫌われ排斥される。私のせいで両親と争ったり、友達や同僚から疎まれるトンクスを見るのは、居たたまれない思いがした。そんなことはどうだっていいのという言葉さえ、どうでもよくないことを今まさに経験しているじゃないかと思い、素直に受け止めることができなかった。

その上彼女は子供を欲しがった。私はそれだけは頑として許さなかった。人狼の子は人狼になるにきまっている。だから普通、人狼は繁殖しない。子供は生まれた時から私のような不幸を背負うことになるのだから。もし奇跡的にそうでなかったとしても、人狼の子として、世間から疎まれて一生を送ることになる。

温かい家庭に育ち、闇祓いになれるほど優秀な若い魔女が、友を失い、世間から排斥され、私のように貧しくみすぼらしい姿になって、人狼の子を抱えて苦労すると思うのはたまらなかった。私などと結婚しなければ、ずっと幸せになれるのだし、そういうチャンスはたくさんあるはずだった。

そんな思いを伝えても、トンクスは、私を愛しているから一緒にいられれば幸せだと繰り返すばかりだった。私たちを排斥する者たちなど、こちらからお断りだと笑い飛ばすのだけれど・・・。私が受け入れられたくてどんなに卑屈になっていたか、正体を知られるのをどんなに恐れていたか、変身の苦痛や人を食うかもしれない恐怖がどんなものなのか、まともな収入を得られない暮らしがどんな惨めなものなのか、そんな、私の人生そのもののようなことを、理解してもらえるとは思えなかった。私に憧れさえ抱いているようなトンクスには、知られたくない気もした。

嬉しそうなトンクスを、惨めな思いで眺めるのが、私の新婚生活の実態だった。

そんなとき、ふと、君だったら・・・と思う。君なら言わなくてもわかってくれているよねと、気がつくと、セブルスに心の中で語りかけていた。気がつくとすぐに、スネイプはダンブルドアを殺して去って行った裏切り者なのだと自分に言い聞かせるのだけれど。しかしまたすぐに、トンクスといると自分が惨めに感じられてならないんだと、心の中でセブルスに愚痴をこぼしていたりするのだった。

要するに私は、トンクスからあなたは惨めなんかじゃないと励まされるのさえ辛いけれど、セブルスからおまえは惨めな人狼だと罵られるのは気持ちが和らぐだろう思えるのだった。トンクスには見栄を張りたくてくつろげず、それぞれに闇に堕ち重荷を背負って人生を歩んできたセブルスには、ありのままの姿を曝すことで安らげるともいえた。


私たちの結婚から間もない時期に、ハリーをダ―ズリー家からの無事移動させる計画が実行された。用心深いマッドアイが、日時については偽の情報を流し、当日になってポリジュースでハリーの囮をつくる7人のポッター作戦を告げたのだけれど、それぞれに組となってダ―ズリー家を出ると、なぜか家の周囲にはデスイーターが集結していて、いっせいに襲ってきた。

私はハリーに変身したジョージを護衛して箒に乗っていた。フードをかぶった数名のデスイーターに後を追われ、鋭い呪文が投げかけられた。箒を操り攻撃をかわしたり応戦したりしていたのだが、、、。

背後から攻撃の閃光が走ったと思う間もなく、ジョージが耳から血を流して落下し始めた。セクタムセンプラの呪文に耳を切り裂かれたのだ。ジョージを追って急降下しながら振りかえると、私たちの背後にいた数名のデスイーターのうちの1人のフードが一瞬めくれ上がり、そこに私はたしかにセブルスの顔を見た。セクタムセンプラはセブルスの得意の呪文だった。セブルスが、、いや、スネイプがやったのだ!怒りがこみ上げたが、今はとにかくジョージを助けるのが先決だった。

ジョージを助けてなんとか逃げ切り、それぞれの移動先からポートキーで集結することになっていた隠れ穴にたどりついた。計画に家族の多くが参加し、心配して待っていたモリーに、傷ついたジョージを頼むのは申し訳なかった。ハリーやトンクスや、他の組の到着を待ちながら、参加者しか知らないはずの計画が漏れていたことについて考えていた。参加者の誰かが裏切ったと思わざるをえない。

庭に出て待っていると本物のハリーが到着し、しばらくしてトンクスとロンの組も予定より遅れてたどりついた。抱きついてきたトンクスに何があったのかときくと、ベラトリックスやレストレンジたちが執拗にトンクスをつけ狙ったのだと言う。トンクスは気づいているのかいないのか、、、人狼と結婚した一族の者をこの機に抹殺しようとやっきになっていたに違いなかった。トンクスは私のせいで、デスイーターから命まで狙われることになってしまった。

結局、無事ハリーを移動させることができたものの、ジョージの耳が切り落とされ、マッドアイが殺された。マッドアイと組になっていたマンダンガスは、彼を見捨てて逃亡した。ジョージは命に別条はなかったとはいえ、セクタムセンプラで切り離された耳は、元に戻ることはない。心配そうに見守る仲間たちに、私は、やったのはスネイプだと告げた。

皆、マッドアイの死を悼み、スネイプの裏切りを怒り、そして内部に裏切って情報を漏らした者がいる不安に沈んだ。話が裏切り者探しになると、ハリーが誰も疑いたくないと言った。仲間を疑うことを何より不名誉としたジェームスの息子らしい態度だった。ジェームスは結局友達に裏切られて死んだのだけれど。それに、皆を信じたダンブルドアも裏切りで殺されたのだけれど。

話がひと段落つくと、私はビルとともに隠れ穴を出て、マッドアイの遺体を捜したが、亡骸はどんなに探しても、見つからなかった。トンクスを可愛がっていたマッドアイの死で、闇祓い局でのトンクスの立場はますます悪くなるだろうと思った。

数日後のハリーの誕生会には、トンクスととおもに隠れ穴に招かれたのだけれど、その席に魔法大臣のスクリムジョールが来るという知らせが入り、私たちは逃げるように帰らなければならなかった。魔法省の反人狼的な方策が強まっていて、私がそこで大臣と顔をあわせては、ハリーに害になると思ったから。エリートともいえる闇祓い局のトンクスが、私のせいで魔法省トップからこそこそと逃げなければならないと、惨めでたまらなかった。

翌日はビルとフラーの結婚式に2人で出席した。ビルとフラーを祝福するために、果樹園に張られたテントいっぱいに人々が詰めかけていた。家族や親せき、友達、仕事仲間・・・。多くの人に祝福されて幸せそうな新郎新婦。思えば、ビルが人狼のグレイバックに噛まれ、変身時ではなかったので大事には至らなかったものの、顔にひどい傷が残った。それでもそんなことは2人の愛に関係ないとフラーが宣言したのが、トンクスを勢いづけて、私たちの結婚にもつながったのだけれど。

あの時も言った通り、私たちとはまったく事情が違うのが、この賑やかな結婚式だけ見てもわかるというものだった。もともと、モリーたちは、ビルとトンクスの結婚を望んでいたと聞いている。トンクスが私などと結婚しなければ、トンクスもこんなふうに、多くの人に祝福されて、幸せな結婚生活を送るはずだった・・・。愚かとは思うが、何を見ても自分がトンクスを不幸にしていると思われて、惨めでならなかった。

幸せそうな新郎新婦や、祝福する人々を眺めながら、私はそのおめでたい場に実にふさわしくない決心を固めていた。トンクスと別れよう。私たちの結婚は間違っていた。私が少しでも早く離れることが、トンクスの幸せにつながると思う。

そう思った矢先、キングスリーのオオヤマネコの守護霊が現れ、スクリムジョール大臣が殺されて魔法省が闇陣営に陥落し、デスイーターがこの場に向かっていることを伝えた。テント内は一気に混乱に陥り、私はあわててトンクスの手を握って脱出した。ハリーを捕まえようとやってきたデスイーターたちは、その後逃げ遅れた人たちをつかまえて尋問した。ハリーの脱出時の移動先を提供したトンクスの両親はクルーシオをかけられた。

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テーマ : 二次創作:小説 - ジャンル : 小説・文学

tag : ハリーポッター セブルス ルーピン トンクス

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