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セブルス・スネイプと死の秘宝(9)

(これは『ハリーポッター』シリーズの本と映画鑑賞後の、妄想です)


ある日暖炉のフル―ネットワークで研究室から校長室に戻ると、ガラス戸棚が破られて、グリフィンドールの剣が消えていた。

「生徒たちだ!」「今出ていったところじゃ!」

口々に言いたてる肖像画の声に押されるように、追って階段を駆け降りると・・・下を走る3人の生徒の姿。迷わず呪文で足止めした。ウィーズリーの末っ子、ロングボトム、ラブグッド。ポッターの仲間たちだ。校長室に戻らせたのだが、騒ぎを察知し、カロー兄妹もやってきた。いずれにせよ、生徒たちには広がるから隠しおおせるものではないのだが。

「校長室から貴重な宝物を盗むとは、いい度胸をしたガキどもだ。」

「その度胸を試してやろうよ。ちょうど3人だ。セブルス、3人で1人ずつクルーシオをかけて、どの子が先に根をあげるか試そうよ。」

カロー兄妹はむしろ喜んでいる。生徒たち3人は、青ざめながら、しかしきっとした顔で私を睨んでいた。この子供たちはなぜ、勝算もなく無謀なことをして、危険を招くのか?

「君たちはなぜ盗みを働いたのだ?」

私は苦り切って生徒たちに尋ねた。

「僕たちは先生の弾圧なんかに負けない。」

独創的な魔法薬の調合で、爆発の惨事を繰り返していたロングボトムが、大きくなったものだ。ほんの数年前には、ボガート(まね妖怪)が私の姿に変わるほどに怯えていたというのに。今彼のボガートは何に変わるのだろう。

「私たちは勇気を示して、みんなを勇気づけるんだもン。」

この変わった子はグリフィンドールでもないのに、なぜポッターの仲間なのか?

「ハリーは一人じゃない。みんな一緒に戦ってるって伝えるためよ!」

ウィーズリーの末っ子。この場でその名を出すことが、どんな危険を呼ぶかわかっているのか。ただでさえ、血を裏切る者として、ウィーズリー一家は闇陣営から目をつけられているというのに。無謀を勇気と取り違え・・。ポッターと同じだ。

ポッターの名を聞いて、カロー兄妹がいきり立った。杖をあげようとしている。私は急いで言った。

「アレクト、森番のハグリッドを呼んでくるのだ。勇気を示したいようだから、禁じられた森で存分に勇気を試させるとしよう。」

アレクトは不満そうだったが、それでもハグリッドを呼んできた。禁じられた森で罰を与えるようハグリッドに命じ、3人を引き渡しひとまず安心した。ハグリッドなら生徒たちを虐待するようなことはないはずだ。少なくとも意図的には。

しかし、為すべきことがそれで終わったわけではない。ホグワーツ内部での抵抗活動はダークロードに報告せねばならなかった。特にポッターに関わることについては。どうせカロー兄妹から伝わるのだから、私が知らせるべきだった。ダークロードの信頼を損なうわけにはいかない。

それから、生徒たちの集会を禁じ、外部につながる隠し通路を全て閉鎖した。今大切なのは、ポッターたちがホークラックスを見つけて破壊するまでの間、他の者が危険に陥らぬよう守ることなのだ。少なくとも、私の目の届くホグワーツ校内であれば、校長として生徒や職員たちの命を守ることはできるはず。そして、このことで最も標的になりそうで、かつ自ら危険に立ち入りそうなジニ―・ウィーズリーについては、ホグズミードへの外出も禁じることにした。

グリフィンドールの剣については、ダンブルドアの肖像画の指示を仰ぎ、偽物をグリンゴット銀行に預けることにした。勇気の象徴として生徒たちが再び盗もうとする危険があったし、今回の件で闇陣営側からも興味を持たれかねない。ダークロードにもうまく話して許可をもらった。

カロー兄妹は校長室での盗みを許すような状況は放置できないと息巻き、生徒を律する規律委員に任命せざるを得なかった。規律を破った生徒については、すべてカロー兄妹に報告され、処分を任すことになった。尊い魔法族の子供たちの血を流すような罰則は慎めと釘をさしてはおいたのだが。


グリフィンドールの剣の事件後の処理に一区切りがついた頃、満月の夜を迎えた。私は凍結保存してあったルーピンの生殖細胞を再度調べたのだが、予想通り呪いの影響は見られなかった。約束の深夜、ルーピンの家に向けて守護霊の伝令を送った。「影響は見られない。マーリンの祝福を。」短い伝言を携えて、銀色の牝鹿が駆けだしていった。人狼の父親を持つその子供の育つ世が、少しでも生きやすいものになっているように。

こんな時代でも、生まれてくる命というものは、世の中に少しだけ希望の光を与えるものだ。私もその時をこの目で見ることができるだろうか?私は中断していた魔法薬の開発を再開した。ようやくそれなりの成果が表れてきた。死の寸前から死に至る仮死状態の時間を多少引き延ばすことができる程度だが。


私が魔法薬の開発にささやかな逃避を求めている間にも、校外での闇勢力の強まりを映す様に、カロー兄妹の振る舞いもエスカレートした。彼らが受け持つマグル学や闇の魔術に対する防衛術の授業は、もともとろくでもなかったが、ひどいものになっていった。

アレクトのマグル学ではマグルがいかに穢れたものかと説き、虐待すべきだと教える。アミカスの防衛術で教えるのは闇の魔術そのもので、反抗する生徒は、規律を破ったとして、クルーシオの練習標的にされる有様だった。密告が奨励され、少しでも怪しい気配があれば容赦なく暴行を与え白状させる。多くの生徒が怯え、身を縮めて規則に従った。

変わり果てたホグワーツ。私自身見るのも辛かったが、教授たちはすべて、私のせいだと恨んでいる。それでも、校内で囚われたり命を失う者はいなかった。私にできるのはそこまでだったが、それでもカロー兄妹が好きなように振る舞えば教職員や生徒たちにどんな害が及ぶかわからない。なんとか踏み止まり、戦いの終わりまで彼らの命を全力で守る。

この全てを終わらせられるのはポッターだけだ。しかしそれは、ポッターがダークロードに命を差し出す日でもある。私は、ダンブルドアがなぜホークラックスの破壊を彼らだけに任せ、私を含む他の者の助けが及ばぬよう秘密を保つのか、わかった気がした。ダンブルドアはポッターに時間を与えたいのだ。身を隠し、逃げ回りながらホークラックスを破壊する使命を果たすのは辛いことであろうが、その日々だけがポッターに残された命の時間なのだった。わずかな奇跡の希望はあるとはいえ。

ポッターが残りの時間を生きる日々、私はホグワーツで他の者の命を守り続けるのだ。
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テーマ : 二次創作:小説 - ジャンル : 小説・文学

tag : ハリーポッター セブルス ホグワーツ

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