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セブルス・スネイプと死の秘宝(14)

(これは『ハリーポッター』シリーズの本と映画鑑賞後の、妄想です)


魔法界は、闇に覆われていた。マグルや血を裏切る者の追跡は厳しさを増し、捕まえると魔法省から報奨金が出るようになり、賞金稼ぎの人さらいまであらわれた。訃報や逮捕、逃亡は珍しくもなくなったが、中には知る名を見ることもある。トンクスの父、テッド・トンクスが殺され、「キングスリーは禁句」を発して逃亡したらしい。クリスマス休暇明けに戻ってこなかったルーナ・ラブグッドの父親も逮捕された。真相のわからぬマグルの死亡者は数え切れぬほどだ。

不死鳥の騎士団の面々も、うまく難をかわしているらしいウィーズリー一家を除いて、皆行方をくらましてしまったようだ。それでよいのだと思う。ポッターたちがホークラックスの破壊を成し遂げるまで、今は、逃げて、隠れて、生き延びることが使命なのだ。

私はもう、あれこれ気に病むことは止めていた。むろん、ホグワーツの中でも、カロー兄妹の虐待ともいえる体罰は続いていたし、ダークロードからの命令で、外部の家族や友人が抵抗している生徒は人質のように見張ることになっている。酷い状態だ。だが、ポッターたちのホークラックスの破壊を見た後は、彼らが成し遂げることを信じ、時が来るまでホグワーツの生徒と職員の命を守っていればよいのだと心を決めていた。憎まれようと、恨みを買おうと、気にすることはない。彼らの命を守るのが私の使命なのだ。

ただ、ハグリッドが時勢もわきまえず、『ポッターを応援するパーティ』などを開いたのには、苦々しい思いをした。うまく逮捕は逃れてくれたが、痛めつけられる生徒をハグリッドの元に送ることができなくなった。

あとは、ダークロードが居座るマルフォイ邸のルシウスたちが気がかりだったが、ダークロードは外国に出かけていると聞き、わずかに胸をなでおろした。少なくともドラコはホグワーツで見守れるし、ルシウスもナルシッサと自分の命を守るくらいの狡猾さは備えていると思う。

ホグワーツを守ることに集中するうちに、イースター休暇に入り、休暇も終わる頃、思いがけずダークロードがホグワーツを訪れた。何事かと気を引き締めながら校門に出迎えると、湖に行くのだと言う。付き添って、わずかに春の気配が感じられる校庭を歩いていると、ダークロードが独り言のようにつぶやいた。

「ホグワーツ。懐かしき城よ。」

そして付き沿う私に気がついたように言った。

セブルス、校長席の居心地はどうだ?」

「我が君、たいへん居心地良く座らせていただいております。」

「おまえはずっとホグワーツにおるのだな、セブルス。おまえにとってここは家のようなものであろう?」

「我が君、仰せの通り、私めが初めて家と感じた場所でございます。」

「余も同じだ。ここには余が家と思うすべてがあった。ついに余の物になるのだ。」

「すでに我が君の手の内にございます。」

湖のほとりに着くと、あとで行くから校長室で待てと追い払われた。私は校長室に戻り、居並ぶ肖像画に、まもなくダークロードが来るから、口を閉じて大人しくしているよう依頼した。それからガーゴイル像のパスワードも解いておいた。『ダンブルドア』というパスワードがダークロードに知れてはただでは済まないだろう。

入口で待っていると、突然目の前にダークロードの姿が現れた。そこまでは姿を消して来たのだ。

「我が君、ご用はお済みになりましたか?どうぞ、お入りください。」

私はダンブルドアの肖像画が背になるソファに導いたが、ダークロードはダンブルドアの肖像画を振り返り、勝ち誇った顔をしていた。

「最近、生徒たちに怪しい動きはないか?」

「カロー兄妹とともに厳しく見張っております。たいした動きはございませんが、何か気がかりなことでも?。」

ポッターが現れたのだ。」

「なんと。逃げたとばかり思っておりました。いったい、どこで?」

「グレイバックたちがマグルと思って捕まえて、マルフォイの屋敷に連れて行ったらポッターたちだった。余を呼びつけておいて、行ってみたら逃げられておったわ。ルシウスもベラトリックスも役にたたぬ馬鹿どもだ。余の足を引っ張ってばかりおる。しかし、、、ポッターの幸運もここまでだ。次に姿を現した時が小僧の最後になる。」

「・・・」

セブルス、ウィーズリーの末息子がポッターと一緒だったらしい。病気だと言う話だったが、我らを欺いていたのだ。血を裏切るウィーズリーめが。娘がホグワーツに戻ったら捕えておけ。」

「戻りましたら必ず。こちらでも警備をさらに厳重にいたします。」

「そうせよ。」

ダークロードは怒っているかと思ったが、その割には機嫌よく帰って行った。何をしに来たのだろう?湖のほとりで私を追い払い、いったい何を?

しかしマルフォイ邸の様子のほうが気になった。一家は無事なのだろうか?イースターが明けてドラコが戻ってきたのを見てほっとしたが、顔に新しい傷跡があり、青ざめた顔で元気がない。地下牢棟の研究室に連れてゆき、詳しい話を聞くことにした。ソファに座らせ、温かい飲み物を出してやった。

「ドラコ、怪我は大丈夫か?休み中に騒動があったと聞いた。父上や母上はご無事か?」

「先生・・・」

ドラコは顔を伏せ、涙を堪えるように口を結んでいる。

「何があったのか、落ち着いて最初から話してみなさい。」

「僕、、呼ばれて大広間に行ったら、ポッターとグレンジャーとウィーズリーが捕まっていました。グレイバックたちが連れてきたそうです。ポッターはハチ刺されの術にかかったみたいで膨れ上がった顔をしていて、僕にポッターか確認しろと言うんです。父上は、ポッターを差し出せばダークロードのお怒りも解けるだろうって。でも、僕がそうだと言ったらどうなるかと思って、僕・・・。」

「わからないと言ったのだな?」

「はい。自信がないって。」

「それで?」

「でも、母上がのグレンジャーの顔を知っていたので、結局はわかってしまいました。そこにベラ叔母さんが来て、父上とグレイバックと、誰がダークロードに知らせるか言い争って、そのうちに、ベラ叔母さんが、呼ぶのを止めたんです。今ダークロードを呼んだら、皆たいへんなことになると言って。それから、ポッターとウィーズリーを地下牢に閉じ込めて、ベラ叔母さんがグレンジャーに持っていた剣をどこで見つけたか聞き出そうとした、、、クルーシオをかけて、何回も。」

ドラコが辛そうに言葉を切った。

「僕、ポッターもグレンジャーも嫌いだけど、あんなのを見るのは、、」

「わかっている、ドラコ。気持ちのよいものではない。」

「ベラ叔母さんは、剣はスネイプ先生が自分の金庫に送ったものだから、金庫から盗みだしたんだろう、他に何を盗んだってグレンジャーを責めていた。でもグレンジャーはその剣は偽物だって言ってた。それで今度は地下牢からグリンゴッツのゴブリンを連れて来させられた。ゴブリンが剣を確かめて偽物だって言って、ベラ叔母さんがダークロードを呼んだ。

それでグレンジャーをグレイバックが連れて行こうとしたら、、、ウィーズリーとポッターが広間に飛び込んできたんだ。父上が倒されたから、母上や僕も応戦した。ベラ叔母さんがグレンジャーにナイフを突き付けてポッターたちの杖を捨てさせて、僕が拾っていたら、、、シャンデリアが落ちてきたんだ。」

「それで怪我をしたのだな?しかしなぜシャンデリアが?」

ドラコは小さくうなづいて続けた。

「しもべ妖精のドビーがやったんだ。それで僕杖をとられて、ポッターたちはディサパレートして消えた。母上に早く部屋に行って絶対に出てくるなと言われて。そのすぐ後あの方が来られて、父上が、、母上も、ベラ叔母さんも、みんな酷い目にあった。あの方が怒っていて、すごい悲鳴が聞こえてきた。でも、母上が部屋にいろと言うから、僕は・・・。」

「それでよかったのだ、ドラコ」

「周りが静かになってから、僕、様子を見に行きました。そうしたら、みんな地下牢に閉じ込められていました。父上はひどく怪我をされていて。母上に言われて、先生がくれた魔法薬の袋を持って行ったんです。それで手当ができるから、僕は学校に戻るように言われました。先生の所にいなさいって、父上が。」

「ドラコ、父上のおっしゃる通りだ。2人ともドラコのことを一番心配しているのだ。今すぐは無理でも、必ずお怒りはとける。だからあまり心配しないでここにいなさい。わかったね、ドラコ?」

それから、まだ新しい傷跡に薬をぬってやり、誘眠の薬を飲ませてスリザリン塔に戻らせた。

ドラコの魂は傷ついていない。ダークロードに怯えながらも、自分だけ助かればよいと、そんなふうに考える子にはならなかった。愛されて育つとは、そういうことなのだ。ルシウスとナルシッサの窮状は心配だが、アズカバンよりはましだろう。

ウィーズリーの娘は休暇明け、学校に戻らなかった。ロナルドがポッターに同行していることがダークロードに知れ、ウィーズリー一家は姿を隠したときいている。

ポッターたちはレストレンジ家の金庫に、ホークラックスがまた1つあると気づいたはずだ。コングリッツ銀行に預けられた物をどうやって手に入れるかと思っていると、翌月にはコングリッツの金庫が破られたと耳に入ってきた。

セブルス、ポッターの小僧たちがレストレンジの金庫に盗みに入ったそうだぞ。ドラゴンに乗って派手に逃げて行ったらしい」

「ベラトリックスはさぞかし悔しがってるだろうね、兄さん、ご自慢の金庫が襲われて。」

「それどころか、ダークロードに怒鳴りつけられたらしい。あの方は、報告に来たゴブリンをその場で殺し、ベラトリックスとルシウスは・・・あいつら、もうおしまいだな。」

私はホグワーツにこもりきりだが、カロー兄妹にはデスイーターたちと接触して情報を仕入れてもらっている。彼らも仲間たちに会うのを楽しみにしているし、聞きこんだ話は疑いもなく私に聞かせてくれる。

「アミカス、2人はどうなったのだ?」

「クルーシオでさんざん痛めつけられた挙句に監禁さ。おー、こわっ。俺たちもヘマしないようにしないとな。」

「でも、兄さん、ベラトリックスの金庫が破られて、なんでルシウスまで?」

「さあな。ワームテールが死んでからは代わりにパシリに使われてたからな。目についたから一緒にやられたんだろ?昔はいばってたもんだが、惨めなもんさ。とにかく、ダークロードのお怒りはすざましかったらしいぞ。生きてるだけでも、もうけもんさ。」

とりあえず、ルシウスの命はつながっているようだとほっとした。それにしても、ポッターたちは大したものだと思う。これでまた1つ、ホークラックスを手に入れたはずだ。ダークロードもそろそろ、ポッターたちがホークラックスを破壊していることに気づく頃だろう。

最後の時が近付いている。ひしひしと感じたが、焦りはない。私はその時までできるだけ生徒たちを守り、戦いの後にホグワーツを立て直してくれる教授たちを守るだけだ。あとはポッターに、最後の真実を、、、ポッター自身がダークロードの魂の欠片を宿す存在だということを伝える。ポッターは自らの選択で、為すべきことを果たすだろう。

私は静かに、その時を待つ。
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テーマ : 二次創作:小説 - ジャンル : 小説・文学

tag : ハリーポッター セブルス ダークロード ポッター

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