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セブルス・スネイプと死の秘宝(17)

(これは『ハリーポッター』シリーズの本と映画鑑賞後の、妄想です)


窓を破って飛びながら、ホグワーツで過ごした日々を思った。学生時代の7年、教授として16年。幼少期を除いて人生の大半を過ごした私の家。喜びも悲しみも、いつもそこにあった。その全てを共に過ごした教授たちの攻撃を受け、逃げるように脱出する。

攻撃したくなくて逃げる私は臆病者だろうか?振りつける雨ほどのダガ―ナイフを胸に突き刺したいほどに、憎い相手なのだろうか?私はホグワーツで喜んで人を殺めるような者に見えていたのだろうか?

そのように演技してきたとはいえ、長い年月を、生徒として同僚として過ごした彼らの目に映る私は、やはりそのような存在だったのだと思い知ることは辛かった。


アパレートできる場所に着き、私はただちにダークロードのもとに参じた。すでに陣営を率いて、ホグワーツの近くまで来ていた。

「我が君、すでにアレクトがお知らせしたように、ポッターがホグワーツに現れました。ポッターを捕えようとしたのですが、教授たちの攻撃を受け、多勢に無勢でかなわず、無念ながら脱出してまいりました。教師たちが我々の攻撃に備え、闘う準備をしているはずです。」

セブルス、もうよい。どちらにしても、もうホグワーツに着く。おまえも戦いに加わり陣営に貢献するのだ。」

「かしこまりました。」

ナギニの状態を確認した。ダークロードは、ナギニを首に巻きつけていたが、これが保護状態といえるのかはよくわからない。

陣営には、ダークロードを先頭にデスイーターが集結し、闇陣営に加わった魔法使いや様々な魔法生物、操られた亡者などが集まっていた。周囲にはディメンターが漂っている。

私はすぐにデスイーターのグループに加わった。仲間からは追いやられ、裏切り続けた敵からは温かく迎えられる。その一部は、古くからの友として。まったく、おかしなものだ・・・、苦い思いを飲み込んだ。

周囲を見回して、ルシウスを見つけた。フードをかぶっているが、杖を持っていないからすぐわかる。ナルシッサと寄り添い目立たぬように立っていた。私はすっと近づき、小声で話しかけた。

「ルシウス、杖もないのに戦闘に加わるのか?」

「加わらぬわけにはいかぬ。セヴィ、ホグワーツ内部の様子はどうなっているのだ?」

「ドラコは?ドラコは無事なの?脱出できたのかしら?」

ナルシッサが会話に入ってきた。

「私も逃げ出してきたのでわからないのだが、中の者が生徒たちに危害を加えることはないはずだ。だが戦闘が始まってしまえばどうなることか・・・。」

私は目立たぬようにローブから薬の小瓶を取り出した。死に至る時間を少しだけ長引かせる魔法薬だ。
もしもポッターか誰かが、あるいは私自身が、瀕死の重傷を負うようなことがあれば役立つかと、常に2本だけローブに潜ませていたものだった。だが、そもそも、焦燥感に駆られて気を紛らすために開発した、気休めのお守り程度のものだ。戦闘に入れば、杖のないルシウスは防戦もできず危険にさらされる。ならば・・。

「気休めのようなものだが、飲んでおいてほしい。」

ルシウスとナルシッサに、1つずつ渡した。

「前くれた薬袋にも入っていたものだな?そのおかげで先日も助かったと思っている。感謝しているぞ。」

フードの中に、腫れあがった顔がのぞいた。

「ひどい顔だ、ルシウス」

「酷い目にあったのだ。ポッターたちに逃げられてから、事あるたびにやられた。ひどい怒りようでな。だが大丈夫だ。今夜は、どういうことになるのだろう。」

今夜すべての決着がつくはずだ。ポッターか、ダークロードか、あるいはどちらもいなくなる。ルシウスとの話を切り上げ、私はこの先に起こることに考えを巡らせた。ホグワーツ内では、すでに生徒たちを集め、避難させるか、隠れ場所に移しているはずだ。ポッターはもう、レイブンクローに関わるホークラックスを破壊しただろうか?

戦闘がどのような形になるかはわからないが、怪しまれぬよう闘う素振りを見せながら、なんとかポッターを見つけて話さなければならぬ。ポッターにダークロードの魂の欠片が宿っており、それがある限り、ダークロードが死ぬことはないと伝えなければならぬのだ。

しかしダンブルドアの肖像画の口添えを期待できない状態では、ポッターが私の言うことを信じるとは思えない。いったいどう伝えればよいものか?いや、ポッターも薄々気づいているかもしれない。ダークロードとの意識の繋がりは、その魂の欠片を宿しているためなのだと。だがその前に、ポッターが私の話に耳を傾けるかが問題だ。私を見るなり杖を向けてくるだろうし、防いでいるうちにデスイーターが援護に加わるなどという状態にもなりかねない。私の話に耳を傾けさせるには・・・

リリーへの想いを明かすほかはないか。リリー・ポッターと幼馴染だったのだと一言いえば、ポッターは杖をおさめて話をきくだろうが・・。ダンブルドアとルーピン以外には知る者もない私の真実を、ポッターに明かす。

絶対に嫌だという思いと、伝えたい、伝えるべきだという思いが交錯した。ポッターの父親を思い出すと絶対に明かしたくないと思い、リリーを思うと、むしろ打ち明け、許しを請いたかった。母と子の幸せな時間を奪い、ポッターにこのような運命を与えてしまったのは私だと、そして贖罪に努めてきたが、私にはこのようにしかできなかったのだと詫びるべきではないか。それをせずに、ポッターに命を投げ出さねばならぬと言うことなど、許されぬのではないか?

迷い悩むうちに、ホグワーツの境界に到達し、ダークロードの甲高い声が辺りに響いた。

「闘う準備をしているのはわかっている。だが、何をしようと無駄なことだ。余には敵わぬ。おまえたちを殺したくはない。ホグワーツの教師たちに、余は多大な敬意を持っているのだ。魔法族の血を流したくはない。

ハリー・ポッターを出せ。そうすれば学校には手を出さぬ。ハリー・ポッターを差し出せ。そうすればおまえたちは報われるのだ。真夜中まで待ってやる。」

真夜中までのわずかな時間を、チリチリと胸が焼け焦げるような思いで耐えた。それまでにポッターはホークラックスを破壊することができるだろうか?そしてもしその時ポッターが歩み出たら、告げるべきことを告げられぬまま2人が対面したら・・・何が起こるのか?ポッターが空しく死んで、ダークロードとナギニが生き残るようなことがあっては。その時は私は楯になってポッターを守るべきか、あるいは、ポッターを見送りダークロードを倒すべく戦うべきなのか?

いや、ミネルバは決してポッター一人が歩み出ることを許さぬはずだ。もちろん戦闘になる。そして私はなんとかポッターを見つけねば・・・。


待つほどもなくその時が来た。ダークロードが杖を振ると境界の石壁が破壊され、闇陣営は一斉にホグワーツの境界を攻撃し始めた。校内からも応戦してくるが、塀や壁や像が壊れ、闇陣営も続々と内部に侵入していった。校庭で、校舎で、廊下で、呪文が飛び交い、鋭い閃光が走り、爆発音が響く。私のホグワーツは、破壊が渦巻く戦場となった。

私も戦いのただ中に立ち、攻撃を避けながら、誰にも当たらぬように狙いを定めて呪文を放つ。私にとっては、騎士団員、生徒、教師はもとより、デスイーターたちも傷つけたくない相手だった。しかし、、あちこちに倒れる者も現れた。早くポッターを見つけ、伝えるべきことを伝えねば、犠牲者が増えるばかりだ。

飛び交う閃光に防戦しながら、必死でポッターを探したが見つからない。まだホークラックスを探し、戦闘の場にはいないのだろうか?どこにいるのだ、ポッター?終わらせられるのは、おまえだけなのだ。


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テーマ : 二次創作:小説 - ジャンル : 小説・文学

tag : ハリーポッター セブルス ポッター

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