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セブルス・スネイプと死の秘宝(23)

(これは『ハリーポッター』シリーズの本と映画鑑賞後の、妄想です)


地下室の薄暗がりに目が慣れて、ベッドに横たわるセブルスをよく見ると、ローブの詰襟に見えたのは血に染まった包帯だった。肩まで包帯を巻き、生気のない青ざめた顔。

「これは、、。セブルス、どうしたんだ?ひどい出血だよ。」

「ナギニに、噛まれたのだ。話は、あとで。、とにかく、薬を飲ませて、くれ。」

セブルスは身動きもせず、話すのさえ苦しそうだった。急いで頭を抱え起こして、ベッドの脇にあった造血剤を飲ませてやった。少しは楽になったようだ。

「包帯も代えようか?」

「ありがたい。だが、それより、ホグワーツは?ポッターは?ダークロードを倒せたのか?」

「戦いの様子はわからないんだ。ハリーは、ヴォルデモートの元に行ったけれど、その後はわからない。君は知らないのかい?」

「知らぬ。だが、、ポッターは、行ったのだな?」

私はうなづいた。

「おまえはどうしたのだ、ルーピン?助けてくれと言っていたようだが。」

ありがたい。私のことも忘れていなかったようだ。

「それが、よくわからないんだ。ホグワーツの闘いが始まって、校庭で戦っているうちに死んだかと思ったんだけどね。それが今朝、目が覚めた。体中の関節が痛んで、重くて、裸だった。周りに服が破れて落ちていたから、たぶん変身していたんだ。昨日は満月だったのかな。」

「変身明けか。死ぬほどの術の影響はわからぬが、とりあえずそこの袋に鎮痛剤と強壮剤がある。飲んで少し寝ろ?悪いが今は診てやれぬ。」

「それで君は大丈夫なのかい?包帯のほかに、やることは?」

「造血剤を飲めば大丈夫だ。心配しないで休め。」

私は言われた薬剤を飲み、セブルスの包帯を代え、ありがたく寝かせてもらうことにして、セブルスの隣に潜り込んだ。柔らかいベッドにセブルスの匂い。隣で何か言っているようだったけれど、もう聞こえなかった。


目が覚めると、痛みが和らぎ少しはましになっていた。けれど、いつもの変身明けより、自傷はないけど、ひどく体が重くてだるかった。少し頭痛も吐き気もした。セブルスに言われて、棚にあった缶詰のスープを温めて飲んだ。ベッドのセブルスにもスプーンで飲ませてあげたら、少しだけ飲んでいた。寝ている間に数時間が過ぎていて、セブルスも少しはましな顔色になっていた。

「それで?ポッターやホグワーツのことは全然わからないのか?」

セブルスが待ちかねたようにきいてきた。お互い傷んだ体で何もできず、やることもなかったので、詳しく話すことにした。

「ハリーがヴォルデモートの元に向かったあとのことは、残念ながらわからない。君に伝えたいこともあるから、初めから話すよ。どうせ、暇だろう?」

セブルスは微妙に肩をすくめたようだったが、反対はしなかった。

「あの夜、フレッドから知らせが来てホグワーツに行ったんだ。ウィーズリー一家やキングスリーたちも駆け付けていた。秘密の部屋に人が集まっていて、そこでハリーに会ったよ。ホグワーツなら君がいるかと思って見回したたけれど、もういないみたいだった。」

「私が追い出された後に来たのだろう。」

セブルスが少し苦い顔をした。嫌な思いでもしたのだろうか?まあ、セブルスの立場では、嫌な思いばかりだっただろうけど。追求せずに話を進めた。

「闇陣営が来て真夜中に戦いが始まった時、私はキングスリーとアーサーと3人で、校庭の闘いの指揮を執ることになった。それで、校庭でドロホフと一騎打ちになって戦っていたら、なぜか、、ドーラが来たんだ。子供が生まれたばかりで、、、男の子でテッドと名付けたんだけど。」

「それはよかった。元気に生まれて何よりだ。」

「ああ、それはよかったんだけどね、、。ドーラはテッドと一緒に母親の元にいるはずだったのに、なぜか、おそらくは私が心配で、ホグワーツに来てしまったんだ。私のほうに駆けよろうとして、ベラトリックスに攻撃された。私はドロホフを防ぎながら、ドーラを助けに向かったんだけれど、間に合わなくて、、、ドーラが、倒れた、、」

私はその時を思い出して、顔を伏せた。呪文を胸に受け、倒れていくドーラ。必死に、私を求めるように見開いた眼、リーマスと呼ぶ口の動き、その表情が凍りついたまま、倒れていった。私のような者を、心から愛してくれた人・・・。涙が滲む。

「トンクスは、、亡くなったのか?赤ん坊を残して、、可哀そうに。」

私はうなづき、涙を拭った。

「それでドーラに駆け寄ろうとしたら、紫色の閃光が走ったんだ。ドロホフの呪いがあたって、、死んだ。」

「ずいぶんと早くに死んだものだな。それでは私より先だろう。だが、ポッターがヴォルデモートの元に向かったのを知っていると言ったが?」

「呼びだされたんだよ、『蘇りの石』で。」

「なんだ、それは?『蘇りの石』?」

「知らないのかい?おとぎ話にある、死の秘宝の一つさ。ほんとうにあったんだ。」

「死の秘宝?」

「ああ。死に打ち勝つと言われる3つの秘宝。最強のニワトコの杖、死者を呼びだす蘇りの石、それから透明マント。『ビードルの物語』の中の、三人兄弟の話にあっただろ?魔法使いの子供ならみんな知ってるおとぎ話だよ。」

「私は知らない。いや、知らなかった。」

セブルスの家は、子供におとぎ話をしてやるような温かい家ではなかった・・。

「知らない子もいる。みんなというわけじゃないけど、わりと有名な話なんだよ。」

私は無神経な言い回しを後悔して、あわてて言い繕ったけれど、セブルスはなおも、眉を寄せて考え込んでいた。

ルーピン、私はどうやら、その秘宝のせいで殺されかけたのだ。だが、、今はいいから話を続けてくれ。その『蘇りの石』でポッターは死者を呼びだした。おまえはその時ほんとうに死んでいたわけだ。」

「そのようだね。この時の話はまたあとでする。話を先に進めるよ。それで死んでいたはずなんだけど、なぜか今朝目が覚めたんだ。体じゅう痛くて、着ていたものがちぎれて落ちていたから、変身していたんだとわかった。

ホグワーツの大ホールの隅の、魔法で区切られた遺体置き場だった。きれいに飾られて、5、6人の遺体が並べてあった。狼が荒らした跡はなかったから、変身中も、弱ってうずくまっていただけみたいだ。見て回ったけど、知った顔はなかった。君の顔がなかったのは安心したけど、ドーラもいなくて困惑した。

とにかく様子がわからないから、おそるおそる辺りを探してみたんだけど。ホグワーツは人気もなくて、あちこち壊れて荒れ果てていたよ。夜明けだったからみんな寝ていたのかもしれないけどね。もしかしてドーラは生きていて家に戻ったかもしれないと期待して、アンドロメダの家に行ったら、、、入れてもらえなかった。おまえのせいで娘は死んだと泣き叫ぶように言われて、返す言葉も気力もなかった。引き取り手のない遺体だけが、遺体置き場に置いてあったんだ。

それで君の家に来て、悪いけど、防衛を破って入らせてもらったんだ。とにかくもう、苦しくて動けなかったんだよ。そして君の声に従って、、階段から落ちたわけさ。」

最後の一言にセブルスは一瞬顔をしかめたけれど、皮肉は無視することにしたらしい。

「人狼の生態は十分に把握されているとは言えないが、、人体が死んでも狼は生き延びて、変身をきっかけに人間も生き返ったと思うほかないな。死んだのが満月の直前で、すでに狼が活性し始めていたのかもしれない。とにかく、生き返れてよかったではないか。狼のおかげだな、ルーピン?人狼にもよいことがあるものだ。」

セブルスが私に笑顔を向けてくれた。私も嬉しくなった。

「君にそう言ってもらえると、生き返った甲斐があるよ。」

「そういう次第なら、ドロホフの術を癒す治癒呪文をかけたほうがよいのだが、、私がこんな状態だから治癒呪文をかけてやることはできぬ。回復薬を飲んでおけ。」


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テーマ : 二次創作:小説 - ジャンル : 小説・文学

tag : ハリーポッター セブルス ルーピン

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