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セブルス・スネイプと死の秘宝(25)

(これは『ハリーポッター』シリーズの本と映画鑑賞後の、妄想です)


その夜を、セブルスが何を感じ、何を考えて過ごしたのか、私にはわからない。薬は自分で飲むからおまえは寝ろと言われて、寝てしまったから。一人で思うことも、リリーに話したいこともたくさんあっただろうから、ほんとうは一人になりたかったのだと思う。

その夜の夢には、狼が出てきた。遺体置き場でポツンと、心細そうにうずくまっていた。理由のわからない体の苦痛に、物問いたげな目を、私に向けて。やあ、狼、おまえのおかげで助かったんだと言うと、クゥーンと鼻を鳴らして、前脚に顔を埋めていた。つまり、私の腕の中に。私はこの狼と共に生きていることを、受け入れられた気がした。なんといっても、この狼のおかげで今生きていられるのだから。そして、人狼だってかまわないと、心から言ってくれたドーラを思い、少し泣いた。

翌朝になると、セブルスも、頼りないながら、助けてあげれば上体を起こして、枕に寄りかかれる程度になっていた。その姿勢で、私にドロホフの呪いを癒す治癒呪文を掛けてくれたから、私はずいぶんと体が楽になった。

私もセブルスに、包帯の上から治癒呪文を掛けてあげたけれど、ナギニの毒に効く特殊な呪文は知らないから、一般的なことしかできなかった。アーサーがナギニに襲われて聖マンゴに入院していた時には、治癒者たちがあれこれ研究して治療していた。もっとも、マグルの縫合術とかいうのを試みて、いたずらに回復を遅らせていたけれど。セブルスもきちんとした治療を受けなければいけないんじゃないかと思う。

「すまないね、セブルス。アーサーの時に私も治癒法を聞いておけばよかったよ。君は特殊な治癒呪文も、魔法薬も、ほんとに細かく調べてあるね。」

1つ1つ丁寧に、、字は読みにくいけど、、ラベルを貼った薬剤を眺めて言うと。

「私は父親に殴られ、ポッターたちに攻撃され、ダークロードとデスイーターに囲まれて生きてきたのだ。防衛と治癒の呪文、魔法薬なくして生き延びられるものか。」

「それはたいへんな人生だ。ところで君はナギニに噛まれて、ずいぶんひどい傷のようだけど、よく生き延びられたね。」

「死んだと思った。ダークロードが殺す気でナギニに噛ませたのだからな、頸動脈を。」

「それじゃ致命傷じゃないか!ずいぶん血が出たんじゃないか?」

「ルーピン、血が出たなどという生易しいものではなかったのだ。」

セブルスは思い出したのか、思い切りしかめ面をした。

「それで、、、どうして?」

「開発した魔法薬を飲んでいたのだ。といっても、たいしたものではない。死ぬ寸前の仮死状態を、少し長引かせる程度のものだ。だがそのわずかな間に、ルシウスとグレンジャーが手当てをしてくれたようだ。記憶があいまいなのだが、、、。」

「グレンジャーって、、ハーマイオニー?」

「他に誰かいるのか?」

「上げ足をとらないでくれよ。マルフォイはともかく、どうしてハーマイオニーがタイミングよく君の手当てができたのかと思ったんだよ。」

「そのへんは私にもよくわからないのだが、、。死んだと思った時には、ポッターとウィーズリーとグレンジャーが居た。手も出さなかったから、おそらく見捨てて去ったのであろう。だが、なにかしらの理由で、グレンジャーが戻ったのだ。」

「なんかトゲのある言い方だな。根に持つなよ。大蛇に噛まれて頸動脈から血が噴き出すのを見て、冷静に手当ができる人なんかいないよ、、、君くらいしか。」

「別に根に持っているわけではない。グレンジャーには感謝している。おかげでここまで戻れたのだ。」

それからセブルスは、戦いの夜の経緯を話してくれた。ナギニに噛まれてからしばらくのことは、ぼんやりとしたものだったけれど。


お互いの事情がわかったところで、体がかなり回復した私が、外の様子を調べに行くことにした。こんなふうに、穴倉に潜むように隠れて、生き延びられればいいというわけではない。戦いやハリーの様子、ホグワーツや仲間たちの様子など、知りたいことばかりだった。私はもちろんテディにも会いたかった。

最初にアンドロメダの家に行ったけれど、返事も人の気配もなかった。それで、用心しながらホグズミードの村にアパレートしてみると、、、

「ありがとう!ハリー・ポッター!」店先に張られた幕の字が目に飛び込んできた。

勝ったんだ!ハリーがヴォルデモートを倒した!

セブルスと私が地下室に籠っている間に、世の中は一変したようだった。行き交う人たちの顔も、憂いが晴れたように、明るく見えた。嬉しくて、騎士団の仲間たちに会いたい気持ちもあったけれど、セブルスが首を長くして待っているはずだから、私は数日分の予言者新聞を買い込んだ。

戦いの翌日の号外には、「ハリー・ポッター、ヴォルデモートを倒す!」そんな見出しの記事に、戦いの夜の様子が記されていた。目撃者の証言を集めたというその記事では、「ハリー・ポッターは死んだ。その証に亡骸を持ってきた」と言ってヴォルデモートが禁じられた森から出てきた後、防衛軍と闇陣営がぶつかり、戦闘が始まったようだった。そして、死んだと思われていたハリーが突如現れ、大ホールで群衆が見守る中、ヴォルデモートと一騎打ちの末、ハリーが勝ったのだった。ヴォルデモートは、自分が放ったアヴァダケダブラが跳ね返ったのを受けて死んだ。

ハリーの活躍を目に描きながら心を弾ませて読んだのだけれど、その下段には小さく、名誉の戦死者の名が連ねられていた。一つ一つ、名を追う。どの死も痛ましいものではあるけれど、知った人であればなおさら・・。

フレッド・ウィーズリー!陽気な双子のフレッドが、命を落とした。ウィーズリー一家は、もちろんハリーやハーマイオニーも、どんなに悲しんでいることだろう。そして、そこに並ぶ、他の一つ一つの名前の周りにも、フレッドの場合と同じように、家族や友を失い嘆き悲しむ多くの人がいるはずだった。勝利の喜びと、その影の悲しみ。

ドーラと私の名もあった。倒れる姿を見、アンドロメダからも娘は死んだと言われたけれど、こうして戦死者の名の中に、ニンファドーラ・トンクス・ルーピンと書かれているのを見ると、それが確かな事実として心に刻まれた。

気を取り直して、より詳細や後日談が綴られた記事を見ていくと、、、なんだか、たいへんなことになっていた。


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