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セブルスとルシウスの物語(13)

(これは『ハリーポッター』シリーズの本と映画鑑賞後の、妄想です)


4学年度が終わり、ホグワーツ特急でキングスクロスの駅に着いた。駅にはマルフォイ先輩が配してくれた、マグルには見えないように魔法で隠された馬車が停まっていた。僕のほかにもう1人、僕より1年下のスリザリン生が乗って来た。レギュラス・ブラック。グリフィンドールの憎たらしいブラックの弟だ。

「おまえも招かれているのか?」

警戒しながら尋ねると、レギュラスはうなづいたきり、下を向いて大人しく座っている。黒い巻き毛も顔立ちもブラックに似ているけど、性格は違うようだ。それきり話すこともなく、しばらくすると馬車は大きな門の前に着き、音もなく開いた門を過ぎて家の前に停まった。といっても、それは僕の『家』の概念を大きく超えていて唖然とするばかりだったけど。

屋敷妖精に連れられて大きな部屋に入ると、豪華な家具や凝った置物が並んでいて、スゴイという言葉が浮かぶばかりだった。僕の粗末なローブはおそろしく場違いだ。隣に立つレギュラスには驚いた気配はなく、ブラック家が名門であることを実感して少し悔しかった。

何人か見たことのあるスリザリンの先輩たちと話していたマルフォイ先輩が立ち上がり、僕たちを迎え入れてくれた。

変わらないきれいな顔立ち、それを縁取るプラチナブロンドの髪、優雅なしぐさ、そして懐かしい笑顔。高慢にも見えるその笑顔が自分に向けられると、僕はいつも晴れがましさと気遅れの混じる複雑な気持ちになる。

セブルスレギュラス、よく来たね。こちらに来て座りなさい。」

手招きされて、マルフォイ先輩の隣の席に座ると、ホグワーツの頃のように周りの先輩たちが僕を見てニヤニヤしていた。嬉しいけど居心地が悪い、またも複雑な気持ちで座っているうち、いったん家に帰ってから出向いたらしい今年の卒業生たちが何人か到着した。

それで全員揃ったらしい。マルフォイ先輩が軽く手を上げると、皆静かになった。

「スリザリン寮はすばらしい仲間が集まっている。卒業後も友好を深め、ともに歩む仲間たちと楽しいひと時を過ごしたくて招いたのだ。さあ、飲み物を手に。」

皆で乾杯した後は、談笑が始まった。年上の先輩たちが今年の卒業生にホグワーツの様子を尋ねたりしていたけど、そのうち最近の社会情勢の話になっていった。ホグワーツの外の世界では、マグルを排除し純血を尊ぶヴォルデモート卿ことダークロードの勢力が増しているという話だ。

スリザリンは伝統的に純血主義だから、この流れは好ましいことだとみんな口をそろえて言う。ダークロードの勢力に加わり、純血主義の理想を実現しよう。闇勢力の完全制覇まであと一歩だ。穢れた血などやっつけろ。成人した先輩たちはビールの勢いも加わってか、口々に勇ましいことを言い始めた。僕もマグルは嫌いだし純血こそ尊いと思うけど、ハーフだから少し居心地が悪い。マルフォイ先輩が僕のほうをちらりと見てから言った。

「純血こそ尊ぶべきものだ。だが、ハーフであっても半分流れる魔法族の血を重んじ魔力を磨くなら、ダークロードは魔術の強さを評価なさる。ダークロード自身、実に魔力の強いお方だ。私も会ったのだが、実に見事な闇の魔術を披露してくれた。マグルを排し世を支配するには、真に強い力、闇の魔術が物を言うのだ。」

そしてマルフォイ先輩は立ち上がり、闇の魔術をやって見せた。みんな感心しておしえてほしいと言い、マルフォイ先輩は、それでは時々練習会を開いてやると応えた。未成年の生徒は学外での魔法は禁じられているから、僕は加われないと少しがっかりしながら聴いていた。

皆がそれぞれに談笑したり、ふざけて魔術の掛け合いを始めた頃、隣のマルフォイ先輩が顔を寄せて囁くように話しかけてきた。

「おまえなら先ほどの術など簡単にできるだろう、セヴィ?」

「やったことはあります、簡単じゃないけど。」

セヴィと呼ばれて、そう呼ばれて額にキスされたことを思い出して顔が赤らむのを感じ、あわてて答えた。

マルフォイ先輩は満足げにうなづいている。それから今年の成績を尋ねられ、呪文学や魔法薬学ではいい成績だったというと、期待通りだと褒めてくれた。

僕は少し心強くなって、思い切ってマルシベールの家の話をすることにした。父親が行方不明になり、病気の妹の治療費に困っていると。さすがに助けてやってほしいなどとは頼めなかったけど、マルフォイ先輩のほうから、何か出来るか考えてあげようと言ってくれた。

しばらくして、僕とレギュラスは遅くならないうちに帰るように言われた。僕には馬車を使っていいと言う。家の外に出てレギュラスに尋ねてみた。

「おまえは乗らないのか?」

「僕はうちから迎えが来るから。」

なんのことかと思う間もなく屋敷妖精が現れ、邸内では大人しいばかりだったレギュラスが、嬉しそうに声を上げて駆け寄っていった。

「クリーチャー!」

それからレギュラスは僕に手を振って、妖精と手をつないだと思ったら、あっという間に姿が消えた。

僕はマルフォイ邸が名残惜しく、家に帰るのも嫌だったけど、しかたなく馬車に乗って家に向かった。家のことを考えると気持ちが沈んでいく。自分を励ますように、1年ぶりで会えた先輩のことを思い出していた。先輩はあんな立派な家で育ったんだ。高貴な純血の家、美しい容姿、優れた知性、お金と力。全てを持っている人。そんな先輩が、僕の魔力を評価して、ほかに何も持たない僕に目をかけてくれる。

先輩は、ハーフでも半分流れる魔法族の血を大切にすればいいと言っていた。僕はハーフマグルのスネイプじゃなくて、半純血のプリンスだ。母さんのプリンス家の血を重んじ魔力を磨けば評価される世の中になるらしい。

僕の得意な闇の魔術。誰にも負けないようにもっと磨きをかけようと誓った。そうすればマルフォイ先輩にも、世の中からも認めてもらえると思う。

~~~~~

今日の集会は、概ね成功だった。私の配下になれそうな者たちを集めてみたが、皆純血主義で、闇の勢力に加わりたいと望んでいる。私が推薦してやるといえば、喜んでデスイーターになりたがるだろう。これから時々闇の魔術の練習会を開いておしえてやり、あわせて結束を強めてゆけばよい。

闇の魔術といえば、やはりセブルスが傑出している。相変わらず痩せっぽちで粗末ななりだったが、期待通り勉強を頑張っているようだ。セブルスなら単なる手駒ではなく、優れた魔力と賢さで必ず役に立つはずだ。

仲間を集めようと思い立ってから気づいたのだが、私には無条件に信頼できる近い血縁の者がいない。純血はどこも姻戚でつながっているという魔法界だが、父上の長い世代の間に縁が途絶えたのだろうか。私には兄弟も従弟もいない。娘を金で売ったような母上の実家とは、もとよりつきあいはないし。能力はあるのに社交性がなくて孤独なセブルスなら、誰より私だけに忠誠心を持つに違いない、血縁者とはいかなくとも、信頼のおける親しい者として、いずれはそばに置きたいとすら思ったこともあるのだが、、。

そのセブルスが、1年ぶりの再会だというのに、同級生のマルシベールを助けてやってほしいなどと言ってきた。私が卒業してからほんの1年の間に、親しい男ができるとは許し難い。腹が立って、レギュラスの迎えがくる時間にあわせて早々に帰してしまった。

まさか抱き合うような間柄になってはいないだろうが。しかし体も世慣れも子供じみたままだが、考えてみればセブルスも15歳になったはずだ。そろそろ性的なことに興味を持ったり、血迷って恋に落ちることもあるやもしれぬ。セックスなど遊びで流すこともできるが、時には支配し支配を許す、破壊的な力を持つこともある。

他に悪い虫になりそうな者がいないか、在学中に見たセブルスのことを思い起こしてみた。たいていは1人で本を読んでいて、親しそうな者はいなかった。何度かグリフィンドールの赤毛の女の子と歩いているのを見かけたが、宿敵グリフィンドールとの付き合いなど続くはずがない。

やはり問題はマルシベールだ。金髪巻き毛の体格のよい少年だった。容姿も悪くない。セブルスのような社交べたな様子はなく、むしろ如才なく、誰とでも親しめそうな快活なタイプだ。いったいどこに接点があったものか?マルシベール家ば今は落ちぶれたが旧い純血家系だ。セブルスが同情をよせるほど困窮しているとは。

少し調べると、確かに苦境にあるようだった。父親が失踪し、母親は病がち、妹は心臓病を患っている。ここはマルシベールに恩を売り、万が一にもセブルスに手を出さぬよう丸めこむのが得策だ。

マルシベールを屋敷に呼んで事情をきき、場合によっては妹をセントマンゴ病院に入院させてやることも可能だと言った。マルシベールは、助けてもらえたらこの恩は一生忘れない、恩に報いるためなんでもしますと拝まんばかりだ。私はゆっくりとうなづきながら釘を刺した。

「他ならぬセブルスの頼みだからきいてやるのだ。意味がわかるな?」

マルシベールは少し驚いたように青い目を瞬かせていたが、やがて大きくうなづいた。世に疎いセブルスと違って、世間をわかる程度には大人のようだった。

それとなく話をきくと、他にセブルスと親しくなった者はないようだ。そしてマルシベールも、セブルスほどではないにしても、闇の魔術に詳しいとわかった。家系の影響で服従の術が得意なのだと言う。まだ年は足らぬが、そのうち使える手駒となりそうだ。すぐに妹の入院を手配してやった。

その後、またセブルスを、今度はマルシベールと一緒に家に呼ぼうなどと考えていたのだが、忙しくなってそれきりになった。闇の勢力の優勢が明らかになり、私も予定より早くデスイーターに加わったからだ。

集合時にフードで顔を覆うデスイーターたちは、全員の正体がわかるわけではないが、皆私より年長で、それなりに闇の魔術に長けた者ばかりだと思われた。名家の出の者は、我こそはダークロードの側近との意識が強い。最大のスポンサーであるマルフォイ家の代表として最初から特別待遇を受けたが、先にいるメンバーたちに示しをつけるためにも、早く手勢を増やしたかった。

手駒たちに術を特訓したり、ダークロードに推薦したり、デスイーターとしての通常の活動も忙しかった。忙しいのは悪いことではない。誰より多くの仲間を引き込む敏腕は、マルフォイ家の若造と舐めていた者からさえも敬意を得たし、マグルや抵抗勢力をいたぶる破壊行為には血が騒いだ。

いまや闇の勢力は加速的に勢いを増し、もはや魔法省の主要な部門すべてに影響を及ぼす。抵抗する闇祓いとの戦いも熾烈になったが、私たちの優勢は圧倒的だった。破壊行為に出かけ、マグルをいたぶり、闇祓いを打ち負かす。戦いの後は、勝利の美酒と、男女入り混じっての乱交に高ぶった心身を委ねた。デスイーターの日々は、刺激的なパーティのように過ぎてゆく。


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テーマ : 二次創作:小説 - ジャンル : 小説・文学

tag : ハリーポッター セブルス ルシウス レギュラス

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