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セブルスとルシウスの物語(15)

(これは『ハリーポッター』シリーズの本と映画鑑賞後の、妄想です)


去年から陰湿さを増していたポッターたちの嫌がらせは、もはや我慢ならないものになった。夏休みが終わってやっとホグワーツに戻れたというのに、そのホグワーツで僕は日々、彼らを警戒していなければならない。そして一瞬の油断から、酷い目にあい、耐え難い屈辱を受ける。彼らは卑怯にも、手下2人を従えた4人がかりで、僕が1人でいる時を狙うのだ。

彼らのしつこい嫌がらせの影に、リリーと僕の友情を引き裂こうとする意図が露わに見られるようになったのも不安だった。1年生の初めから、彼らは僕とリリーが親しいのが気に入らないのはわかっていた。リリーは頭の良い美少女で人気者だから、そのグリフィンドールの人気者とスリザリンが友達なのが口惜しいんだろうと思っていた。だけど今はそれだけじゃなくて、ポッターリリーに気があって、僕との仲を裂いて奪おうとしている。僕をいじめて、追い出そうとしているんだ。

リリーがグリフィンドールに染まって、スリザリンや闇の魔術を批判するのも、不安に拍車をかけた。

僕は、口にすることすらできぬほどに屈辱的なことはのぞいて、先生に訴えてみようかと考えてみた。実際、僕から訴えるまでもなく、ケガばかりしている事情を尋ねられ、彼らの仕業だと伝えたこともある。だけど、ヤツらは僕への嫌がらせだけでなく、『魔法いたずら仕掛け人』と名乗って、人の迷惑になる悪戯や規則破りばかりしているのに、なぜか形ばかりの罰則を受けるだけだった。

彼らの悪行の餌食になることが多いスリザリンでは、校長先生がグリフィンドール出身だから、ひいきして罰が甘いんだと言っている。校長先生も、グリフィンドールの寮監のマクゴナガル先生も、『悪戯が過ぎる困った子たち』と言うばかりで、被害にあっている者を助けてくれることはなかった。まして仲間の一人のルーピンをグリフィンドールの監督生にするくらいだから、本気で彼らの悪行を抑えようとしているとは思えない。

4対1では術でも負けてしまうし、先生たちも公正に対処してくれない。それに陰ではあんな陰険なヤツらなのに、相変わらずクィディッチのヒーローとして校内きっての人気者だった。このままではリリーとの友情を引き裂かれ、僕がやっと見つけた唯一の家、ホグワーツにさえも、僕の居場所はなくなってしまう。

僕は追い詰められていた。

何か、彼らをひいきする先生たちでも、おざなりの罰ですませられないような何かを掴み、彼らをホグワーツから追い出すしかない。そうでなければ彼らは僕を追い出すまでいじめぬくつもりなのだ。

僕は用心する一方で、何か糸口がないかと彼らの動向をうかがっているうちに、妙なことに気がついた。4人揃って姿が消える時があるのだ。夕刻頃にルーピンの姿が消え、しばらくすると、ポッター、ブラック、ペティグリューも姿を消す。翌日にはルーピンが授業を休むこともある。彼らは夜中に何かしているのだ。甘やかされていい気になって、許されないほどの規則破りをしているに違いない。

その証拠をつかめればと、ある日の放課後、1人敷地のはずれに向かうルーピンの後をつけると、ルーピンは暴れ柳の木の根元に消えていった。後を追おうとしたけれど、柳が暴れて近づけない。やがて3人が来るはずだと物影から見張っていると、辺りが暗くなる頃に、ブラック1人が現れて、根元のこぶを抑えた。すると、驚いたことに、暴れ柳はすっと鎮まった。

ブラックが立ち去るのを確認して、僕は柳に近づきその根元のこぶを杖で抑えてみた。すると動きを止めた柳の根元に、人1人通れるほどの穴があり、奥へと通路が続いていた。ヤツらはこの通路を抜けて、どこかへ行っていたのだ。これで証拠をつかめると、僕は迷わず中に入っていった。

これでヤツらを追い出せる!逸る気持ちを抑えながら通路を進むと、奥に扉が見えた。扉ののぞき窓に近づくと、中の薄暗がりに青白い月の光が差し込むのが見えて、、、

「逃げて!早く逃げて!」

切羽詰まったルーピンの声がして、のぞき窓の向こうでルーピンの姿が変わってゆくのが見えた。

人狼だ!

思った時にはガタガタと扉の揺れる音がして、間近に凶暴な気配が近付いていた。逃げなきゃ、思うのだけど強張った体が思うように動かない。

その時、誰かが後ろから走ってきた。

スネイプ!走れ!逃げるんだ!」

叫び声に導かれて夢中で走り、外に出ると、隣にポッターが立っていた。

はめられたのだとすぐにわかった。ブラックは僕を人狼のルーピンに襲わせようと、わざと暴れ柳の動きを止めて見せたのだ。彼らは僕を、人狼に食わせる気だったのだ。

呼ばれて校長室に向かいながら、これだけのことをしたのだから、彼らは退学処分になると確信していた。僕は命の危機と引き換えに、彼らをホグワーツから追い出すことができるのだ。いくらグリフィンドールびいきの校長先生でも、人狼に人を襲わせようとした生徒を許すはずはない。

けれど。

「ミスター・スネイプ、ジェームスから報告を受けたが、無事でよかったの。ジェームスの助けが間に合って、何よりじゃった。」

僕は耳を疑った。

ポッターが僕を助けたと言うのですか?彼らは仲間で図って、僕を人狼に殺させようとしたんです!」

ダンブルドア先生は眉をしかめた。

「これはシリウスが単独で暴走したことじゃ。直前でそれに気づいたジェームスが直ちに君を救いに向かったから事なきを得た。」

「ポッターとブラックはいつも一緒に悪だくみをしているんです。今回に限ってブラック単独などということは、、」

「しかし、実際ジェームスは君を助けたじゃろう?」

「ずる賢いポッターは、直前になって自分たちもまずいことになると気がついたんでしょう。ヤツらはいつだって4人でなければ僕を攻撃してこない!」

僕は今までの幾度もの耐え難い嫌がらせを思い、興奮して言い募った。

「4人と?では君はリーマスも一緒になってこれを計画したと言うのかね?」

「ルーピンは危険な人狼です!」

「リーマスが人狼だということはわかっておる。それを知った上で校長のわしが入学を許可したのじゃ。他の生徒に危害を加えんように、暴れ柳を植えて変身中は隔離しておった。リーマスも大人しくそこに籠って耐えておったのに、君がわざわざ入っていったのじゃ。」

「ですがそれはブラックにはめられて。」

「もちろん、シリウスには相応の罰が必要じゃ。」

「退学処分にしてください!ブラックも、ポッターも。僕は殺されるところだったんです。」

「処分を決めるのは校長のわしじゃ。君が口を出すことではない。そして君はこのことを口外しないと約束せねばならん。そうでなければ、わしは君を退学させねばならん。」

「なぜ?・・・なぜ被害にあった僕が退学になるのです?僕の何が悪いと?」

「被害にあったというが、幸い君はケガもしなかった。しかし君が騒ぎたててシリウスを退学させれば、どういうことになるか考えんのか?」

「ブラックが退学になるのは当然の処分でしょう?ブラックだけでなくポッターだって、、」

「わしはリーマスのことを言っておるのじゃ。」

ルーピン。いつもポッターたちに従って、嫌がらせの見張りをするか、気弱そうに目を逸らし、見て見ぬふりを決め込む卑怯者。そして醜い獣に変わり、僕を襲おうとした恐ろしい怪物だ。だけど、、僕に気づき「逃げて!早く逃げて!」と血を吐くような悲鳴を上げながら、留まる術もなく獣に変わっていった、、、

「人を襲いかけたと公けになれば、リーマスは処分される。魔法使いに死刑は適用されんが、人狼であれば殺処分じゃ。君はケガもしておらんのに、恨みを晴らすために、リーマスを殺せと言っておるのも同然じゃ。そのような生徒をホグワーツには置いておけん。忘却術をかける手もあるが、一時しのぎにはなっても同じことを繰り返すじゃろうからの。」 

黙ってしまった僕にダメ押しをするように先生は続けた。

「リーマスはこのことに一切関わっておらん。人を襲うのを何より恐れておるのが他ならぬリーマス本人じゃ。可哀そうに、5歳のときに人狼に噛まれて以来、満月の夜は隔離された場所で、自分自身を傷つけておる。それなのに、自らその場所に近づいた君が騒ぎたてれば、殺されるか、運良く殺処分を免れても行く当てもないのに学校を去ることになるのじゃ。わしはそんなことは許さん。わかるかの、ミスター・スネイプ?」

僕だって、学校を追われれば行くところはない、、、

「わかりました。口外しないと約束します。ですがブラックには相応しい厳罰を。」

「わかっておる。シリウスにはすでに罰を与えた。もし君がわしとの約束を破れば、相応の罰を受けることを忘れてはならぬぞ。」

脅しともとれる一言を最後に、僕は解放された。

公けにならぬはずのその事件は、数日のうちに、何者かに襲われそうになった僕をポッターが助けたという話になって広がっていた。ポッターはもちろん、ブラックさえも、たいした罰を受けたふうでもない。むしろポッターは、グリフィンドールとスリザリンの仲の悪さにも関わらず、自らの危険を顧みず僕の命を救った勇敢なヒーローだと評されていた。

ひどく理不尽な話だ。しかも、校長先生との約束を破って僕が真実を明かせば、ルーピンが殺され、僕が退学処分になるだけなのだ。世の中は不公平にできていて、僕に対してフェアであったことなどないけれど、これは酷過ぎると思う。

周囲は仲の悪い僕とポッターたちに何があったのか好奇心を隠さなかった。真実を話すことはできないから、僕はことさらに不機嫌そうにして、質問されるのを避けていた。他の誰がどう思おうとあきらめるけど。僕は、グリフィンドール寮にいるリリーが、この歪められた話を信じるのではないかと不安でならなかった。リリーまでも、ポッターに騙されてポッターを英雄だと思い、僕をバカな弱虫だと思うんじゃないか?いてもたってもいられない思いだった。

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テーマ : 二次創作:小説 - ジャンル : 小説・文学

tag : ハリーポッター ポッター リリー スネイプ ルーピン

コメント

更新お疲れ様です。

度々コメント失礼します。

ダンブルドア校長は全編通して、最強…というか、実は最凶ですよね^^; どSですしw
 

以下、前回コメントの続きで失礼します;

ルシセブが同じ場面に居るのは確かに僅かでしたが、
物語のあちこちに、ルシセブ臭(?!)が
ちりばめられてますよね^^
そんな僅かな痕跡を拾い集めて色々と妄想していましたが
ミーシャさんの素敵語りでかなり脳内補完してしまいました^^

ルシセブももちろんですが
基本、マルフォイ家とセブルスの関係が好きなので
ナルシッサの登場もかなり期待しています~^^

本編語りでの子作り&子育て編(?)は
密かにお気に入りのシーンです^^

各キャラの色んな姿が見れてとても楽しいので
長大作、むしろ嬉しいです^^
制作は大変かと思いますが…;
ぜひ、マイペースで長く続けて下さい。

…って、長々と失礼しました^^;

毎日ルシウスとセブルスの物語をわくわくしながら覗いております^ ^
マルフォイ一家三人+セブルス大好きな私にとっては、この物語はたまらなく魅力的です。この物語を読み始めてからは、セブルスの支えとなったリリーもすきになってしまいましたが。
マルフォイやセブルスが好き、と言っていると、何だか闇陣営が好きなように思えてしまいますが、ユニークで人間性あふれる彼らに惚れてしまうのですね~

ハリポタには余り語られていない部分も多くて、その部分はそれぞれの解釈や想像に任せられてしまいます。
今まで主にドラコを求めて、色々な物語をネットで探し読みしていましたが、どうも自分の想像に合わなかったり、そうなのかな…などと疑問に思ってしまう部分もありました。
この出遅れハリポタ語りに辿り着いて一番驚いたのが、私の価値観や解釈にぴったりと合っていた事です。
始めは唯々、楽しんで読んでいましたが、最近は物語を書いておられるミーシャさんが、とても変な言い方ですが、不思議な存在に思えてしまいます(^^;;
こんなに素晴らしい物語で、文章力もあり、何より私の価値観を裏切らない…
一体どんな方なのだろうと。

コメントする度に、何だかラブコールを送っている様で気恥ずかしいのですが、これからも更新を楽しみにしています!
長々とすみません(^^;;

ソマリさん

ダンブルドアは頼りになる白髭の長老さん(LORのガンダルフみたいな)のイメージを見事に裏切ってくれました。
最強ではあるけど単純な善ではなく、セブにはどsですよね。
暴れ柳事件の頃にはすでに、ジェームスたちを不死鳥の騎士団に入れようと企んでたと思います。

ルシセブについて、
映画の第2作にルシセブ並んでのクィディッチ観戦シーンがあり、
私の大のお気に入りの場面だったのですが、
原作2巻にはその場面がなくてびっくりでした。
でも原作を通じて、ルシセブの気配はちりばめられていると、
私も確信しています。
ドラコに対するスネイプ先生の態度って、
役割のための演技ばかりでなく、
身内の子につい相好を崩してしまう様子が感じられて、
たぶんそんな歴史(子作り子育て)があったんではないかと。

RENさん

マルフォイ一家+セブルス、いいですよね。
私も大好きです。
マルフォイ一家は闇陣営代表みたいな立場ですが、
ドラコがいることで根っから悪くなさそうな感じが漂います^^
お金持ちのボンボンで、自分勝手でいい気になってるけど、
ヘタレで優しいとこもあって、家族愛に満ちている。

完全な善と完全な悪という
単純な分類ができるものではないことをよく表しています。
どちらもあるのが人間で、
マルフォイ一家はわりとそれをオープンに出す人たちです。

リリーに対しては複雑です。
セブルスへの愛が溢れるミーシャとしては、やはり、
なんでセブ捨ててジェームスとくっついた?
という非難混じりの疑問が拭えないのですが^^;
この妄想ブログを書いているうちに、
やっぱりセブの心の支えはリリーであり、
孤独だったセブ少年の前に笑顔で現れてくれたリリーという存在に
敬意を払わずにはいられなくなりました。

ラブコール歓迎です、ちょっと照れますが^^;
コメント励みになります、ありがとうございます。

いつもコメントを返して下さってありがとうございます!
マルフォイ一家は始めはダークロードからの信頼も受け、地位も高かったのですが、途中からは失態の繰り返しなどで闇陣営の中での地位が落ちぶれてしまい、次々と影が差し始めますよね。そんな彼らに同情してしまうのはやはり、物語の中にこっそりと描かれていた彼らの優しさのある人間性があったからではないかなと思います。

リリーに関しては、確かに複雑な想いはありますね。
ジェームスとの付き合いや結婚はある意味、一途に愛し続けたセブの気持ちを踏みにじる行為でしたので…
リリーはセブの気持ちに余り気づいていなかったのか、恋愛対象としては見ていなかったのか…と色々な思いがあります。
セブはその辺の表現は苦手そうなので、心に秘めている様にしか周りからは見えなかったのかな…と。
それでも、映画でのリリーがとっても可愛かったので、頭の中ではどうしても美化してしまいます(^^;;笑

ハリーポッターは、語っても語りきれないほど、色々な思いが溢れ出てきますね。
これからもよろしくお願い致します^ ^

RENさん

コメントをいただき、コメントを返すたびに
語りたくなるハリーポッターですね^^
そのたびにいろいろと思ってしまって。

マルフォイ家の地位の凋落ぶりには同情しました。
力や裕福さに飾られていたものがはげ落ちて現れる姿も、
どこか人間味があって、憎めない人たちです。

映画のリリーは可愛かったですね!
リリーとセブは幼馴染なので、決別してしまった時点で、
どちらも恋愛感情が混ざっていたのか、
あっても意識していたかどうか微妙です。
でもはっきりと恋人ならケンカや価値観の違いで決別があっても、
幼馴染の友達ならそこまでしなくてもいいんじゃないかと。
あと、ジェームスがいじめっ子、セブがいじめられっ子のイメージで読むと、
いじめられる側の気持ちに寄り添っていてくれたリリーが、
いじめっ子の元に行ってしまったのが悲しいです。
自分でもセブ可愛さのあまり偏ってると思いますが^^;

ほんとに思いが溢れて語りつくせませんが、
これからもよろしくお願いします♪

お返事ありがとうございます

内容的に別けた方が良いかと思い…
度々、こちらで失礼します^^;

完全な人のイメージで描かれていたアルバスと
嫌な人のイメージで描かれていたセブルスの
その表と裏、は
きっと全てのキャラクターに言えることなんだろうな、と思います。
もちろん全員の全てが描かれている訳ではないので
想像しだすと止まらないですよね^^;

どうしても好きなキャラクターは良い風にイメージしてしまいますが^^;
それも人ゆえに…といいますか。

映画のクディッチ観戦シーンは、サービス過ぎますよね!
カットされる内容も多いですが
映画には映画の良さが詰まっていて良いですね。
私的に原作+映画でひとつの世界、でしたが
最近は密かにミーシャさんの作品が
私の中で第二の原作になってます^^
脳内妄想がとまりません;

No title

素晴らしいだけの人も、完全に嫌な人もいない、
どのキャラについてもそう思えるように描かれているのが
ハリポタの魅力の一つかもしれませんね。
だからあれこれ想像して後を引くという。
好きなキャラは嫌なとこもひっくるめて愛さずにいられないので、
かわりにあれこれ言い訳考えてしまったりして^^;

私は先に映画を見たのですが、
原作を読んだあとで映画を見ると
サービスシーン、ありますね。
3作目の、変身ルーピンからトリオを庇う先生なんかも、
ありがとう!って感じです。

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