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セブルスとルシウスの物語(16)

(これは『ハリーポッター』シリーズの本と映画鑑賞後の、妄想です)


暴れ柳事件の後、僕はリリーポッターが僕を救った英雄だなどという嘘の話を信じてしまうんじゃないかと心配で、間違っていたら正さなきゃと思っていたけれど、いざリリーに会えると、その話をどう切り出せばいいのかわからなかった。ルーピンが人狼だという事実は言えないし、その真実を伏せたまま、ポッターは直前になって自分たちの身を守ろうとしただけの、ずる賢い卑怯者だと説明することは難しい。

リリーも、僕がその話を嫌がると思っているのか、あえて事件の話は出してこない。それでなんとなくスリザリンの友達の話をするうちに、リリーの機嫌が悪くなった。リリーは寮の違いに縛られるなんておかしいと言ってたし、そんなことに囚われず、ずっと僕たちは友達だったのに、最近はスリザリンの友達の話や闇の魔術の話をするといら立ちを見せることがある。これもグリフィンドールの影響だと僕は腹立たしく思う。

機嫌を損ねたリリーが「もう行かなきゃ」と先に歩き出してしまった。追いかけて話すうちに、中庭に着く頃には言い争いのようになってしまった。僕はリリーとケンカなんかしたくない。ただ子供の頃からずっとそうだったように、仲の良い友達でいたいだけなのに。

「僕たち友達だと思ってたんだけど、、親友だって。」

「そうよ、セブ。でも私、あなたが一緒にいる人たちのうちの何人かが嫌いなの。悪いけど、エイブリ―とかマルシベールとか。マルシベールなんて!セブ、彼のどこがいいの?ぞっとするわ!この間あの人がメリー・マクドナルドに何をしようとしたか、知っているの?」

リリーは柱に近づいて寄りかかり、僕を見返すように言った。メリー・マクドナルドっていうのはグリフィンドールの気の強い女の子だ。要領の悪いエイブリ―をバカにしているのを見たマルシベールが、マグルのサルに木登りさせてやると言って、服従の術の亜流の術をかけようとした。

「あんなの何でもない。ちょっとした冗談だよ、、」

「あれは、闇の魔術よ。あなたが、あれを冗談だなんて思うなら、、」

たしかに服従の術の亜流だから闇の魔術だけど、やらせようとしたのは木登りだ。ケガをさせたり酷い目にあわせたりするもんじゃない。グリフィンドールは闇の魔術をなんでもかんでも邪悪と決めつけるけど、それは使いようによる。木登りさせるなんて、そんなのは彼らのやることに比べたらなんでもない。僕なんてもっとずっと酷い目にあってる。この間なんて人狼に襲われそうになった。それは闇の魔術じゃないからいいのかと思ったら頭に血が上った。

「じゃあポッターと仲間たちがやってることはどうなんだよ。」

ポッターが何の関係があるの?」

「ヤツらは夜こっそり出歩いてる。ルーピンなんて怪しいじゃないか。あいつ、いつもどこに行ってるんだよ?」

「彼は病気なのよ。病気だってみんな言ってる。」

「毎月、満月のときに?」

「あなたが何を言いたいかわかるわ。」

リリーが冷やかに言った。

「でも、どうしてあの人たちにそうこだわるの?彼らが夜出歩いているのが、なぜ気になるの?」

僕も少し冷静になる。人狼ことは言ってはいけないんだ。言ったらたいへんなことになる。だけど、これだけは。

「僕はただ、彼らはみんなが思ってるほど素晴らしいわけじゃないって、君に言いたかっただけなんだ。」

僕があまりに強くいったせいか、リリーが少し顔を赤らめて、声を落として言った。

「でも、あの人たちは闇の魔術は使わないわ。それにあなた恩知らずよ。この間の夜何があったか聞いたわ。あなた、暴れ柳のトンネルを下りていって、そこに何がいたのか知らないけど、ジェームス・ポッターがあなたを救ったって、、、」

「救った?救ったって?」

僕はかっとなった。リリーまでがそんな。リリーにだけは。

「君はあいつが英雄だと思っているのか!ヤツは自分と仲間を救っただけだ!君にはそんなことさせない、僕は君にそんなことは、、」

「私に何をさせないっていうの?」

リリーが緑の目を細めた、、リリーを怒らせてしまった。

「そういうつもりじゃないんだ、、僕はただ、君が騙されるのを見たくない。あいつは、ジェームス・ポッターは君が好きなんだ。」

リリーが怒っているのを見て動転して、自分でも何を言っているのかわからなくなった。

「だけどあいつは違うんだ。みんなが思ってるような、、クィディッチのすごいヒーローとかじゃなくて、、」

リリーが眉を吊り上げて、僕の言葉を遮った。

「ジェームス・ポッターが傲慢で嫌なヤツだってことは知ってるわ。でも、、、」

リリーはわかってる!ポッターなんかをすごいなんて思ってない。あいつのことなんか、嫌いなんだ。それを聞けただけで、僕は安心して嬉しくなった。他の誰がどう思おうと、リリーがわかっていてくれるならそれでいい。

リリーはまだ何か言っていたようだけど、僕はもうきいていなかった。ジェームス・ポッターは傲慢で嫌なヤツだと、リリーが言ったその言葉を、頭の中で何度も繰り返す。再び並んで歩きながら、久しぶりに僕は心が弾んでいた。


リリーがポッターの上辺に騙されていないのはほっとしたけど、あんな酷い事件の後で、しかも一応校長先生もブラックに罰を与えたと言ったにもかかわらず、ポッターやブラックに反省の気配はなく、嫌がらせはむしろいっそう酷くなった。僕のことを殺しかけても事実上お咎めなしとわかったのだから、彼らが図に乗るのは当然といえば当然だった。

ポッターやブラックは相変わらずの人気者で皆にちやほやされ、傲慢でいい気になったポッターが女の子たちの目を意識してスニッチを放り投げたり、わざとらしく髪をくしゃくしゃとして見せたりするのを見かけるといっそう腹立たしかったけど、リリーはあんな上面に騙されはしないんだと思えるのが心の支えだった。

そして僕は相変わらずトイレとか林とか、気をつけていても突然姿を現す彼らに、人目につかないように痛めつけられたり辱められたりした。彼らがどうやって僕がいる場所を知り、どうやって突然姿を現すのか、僕にはわからない。ただ、マルフォイ家やマルシベール家に古くから伝わる秘密の魔法があるように、旧い名家のブラック家やポッター家にも何か秘密の術や品があるのだろうと口惜しく思うだけだった。

もう先生たちの助けがあてにならないのは明らかだから、自分で何とかするしかない。僕は友達、、といってもリリーを除けばマルシベールやエイブリ―しかいないけど、、とできるだけ一緒にいるようにして、一方で父さんの暴力を封じようと考えていた新しい呪文を仕上げることにした。ポッターたちをやっつけられるように。

呪文の開発は面白くて、始めると目的すら忘れて没頭してしまう。図書館で呪文のもとになるラテン語を調べたり、林でウサギや野ねすみに術を掛けてみたりしながら、正確でより効果的な呪文を仕上げていった。ちょっと違うだけで、全然違う魔法になってしまうし、効き目も違う。呪文の開発はとても精密な作業なのだ。精魂込めて作り上げ、そして出来上がれば人に試してみたくなる。

僕はマルシベールとエイブリ―を林に誘って、実験台になってもらった。僕が杖を上げて術を掛けると、、、エイブリ―の足の踝が吊りあげられて、体が宙吊りになった。成功だ!

すぐに反対呪文で下ろしてあげたエイブリ―と見ていたマルシベールが、これはすごいと興奮していた。レビコーパスという術だけど、念のため無言呪文にしてある。掛けられた相手は、何の術かもわからないうちに宙吊りにされるわけだ。面白がって教えてとねだる彼らに、ポッターたちがいないか辺りを確認した上で、こっそりと呪文を教えてあげた。いつかヤツらにこの術を掛けてやる。知らない術を掛けられて慌てふためく彼らを思い描き、密かに溜飲を下げていた。

だけど、いつの間にかこのレビコーパスの呪文は生徒の間で大流行になった。誰か見ていた者がいたのか、あるいはエイブリ―たちがどこかでやったのを見られて広がったのかわからないけど。あちこちで、突然誰かが踝から吊りあげられては笑いの輪ができる。たいていは仲間同士が冗談でやっているようだった。精根込めて生み出した僕の魔法が、軽々しく冗談のように扱われるのは口惜しくもある。それでも皆が夢中になる術を作り出したのは僕なんだと誇りにも感じて、僕はますます新しい呪文の創作に熱中した。


嫌がらせを受けたり、それに対抗する術を考えるうちに春が過ぎ、初夏の気配が漂い始める頃になると、学年末のOWL試験のことで頭がいっぱいになった。5年の終わりにあるOWL試験は、その結果次第で6年以降に受けられる上級授業が決まる。それは将来の職業にもつながるもので、魔法界に何のつてもコネもない僕には未来を開く唯一つの道だ。マルフォイ先輩が目を掛けてくれるのだって僕の魔力を評価してくれるのであって、成績が悪ければがっかりされてしまう。失敗は許されない。なんとしても、よい成績をとりたいと思う。

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テーマ : 二次創作:小説 - ジャンル : 小説・文学

tag : ハリーポッター リリー ポッター ブラック マルシベール

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