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セブルスとルシウスの物語(24)

(これは『ハリーポッター』シリーズの本と映画鑑賞後の、妄想です)


今日はセブルスを抱く。極上の快楽を与え、人並みはずれた闇の魔力と私だけに捧げられる忠心を、完璧にこの手の内に握るのだ。

セブルスには何年も目をかけてきたのに、イースター以来何に気をとられているのか、この私にさえ心ここにあらずの風を見せる。しかしそれも今日限りのこと。明日の朝になれば、その黒い瞳には私の姿しか映らぬはずだ。デスイーターに引き入れれば、優れた闇の魔術の使い手と、ダークロードの覚えもめでたいだろう。そして私の頭脳として腕として、存分な働きをさせる。欲望と野心がともに満たされる楽しい夜になりそうだとほくそ笑んだ。

準備は万端。全ては私の思い通りに進んでいる。脱がす気になる服を着せ、美酒に酔わせて寝室に導いた。まわした腕の中で茫然と立ちすくむセブルスに唇を寄せると、驚いたように見開いていた目が静かに閉じられた。待っていたのかと思うと、体の芯が昂ぶった。

ワインの香りの残る唇を十分に味わい、唇を首筋へと這わせながら、きっちりととめられたボタンを一つ、また一つとはずしてゆく。そのために選んだシャツなのだ。はだけた胸元の青白い肌は、滑るようになめらかだった。脱がせたシャツが足元に落ちても、セブルスは頬をわずかに赤らめてうつむいただけで、抵抗はない。露わになった華奢な体を抱きしめて、そのままベッドに運び、横たえた。ベッドのふちに腰掛けて、残る着衣を剥ぎとっても、セブルスはされるに任せている。任せきった態度が、可愛らしくはあるが、物足りなくもある。

まるで人形のようだ。これではつまらぬ。さんざん弄んでのたうちまわらせてやると、体の上に身をかがめて近付いた、その瞬間。

「やめて!!僕に、触るな!」

突然の叫び。耳を疑う悲鳴を上げて、セブルスの形相が恐怖に歪んだ。驚いて体を起こすと、セブルスは頭を抱え、横向きに丸めた体を震わせながら、また叫んだ。

「やめろ!近づくな!あっちに行け!」

部屋の隅で調度がガタガタと揺れ始めた。魔力の暴走だ。しかし、なぜ?

「セブルス、どうしたのだ?」

驚いて尋ねながら、私は胸の奥がひどく痛むのを感じた。

私に触れるな!汚らわしい!

・・・耳の奥にかすかに響く、母上の叫び声。ベッドで休む母上にいつものように挨拶のキスをしようと体をかがめた幼い私に投げつけられた、突然の拒絶。突然の、嫌悪の爆発。

なぜ・・・?私が何をしたと?

「セブルス、突然、いったいどうしたというのだ?」

自分が傷ついていることに愕然としながら、セブルスの体に手をかけてこちらを向かせた。セブルスは頭を抱えたまま、涙をこぼし、なおも弱々しい声を上げる。

「やめて!殴らないで!お願いだから・・」

突然、あの時、訳もわからぬまま母上の部屋を出るべきではなかったのだという思いに襲われた。母上はそれきり戻ってこなかったのだから。二度と話すこともかなわず、母上は一人孤独のうちに死んでいった。

おまえは、あの男にそっくりだ!

憎々しげに私を睨んだ母上の顔。しかしあの時私は、メイドに促されるままに部屋を出るのではなく、母上の手を握り締めてやればよかったのだ。しっかりと手を握り、あなたが恨む父上に似ているかもしれないが、ボクは父上とは違う、ボクはあなたと共にいる、あなたのそばにいて守りたいのだと、言葉が届くかわからなくても言うべきだったのだ。なぜならそれは、拒絶の叫びではなく、孤独な魂が救いを求める悲鳴だったのだから。

私は母上を孤独に放置したことを、心の奥で悔いていたのだと、苦い思いがこみあげた。今この時まで、気づきもせずにきたのだが・・・。失いたくないならば、手を握り、放してはいけないのだ。

「セブルス、落ち着きなさい。」

涙にぬれた手をとって、何を見ているのかわからぬ瞳を見つめて語り続けた。

「落ち着いて、私を見るのだ、セブルス。おまえを殴る者などいない。怯えることはないのだ。」

セブルスはしゃくりあげていたが、ゆっくりと瞳に焦点が戻ってきた。覗き込む私の顔を不思議そうに見て。

「ここは、、、。僕は今何を・・?」

「落ち着いたか?どうしたのだ?何があったのか、話してみなさい。」

手を握り締めたまま尋ねると、しばらくの沈黙の後、セブルスはとぎれとぎれに話し出した。

「先輩が近付いて来た時、大きな影に覆われた気がして、そうしたら急に思い出した、、、。小さい頃、父さんが僕に掴みかかって、殴ろうとした。」

「父親に殴られたのか?」

セブルスはうなづきながら話し続けた。

「何度も。何度も、僕を殴って、、、母さんも殴って、、殴りつけて、、」

また興奮し始め、瞳が焦点を失った。

「汚らわしい!父さんなんか大嫌いだ!」

暴れ始めたセブルスの手を握る手に、力を込めた。

「セブルス、落ち着くのだ。ここに父親はいない。目をあけて私を見るのだ。」

虚ろな瞳が私を見て、焦点を結んだ。ようやく今いる場所に、戻ってきたように。

「あ、、、ごめんなさい、先輩、、」

「気にするな。幼い頃の出来事は、予想外の傷を残すものだ。」

セブルスは父親から虐待を受けていたのだ。覆いかぶさる影に、フラッシュバックが起きたのだろう。人に好まれぬ陰気さは虐待の故かもしれぬ。人になじまぬ無愛想な振る舞いも、幼い頃に身に付けた防御の術だったのか。そして、いつまでたっても大人びてこない未熟さは、まさか、、、。見たこともないその父親に憤りを感じた。

「汚らわしいと言っていたな。殴るほかにも、何かされたのか?」

「父さんは、母さんを殴りつけて、ひどいことを。馬乗りになって殴って、服を剥ぎとって、、」

そこまで言って、一糸まとわぬ自分の姿に気づいたらしく、顔を歪めて身を隠そうとした。その様が痛々しく、シーツで体を覆ってやった。

「おまえも母親と同じことをされたのか?」

静かに尋ねると、驚いたように首を横に振る。

「それはよかった。不幸中の幸いだ。」

セブルスはなんとか落ち着いたようだ。荒げていた息も鎮まった。

しかしこれでは、先に進めぬ。それはよかった、不幸中の幸いだと、さっさと抱くわけにいかぬではないか。昂ぶっていた欲望は、すっかり萎えていた。私らしくはないが、傷ついた子供をさらに傷つける気にはならなかった。完璧な夜の準備を整えて、すべて順調に進んでいたはずが、なぜこのようなことになるのか。そもそもセブルスが、母上を思い起こさせるようなバラの花など持ってきたせいで気弱になってしまったのだ。拘束術でもかけて、好きなようにすることもできたのだが。

だが、母上にすべきだったことを、セブルスにはしてやれた。私はこの傷ついた少年を、失いたくなかったのだ。幼い心が求めていたものを、与えてやりたいとさえ思う。そうすれば、極上の快楽など与えずとも、私もほしいものを手に入れられるはずだ。快楽など、あとからいくらでもついてくる。

握っていた手を放し、薄い胸に置いた。しばらくそうしていると、セブルスが問いかけるような瞳を向けてきた。

「温かいだろう?」

「はい。」

「性愛は本来、幼いおまえが目にしたような野蛮なものではない。この温もりを求めて人は抱き合うのだ。」

私は自分もシャツを脱ぎ、セブルスを怯えさせぬようゆっくりとシーツの中に滑り込んで、細い裸身を抱き寄せた。やがて、おずおずと背中にまわされて来た腕にこの上ない満足を感じ、ふと我に返るとそんな自分が腹立たしい。

私としたことが、いったい何をしているのだ?温もりを求めて人は抱き合うなどと、自分の口から出たことが信じられぬ。頭の隅に、楽しみに準備した媚薬や性具が未練がましく浮かんだ。今頃は、抑えても湧きあがる欲望にのたうつ体を、思うがままに弄んでいるはずだったのだが・・・

それでも、腕の中で強張っていた細い体が和らいでゆくのを心地よく感じるのは否めなかった。

よいだろう、セブルス。私が守ってやる。身を守る鎧を脱がせてしまったようだから。

「安心したか、セヴィ?」

腕の中でセブルスが小さくうなづいた。

「怯えることはない。私が守ってやる。おまえは私の腕の中で、その才能を存分に開花させればよいのだ。」

背中にまわされた腕に力がこもり、セブルスがいっそう身を寄せてきた。すがりつく子供のような必死さに、とんだ荷物を背負いこんだのではないかと我ながら呆れ果てた。大人の男が裸で抱き合っているというのに、これではまるで幼子をあやす揺り籠のようではないか。

しかし一方で、私にもこんな願いがあったのかもしれぬと思う。柔らかい母上の体にまとわりついて、抱きしめてもらいたい。ある日突然断ち切られ、行き場を失い魂の奥深くしまいこまれた、母を求める幼子の本能的な願い。

ベッド脇の棚に置いた母上の写真の横で、セブルスが持ってきたバラが、小さな花を咲かせていた。母上が愛し、その最期の姿を飾った花。気がつけばかすかに甘い香りが漂っていた。

あのバラのせいだ。甘やかなバラの匂いが、心の奥底に封じていた母上への思慕と悔いを呼び覚まし、異次元の時をもたらしたのだ。その結果が、、、

興奮して疲れ果てたのか、セブルスは私の胸に顔をうずめたまま、寝息を立てていた。まったく、背丈ばかり伸びて手のかかるヤツだ。顔を覆う黒髪をはらうと、いつもは無愛想で気難しい横顔が、あどけない寝顔を曝した。

私らしくないことだと苦笑し、しかしこの子のおかげで、無意識に目をそむけていた母上への想いを昇華できたのだと思うと、愛おしくもある。たまには思い通りに事が進まぬ日もあるが、それもまた悪くないと思い、眠りに落ちた。

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テーマ : 二次創作:小説 - ジャンル : 小説・文学

tag : ハリーポッター セブルス

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