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セブルスとルシウスの物語(26)

(これは『ハリーポッター』シリーズの本と映画鑑賞後の、妄想です)


洗面室のバスローブを着て外に出ると、窓を開け広げたテラスに朝食の用意がしてあった。どこか別の浴室でシャワーをすませたらしい先輩もバスローブを羽織って戻ってきた。夏の木漏れ日の下で先輩と2人、こじんまりとした丸テーブルに向かい合ってとる朝食。広いダイニングルームでの食事とはまた違う親しみを感じる。

昨日の夜と今朝のあれこれを思うと、気恥ずかしさと甘ったれた気分が交互に湧きあがって落ち着かないけれど、先輩はいつもと変わらぬ落ち着いた様子で、僕ばかりが自意識過剰のようだ。ちらちらと見ると、先輩は物を食す姿さえ優雅で美しく、育ちがよいというのはこういうことなのだと見惚れてしまう。先輩の目に僕はどう映るかなどと考え出すと、トーストをかじるのさえぎこちなくなってしまった。

朝食が終わると、屋敷妖精がテーブルの上をかたつけて、コーヒーを置いて出ていった。何度めかカップを口元に運んで、ふと先輩と目が合うと、先輩は立ち上がって僕の背後から両肩に手をかけた。その手に導かれるように、部屋に入りベッドに横たわる。

「もう怖くないな?」

問いかけにうなづくと、唇が重ねられた。バスローブの帯がほどかれ、胸元からはだけられてゆく。先輩もバスローブを脱ぎ捨てて、ゆっくりと体を重ねてきた。温かい肌の温もり。唇から耳、首筋へとなぞるように這う唇の感触。胸から腹、その下へと、手のひらや指先の繊細な刺激が、秘められた官能を一つ一つ呼び覚ましてゆく。初めて知る湧き上がるような欲望に、抑えきれぬうめきが漏れ、身をよじる。

背後から抱きかかえられ、潤滑剤でやわらげられた体にゆっくりと押し入られるかすかな痛みと愉悦にあえぐと、耳元で先輩の少しかすれた声が聞こえた。

「セヴィ、目を開けてこちらを見なさい。」

うっすらと開けた目に映る美しい横顔が、欲情にわずかに歪んでいる。腰からまわされた先輩の手が僕を握ると、もう訳もわからず体が動き出した。耳元にかかる吐息さえも僕を突き動かす。動いているのか、動かされているのか、もうわからない。

「セヴィ、名を呼べ。」

「せんぱい、、」

ルシウスと。」

ルシウス、、、ルシウスルシウス!!」

愛おしい名を何度も叫び、僕は果てた。

ぐったりと横たわる僕の横で、杖で汚れを清めてくれた先輩が、堪えの効かぬヤツだとか、危うく置き去りにされるところだったとか、聞こえよがしにぼやいていたのをみると、それはあっという間のことだったらしい。急に恥ずかしくなって下を向くと、先輩が腕枕で抱き寄せてくれた。温かい、というよりまだ熱の残る体に包まれて、さっき起きたばかりだからこのまま眠りにつけないのが残念な気がする。

ちらりと先輩の顔をのぞき見ると、目があってしまった。僕はその目にどんな姿を曝したのかと思うと恥ずかしくてたまらないけれど、魅入られたように目を逸らすこともできない。

「おまえは、私のものだ。」

先輩の声に、うなづいた。

「私だけのものだ。」

力強く抱きしめられて、僕はもう一度、大きくうなづいた。温もりも、温もりに身を委ねる勇気も、初めての快楽も、先輩が与えてくれた。

「先輩」

呼んで抱きしめると、名を呼べ、私にはルシウスという名があるのだと言われた。

ルシウス

「セヴィ」

名前を呼び合うそれだけのことがすごく嬉しくて、くすくすと笑いだすと、おかしなヤツだと呆れられた。

僕はほんとにおかしくなってしまったみたいだ。だけど、先輩、いやルシウス、僕はこうして抱かれていると、信じられないくらい幸せに感じる。僕は人に触れられるのが苦手だった。慣れないから苦手なのだと思っていたけど、ほんとは怖かったんだ。殴るか、突き放すか、人はそういうものだといつも身構えていた。ホグワーツに入学した日、何気なく肩に触れた先輩の手に、僕は緊張して体が震える思いだった。それが今、体の中にあなたを受け入れ、隙間もないほど身を寄せて、たわいもないことに笑っている。

ルシウス、僕はあなたのものだ。僕はいつもあなたの元にあり、もしあなたがその冷やかな功利主義で僕を切り捨てる日がきたとしても、、、それは思うだけで胸を裂く痛みが走るけれど、、、それでも昨日から今この時までにあなたが与えてくれたものを、僕は決して忘れない。僕に奇蹟のような癒しを与えてくれた、あなた自身気づいているかも定かでない、温もりで包むような優しさを、湧きあがる感謝の念とともに、決して忘れることはない。


その日の夜も、翌日も、そのまた翌日も、僕は何度もルシウスに抱かれた。庭の散歩をしていたかと思うと芝生に押し倒されていたり、ソファで本を読んでいたつもりが膝に乗せられていたり、部屋に入ったかと思うと壁に押し付けられて身動きもとれぬままのたうっていた。

ベッドの上ともなれば、想像もつかなかった恥ずかしいことをされたり、させられたり、体の奥からこれでもかというほどの快楽に突き上げられて、もはや愉悦なのか苦痛なのかわからぬままに叫んで、やっと解き放たれる。思うままに弄び、得られる限りの快楽をむさぼるスタイルは、日ごろのルシウスらしくも思われた。

数日が過ぎる頃には、初めてのときに、ルシウスがいかに僕の低いレベルにあわせてくれていたのかを思い知った。そして破壊的といえるほどの、性愛の持つ力も。

とにかく、それ以外のことが考えられなくて思考が停止してしまう。ちょっとした会話の中に生まれる喜びや、一瞬の仕草や表情に感じるときめき。そういった、以前ならそれだけですごくたいせつに思われたようなことが、すべて欲望への刺激に変わり、体には様々な痴態や与えられた快楽の記憶が蘇る。欲望や快楽に身を任せると、他の全てはとるに足らぬ小さなことになり果ててしまいそうな、体の交わりはそんな力を持っていると思う。

それはそれで素晴らしいことだけれど、だからこそ、初めての夜に垣間見たルシウスの泣きたくなるような優しさが、この上なく尊いものに思われる。僕が無様に曝した惨めな傷と、たぶんそれに触発されて現れた、思いがけないルシウスの優しさ。握り締めてくれた手の、欲望を介さない、心を溶かすような温もり。激しい性の快楽の前ではかき消えてしまいそうな頼りないものだけど、昂ぶりから解き放たれて体を寄せる一瞬に僕はそれを思うし、果てた後の吐息とともに僕を見るルシウスの瞳の奥にかすかな労わりが混じる。

あれ以来どちらも口にすることはないけれど、心の奥の、弱くてやわらかい大切なものが結びあった絆を、ルシウスも感じていると僕は信じている。


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テーマ : 二次創作:小説 - ジャンル : 小説・文学

tag : ハリーポッター ルシウス セブルス

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