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ルーピンの物語3

(これは『ハリーポッター』シリーズの本と映画鑑賞後の、妄想です)

2日ほど医務室で休むと、体の傷はすっかり目立たなくなった。人狼の傷の治りは早いのだ。

重い足を引きずるようにグリフィンドール塔に戻り、部屋のベッドにもぐりこむと、シリウスとジェームスがやって来た。

リーマス。すまなかった。悪気はなかったんだ。しつこいスニベルスを脅かしてやろうと思ってさ。お前がこんなことになるなんて思ってもみなかった。」

リーマス、許してやってくれよ。シリウスも反省してる。ほんとにこいつは考えなしで。」

キラキラ輝くシリウスの真剣な瞳。困ったようなジェームスの笑顔。誰も逆らえないと知っている表情だ。悪いけど僕は、いつもの気のいいリーマスにはなれなかった。僕はスネイプを食い殺すところだったのだ。

「ほんとに反省してるなら、スネイプにあやまって。」

それだけ言って、僕はベッドに潜り込んだ。軽いいたずらを、ちょっとやり過ぎた程度の気分でいる2人が、ほんとに許せなかった。悪くすれば、スネイプは死に、僕は処分され、シリウスだって殺人罪に問われるようなことだったのだ。いつも光の中心にいて、闇に落ちることなど想像すらしないこの2人が、心底うとましかったのだ。この時は。

翌朝大ホールに朝食に行くと、皆ひそひそと囁きながら、僕らとスネイプをうかがっている。スネイプは表情を消して、誰とも、スリザリンたちとさえ会話をかわさず、ただもくもくと食べていた。

「ジェームス、スリザリンのスネイプを助けたんだって?あんなに嫌ってたのに。」
意を決したように話しかけるグリフィンドール生の言葉に驚愕した。そしてジェームスとシリウスの返事にも。
「まあな。」
「ジェームスはヒーローだからさ。」

めまいを感じてうっかりフォークを落とすと、周りの視線が僕に集まるのを感じた。その瞬間・・・

だけど、ことの真実が知られたら、ここから追放されるのは僕なのだ。人を食う人狼と忌み嫌われて。
スネイプが一言もらせば、いや、考えなしのシリウスがうっかりと、あるいはシリウスをかばってジェームスが。

僕は真っ青になって震えていたようだ。隣のピーターがそっと肩に手を当てて、声をかけてくれた。
リーマス、大丈夫?具合が悪いならいっしょに医務室に行こうか?」

呼吸を整え気を取り直した時、もう僕にシリウスを責め、ジェームスをなじる勇気は消えていた。もとはといえば、僕が人狼だから起こったこと。そしてその人狼を、はじめて受け入れ友達になってくれたのがその2人なのだ。ピーターを説得して、3人でアニメ―ガスにまでなってくれた。僕に何が言えるだろう?

多少ぎくしゃくとした感じは残しながら、元通りの仲良し4人組みになった。シリウスは元気のない僕に、もっと食べろよと進めたり、ジェームスは休んでしまった分のノートを見せてくれたりする。ピーターは僕のわだかまりに気づいていたようで、何度も、シリウスは考えなしだけど根は親切だよねと励ましてくれた。

ジェームスたちも実際反省していたのか、前にも増して僕を守るようにいっしょにいて、スネイプにあやまるチャンスもない。

夜になると、毎晩スネイプの恐怖にゆがむ顔が夢に現れ、目覚めてもう一度浅い眠りにつくと、人肉を食い散らした血だらけの口元の僕がいて、離れて猟銃を構える人たちが一人一人学友の顔になり、やがてまったく眠れなくなった。

鏡を見て、我ながらやつれたと思う頃、次の満月がやってきた。
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テーマ : 二次創作:小説 - ジャンル : 小説・文学

tag : スネイプ ルーピン リーマス ハリーポッター

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