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セブルスとルシウスの物語(40)

(これは『ハリーポッター』シリーズの本と映画鑑賞後の、妄想です。


年が明けてまもなく、僕はルシウスとともにダークロードに召喚された。仲間たちの話によると、ルシウスの結婚準備で僕たちが活動から遠ざかっている間に、反対勢力の闇祓いや民間有志らしき魔法使いの数が増えて、ダークロードはいら立っているらしい。こちらが同時多発的に仕掛ける襲撃でも、数か所が反撃にあったり、ダークロード自らが率いた襲撃ですら、激しい逆襲にあって目的を達することなく逃げ帰ることもあったそうだ。

僕たちが行くと、ダークロードはまずマルフォイとブラックの婚姻は純血魔法族の結束の象徴となろうと言ってルシウスの結婚を祝い、本題に入ると苦々しい表情を見せた。

「全体として我らの優勢に変わりはないのだが、最近は反抗勢力の巻き返しも強まっている。闇祓いの数が増えたばかりでなく、こちらの襲撃計画の情報を掴んでいるのではないかと思われる動きもあるのだ。待ち伏せしていたように反撃されることが何度かあった。」

「我が君、それでは誰かが情報を漏らしているということでしょうか?」

「その可能性もある。だが余を欺こうとする者などおらぬだろう。意図的というより、敵に欺かれて知らぬ間に漏らしたり、不用意に酒場などで話すのを盗み聞きされたりしている者があるのではないかと睨んでいる。そしてそのような断片的な情報から我らの計画を洞察できる者が動いているということだ。」

「ではダンブルドアがスパイを放ってこちらの情報を得ていると考えているのですね?」

「その通りだ、ルシウス。余はそう考えている。レギュラスからも最近ダンブルドアは頻繁にホグワーツから姿を消すと報告が入っているから間違いないであろう。それで今日はセブルスを伴ってもらったのだ。」

ダークロードが僕に視線を向けた。

「我が君、私は何をすればよいのでしょうか?」

セブルス、真実薬を調合せよ。捕えた敵は拷問してもなかなか口を割らぬし、スパイやスパイに情報を流していると目される者を調べようにも、襲撃すればいちいち反撃されて、手間取ってならぬ。密かに捕えて真実薬を使えば、手っ取り早く片がつく。」

「我が君、真実薬の調合は喜んでいたします。しかし申し上げにくいのですが」

「時間がかかると言うのであろう?たしか数か月かかると学んだ覚えがある。余も魔法薬学は得意だったのだ。だがセブルス、余はそんなには待てぬぞ。何かよい手は考えられぬか?」

「ひと月半ほどあればきちんとした真実薬がつくれます。やってみたことがないのでたしかとは言えませんが、精度の劣るものであれば3週間ほどでできるのではないかと思います。」

「それは素晴らしい。精度など多少落ちても早いに越したことはない。なぜそのようなことができるのだ?」

「数か月というのは、必要な植物の1つが適切な条件で育つのに時間がかかるからなのですが、幸いすでにそれはある程度育てております。他の材料も、乾燥させたり発酵させたりと時間のかかる物があるのですが、促成魔法や強化剤を使うことで短縮できるでしょう。さらに、煮込んでは冷やしたり漉したりを繰り返す過程を、鍋の火力の調整や冷却法の工夫で縮められます。ただ、それらにより精度が落ちてしまうのではないかと思うのですが。」

「そのような方法があるとは。書物でも読んだことがないが、自分で研究したのか、セブルス?」

「はい。」

「さすが余が見込んだだけのことはある。最近はいら立つことばかりだったが、久しぶりに気分のよいことよ。説明も過不足なくわかりやすかったぞ。セブルスは魔法薬学の教授にもなれそうだな。そう思わぬか、ルシウス?」

「我が君、セブルスは優秀な上に研究熱心なのです。あれこれと雑事に追われる中でも努力を怠らぬから、いざという時に力を発揮できるのです。」

ダークロードはルシウスの言葉にうなづいて、機嫌良さそうに僕を見た。

「セブルス、おまえは実に役に立つ者だ。闇の魔術もすぐれていたな。この任務のために襲撃にあまり出られぬのは歯がゆいであろう。かわりに、余が幹部に自ら闇の魔術を教える集まりに加わることを許可する。どうだ?」

「ありがとうございます、我が君。光栄に存じます。」

「当面は真実薬の調合が最優先だが、そちらに支障がなければルシウスとともに次の集まりに来るがよい。その場で重要な秘密工作を遂行している者たちと顔をあわせ、そちらへの支援もできるであろう。影であれこれと企むダンブルドアにくわえて、魔法省ではクラウチが次期大臣を狙って我らへの締め付けを強めている。そのせいで、魔法省内部に潜入させた陣営の者も身動きが取りづらくなり、こちらに従わせていた者たちが寝返っている気配があるのだ。確かめ従わせるのに、変身薬や幻覚薬が役に立つであろう。セブルスは彼らと話し、そちらも抜かりなく対応せよ。」

「かしこまりました。」

「ルシウスも目を配ってやってくれ。」

「わかりました。我が君、お任せください。」

ダークロードの元を辞すと、ルシウスは僕の肩を抱き、嬉しそうに言う。

「さすが私のセヴィだ。ダークロードからもずいぶんと期待されているようではないか。私も鼻が高い。おまえの年で幹部会に招かれるとは。招かれている者は皆、私よりも年上の者ばかりなのだぞ。」

「僕は魔法薬をつくるだけだから。」

僕はもちろんダークロードに期待されるのも嬉しいけど、ほんとはルシウスにこんなふうに喜んでもらえることのほうがずっと嬉しい。

「だけど、一緒に襲撃に行けなくなりそうだ。」

「襲撃など加わらなくともよい。襲撃しては反撃されるのを繰り返し、次から次へと標的が現れるモグラたたきのような襲撃など、他の血気盛んな者に任せておけばよいのだ。おまえだって暴れるだけの襲撃など、さほど好んではいなかったではないか。それに最近はこちらでも怪我人が多いようだ。クラウチの後押しもあって闇祓い局のムーディなどはクルーシオやアヴァダを使いまくるし、新しく加わった闇祓いや民間の者たちもなかなか手ごわいらしい。ダークロードの攻撃さえかわしたことがあるというのだからな。そんな危険な襲撃など、おまえが行くことはない。」

「でもあなたが行くのなら、僕も一緒に行って闘いたい。そんな危険な襲撃に、、」

「おまえは私のことが心配なのか?可愛いことを言うものだ。おまえが心配だというなら、私も襲撃は控えておくことにしよう。ダークロードに言えば、どうにでもできるのだ。そんなことより、ダークロードの闇の魔術の指導を受けられるのは嬉しいだろう?」

「うん。わくわくする。どんな人たちが来るの?」

「いつも同じというわけではないが、魔法省のヤクスリーとか、大陸魔法界との繋ぎ役のイゴール・カルカロフとか、ああ、もちろんベラトリックスとレストレンジ兄弟も来ている。」

「ベラトリックス以外は、知らない人ばかりだ。」

「レストレンジ兄弟は顔を見ればわかるだろう。ヤクスリーもイゴールもそれなりに知恵の働く者たちだ。」


それから僕は真実薬の調合に没頭した。きちんとした製法のものと、促成のものを並行してつくりながら、もっと量を求められる場合に備えて材料植物の栽培も始めた。繊細な魔法薬をつくるには原料の出来も大事だから、植物の栽培も気が抜けない。もちろん、重要な魔法薬をつくる時は解毒剤も調合することにしている。今回は精度の低い真実薬にあわせた解毒剤の工夫も必要だ。

調合のスケジュールを調整して幹部の集まりに出ると、おしえられた術の鍛錬もしたくなるし、新顔だということで付き合いも生じて、なんだかすごく忙しくなった。その最中にナルシッサに買い物に誘われたりすると発狂しそうになるけれど、ナルシッサを大切にすることはもはや僕の中で学校の規則に等しいものになっていたから、できるだけ迷惑な素振りをあらわさぬように付き従う。早く切り上げる要領も得てきた。要するに、ナルシッサが気に入ったらしい物を、それはよいと心から思っているように賛同してやればいいのだ。

完成した真実薬をダークロードに渡すと、それが具体的にどう使われたのかは知らないけど、後日出来を褒められて、足りなくなりそうだから同じくらいの量をまた作るよう命じられた。備えて準備はしていたから、すぐに取り掛かる。そんなふうに多忙を極めるうちに、ホグワーツの外出日になり、ホグズミードでレギュラスに会った。

まずは最近のナルシッサの様子を話してやるとレギュラスはほっとした顔をし、僕の新しい任務や幹部の集まりの話をすると、すごいなと感心したように聞いていた。ダンブルドアに関するレギュラスからの情報についてダークロードが言及していたと伝えてやると、少し誇らしげな顔をして、それからふとうつむいて黙りこんだ。それを見て心配になって尋ねてみる。

「ダンブルドアの情勢を知るのは重要なことのようだ。ダークロードもおまえの情報を評価していたんだぞ。どうしたんだ、浮かない顔をして。レギュラス、何かあったのか?」

「・・・実は最近ハッフルパフの女の子の家族が行方不明になって、少しして遺体で見つかったらしい。数日後に学校に出てきたら、その子すごくやつれて可哀そうだった。それがデスイーターのしたことじゃないかって言う人がいる。」

「それなら、、、きっと、その人は純血主義の動きに反抗したんじゃないか?」

「うん、そうかもしれない。だけどその後、その子が泣いてるとこを何度も見かけてね、ボクふと思っちゃったんだ。こんな方法しかないのかなって。あんな、、まだ2年生の女の子なんだよ、、あんな小さな子を泣かせるような方法しかないんだろうか?ボクも襲撃の時は誇りを持って闘ったけど、ホグワーツであの頃のことを振返ると、闇陣営の力を示すのに、あそこまで痛めつけなくてもいいんじゃないかなんて思えた。もしかしたら襲撃で亡くなった人もいるかもしれないし、その人にもあの子みたいに悲しむ家族がいたのかもしれないって思ったら、なんかよくわからなくなっちゃったんだ。」

「襲撃のことなら僕も、勝負がついた後までも倒れた敵をいたぶるのを見るのはちょっと嫌な気がした。」

「セブルスもそう思ってたんだね。ボクは襲撃の時は必死で、そんなこと考える余裕はなかったけど。」

「だけどレギュラス、こんなこと他の人に言ったらいけない。ダークロードに知られたらすごく怒られる。裏切り者だと見なされかねない。」

「そうだよね。もちろんセブルスにしか言わないよ。それに、ダークロードが優れた方なのは違いないし、純血主義は正しい道だもの。ただ他に方法があればと思って。」

「僕もルシウスももう襲撃に出ていないから最近の様子はよくわからないんだけど。でも逆襲されて、こちらにもずいぶんと怪我人が出ているらしい。ルシウスは襲撃なんてあまり効果的じゃないようなことを言っていたし、ダークロードが僕に真実薬の調合を命じたのは、他の方法も考えてるってことじゃないかな、、僕にはよくわからないけど。」

「そうだね。ダークロードが全権を掌握して純血主義の社会になれば、こんなこと考える必要もなくなるんだよね。純血支配の正しい世を実現するために、力を示して反抗を抑えようとしているんだもの。早く実現すれば、闘いも命を落とす人もなくなるってことだ。」

ようやくレギュラスの顔が明るくなった。それから少し照れたような笑顔を浮かべて。

「セブルス、実はボクもダークロードから重要な任務を命じられたんだ。密命だから言っちゃいけないんだけど、栄誉と信頼に値する者だけに命ずることだって言われた。」

「どんな任務だ?危険はないのか?おまえ一人で大丈夫なのか?」

「心配性だな、セブルス。まるでマルフォイ先輩がセブルスのこと心配する時みたいだよ。それなら愛されてて嬉しいけど。どんな任務かは言えない。だって密命だもの。でも危ないことじゃないし、上手くいって褒められたら話しちゃうかも。」

「なんだよ、もったいぶって。尊きブラック家の御曹司だけに与えられる安全で名誉ある密命ってことか?」

「まあね、そんなとこ。」

明るくなったレギュラスにほっとして、追及はしないでおくことにした。それからレギュラスは、くれぐれもシシー姉様を大事にしてねと言い、僕は今やナルシッサの忠実なるしもべで、涙ぐましい献身を見せてやりたいくらいだと言い返してレギュラスと別れた。

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テーマ : 二次創作:小説 - ジャンル : 小説・文学

tag : ハリーポッター セブルス ダークロード レギュラス

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