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(過去2)リーマスの物語6

(これは『ハリーポッター』シリーズの本と映画鑑賞後の妄想です)


それでも、2年生から3年生にかけては、わりと穏やかに過ぎたと思う。なんて思うのは後になってからのことで、その時々は、ただ夢中で毎日が過ぎていったんだけど。

ジェームスシリウス、ピーターという友達を得て、4人で一緒に遊んだり冒険したり、たまには叱られたり勉強もして、僕には手が届かないと思っていた普通の生徒みたいな学園生活を存分に楽しむことができた。この友達たちのおかげで、変身の前後もずっとらくな気持でいられたし、彼らといたからこそ、他の生徒たちから疑いの目を向けられずにいられたと思う。

彼らの、というより僕らの、スネイプへの嫌がらせだけは葛藤を感じずにはいられなかったけど、2年が終わり3年になる頃には、それも和らいでいった。

一つには、ジェームスたちに対して、僕は誰かを個人的に攻撃するのに加わりたくないと言うことができたからだ。自分の意思を表明するという、そんな勇気を持てたのも、彼らの友情の支えあってこそなんだけど。そう宣言したのだからと、あまり友達を偽る罪悪感を感じずに陰でスネイプを助けられるようになったし、嫌がらせにしても、せいぜい見張り役か準備の手伝いに付き合う程度ですむようになった。

それにスネイプも、スリザリンの上級生に囲まれてなんだか和気あいあいとしてるように見えることもあった。その上級生たちの中心にいたのは、ルシウス・マルフォイだ。大金持ちの純血貴族で、上品な面立ちに高級な身なり、学業も優秀らしく、グリフィンドールでさえ一目を置かずにいられないスリザリンのプリンスだ。

そんなスネイプを見るのがなんとなく悔しくて、吸血鬼のくせにとか自分を棚に上げて心の中でバカなことをつぶやいてみたりすることもあったけど、嫌がらせで酷い目にあってるのを見るよりずっとましなのは確かだ。大物の上級生がにらみをきかせていたせいで、ジェームスたちも目立つ嫌がらせがしにくいようだった。みんなが笑えて先生に怒られるというほんとの意味でのいたずらや、寮対抗のライバル意識を映すスリザリンとの仕掛け合いに熱中することが多くて、そういうのには僕も喜んで加わった。

そしてたまの嫌がらせでスネイプが身動きとれなくなれば、僕がなんとか助け出す。人目につかない嫌がらせだから、人目につかないように助けるのもやりやすかったといえる。スネイプだってやられているばかりではなくて、ジェームスシリウスがたんこぶ作って悔しがってることもあったし。

そんなのどかともいえる雰囲気が変わってきたと感じたのは、4年生になってからだ。それはスネイプに関わることばかりじゃなくて、いろんなことが変わりつつあると感じられた。まとめてしまえば、僕たちみんな、子供から大人に変わってゆく時期を迎えたってことかもしれない。それは楽しさも悲しみも、好意も悪意も、すべてが過剰に揺れ動く、危ういエネルギーをはらんでいる。

「あいつら、発情してんだよ。」

シリウスが言うように、同級生たちの中に、ちらほらとカップルが目につくようになった。14歳という年齢は複雑だ。体に変化が起こり、たいていは異性への興味が芽生える。自分の変化に戸惑うこともあれば、周りとの差が気になったり、感情面も不安定になる。自意識が強くなって、異性を含めた周囲からどう見られているかを過度に気にして、自信過剰になったり自己嫌悪に陥ったりするし。僕はなんとなく危うさを感じて不安だったけど、ますます自信を深め絶好調になる人たちもいた。

シリウスは4年生になってぐんぐん背が伸びて、もともとブラック家らしい美形だし、血筋もいいうえに、長身が加わりモテモテだ。身近で見てるとガサツだったりするんだけど、一般的には男らしくてワイルドという好評価になるらしい。ジェームスはクィディッチのヒーローで、こちらももともと人気はあったけど、魔女たちの憧れの視線がくわわって、本人も得意げだ。

ある日叫びの屋敷の秘密基地で、シリウスがもらったラブレターを、それも何通も、見せびらかした。

「我らがシリウス君は、ホグワーツきっての人気者だと自慢したいようだな。見せろよ。」

ジェームスが一通を取りあげて、声高に読み始めた。

「シリウスさま、ハァート、前からとっても憧れています。今度の外出日に、、おー、デートの誘いだぞ。」

「やめろよ、ジェームス!おまえだってなんかもらってただろ?」

「続き、見せて!」

手紙を取り合って4人でひとしきり騒ぎ転げた後。

「シリウスの場合はモテ過ぎて一人に決められないってのが問題だな、モテないと悩む多くの男子たちを尻目に。」

「俺はさぁ、まあ選びたい放題なわけだけど、特にピンとくるのもいねえし。女なんてめんどくさいだけだろ?」

「言ってくれたな、シリウス君。だけど知ってるぞ、おまえの本命は・・」

「誰、どの子?」

リーマスだろ?」

「わぁ~~、リーマスゥ!」

「やめてよ、冗談は。」

リーマス、愛してるぜ!」

シリウスがふざけて僕に抱きついてきて、またしっちゃかめっちゃかの大騒ぎになった。笑い疲れてようやく落ち着くと。

「でもさ、密かにリーマスが好きって子もいるだろうね。やさしいし、落ち着いてるって好感度高いだろう?。」

「そんなことないよ、僕なんて。」

「そんなことあるよ。だけど、大事なのは、どれだけモテるかより、誰にモテるか、誰が好きかってことだと思う。」

「まあ、モテるヤツ限定の悩みだけどな、ジェームス。」

シリウスが茶化して矛先が変わってくれるかと思ったんだけど。

「シリウスの気持ちはわかったけど。」

「うるせー。」

「それでリーマスはどうなんだ?ほんとのところ、気になる子とかいないの?誰かいるんだろ?」

「そんな人、いないよ。」

「いるだろ、誰か。話したいとか、気になってしょうがないとか。」

「守ってあげたいっつーのもあるぜ。」

「他のオトコといるとむかつくってのもあるな。」

「可愛い笑顔が忘れられないとか。」

「いないよ、知らないよ、僕のことなんかほっといてよ。」

言いながら頬が熱くなってきた。まずい、だって。

「あ、リーマス、赤くなってる!」

ピーターが目ざとく言った。

ほんとにまずいと思う。だって。

話したくて、気になってしょうがなくて、守りたくて、他のオトコといるのを見ておもしろくなくて、可愛い笑顔が忘れられない相手って、、、、

スネイプじゃないか。

「リーマス、恋してるんだ。初恋だねー。」

「残念だな、シリウス、さっそく失恋して。僕が慰めてやるから、まあ気を落とすなよ。」

言いたい放題の3人から寄ってたかって冷やかされたりからかわれたりしながら、心の中で、そんなのほんとにいやだ、まずいよと思ってた。僕は普通がいいのに、普通になりたいのに。僕は男のスネイプに恋なんてしたくない。そんな初恋、、、最悪だ。

だけど、最悪なのに、なんか嬉しくなったりするから困る。

夜、寮のベッドの中で、浮かんでくるスネイプの笑顔や仏頂面に、にやけてはそれを振り払い、絶対恋なんかじゃないぞと心に宣言し、ジェームスやシリウスがスネイプにこだわり過ぎるからこんなことになるんだと恨めしく思い、でも気がつくとまたスネイプの笑顔を思い出して頬が緩んだりしているうちに寝てしまった。

翌朝早く、目が覚めて夢精に気づき、ため息をついた。ため息をついて頭を抱え、それでも浮かぶスネイプの笑顔に、受け入れるしかないんだと思う。どうやら僕は、スネイプに恋してしまったようだ。


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テーマ : 二次創作:小説 - ジャンル : 小説・文学

tag : ハリーポッター リーマス ジェームス シリウス

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