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ルーピンの物語5

(これは『ハリーポッター』シリーズの本と映画鑑賞後の、妄想です)

『暴れ柳事件』は結局、何者かに襲われたスネイプを、ジェームスが命をかけて救ったという話になって終わった。

その後ジェームス、シリウスの2人とスネイプの仲が改善してくれることを願ったけれど、そんなことにはならなかった。2人はつきまとうスネイプを懲らしめたくらいに、本気で思っているようだし、スネイプは2人に殺されかけたと思っているのだから、改善するはずなかった。

2人がスネイプに『いたずら』を仕掛けるたびに、僕は前よりもっと、いたたまれない気持ちだった。2人にやられたときに、スネイプが一言、2人の仲間は人狼だと言ったら、生徒たちの一部は、いや大半が彼らを見る目は変わるだろう。ホグワーツに来る前、僕をかばってくれた人たちが、まるごと排斥されたように。

だけどスネイプは何も言わない。そのつもりかどうかは別として、僕を守っていてくれる。そして僕は、、、目を伏せるばかりだ。

数か月後のOWL試験の後、ひどいことが起こった。

ジェームスたちが、答えあわせに熱中して油断していたスネイプの杖を飛ばし、踝を空中につり上げて、おおぜいの生徒たちの面前で辱めたのだ。スネイプは抵抗もできず空中に逆さ吊りにされ、てローブの裾が堕ち、洗いざらして古びた下着が露わになった。ジェームスが「パンツも下ろそうか~?スニベルス」と言って杖を向け、集まってきた生徒たちは笑いながらどよめいた。

僕はスネイプを見ていられなかった。スネイプは僕に気づいているだろうか?グリフィンドールの監督生として、止めなきゃいけない。罰を与える権限だってあたえられているんだ。立ち上がって、立ち上がって。スネイプを守らなきゃ。だけど、どうしても立ち上がれなかった。

そのとき、リリー・エバンズが走り出て、ジェームスの杖を飛ばした。

「恥を知りなさい、ジェームス・ポッター!」

その時。

「引っこんでろ!お前みたいな『穢れた血』にかばってもらいたくなんてない!」

スネイプの叫びに、リリーは顔を歪めて走り去っていく。

ことの成行きに静まり返る生徒たち。シリウスが杖をひと振りしてスネイプを地面に落とし、みんな引き上げて行った。

振り返ると、数人のスリザリン生に助け起こされながら、スネイプがうつろな目でこちらを見ていた。たぶん、リリーの姿を追っていたのだろう。1年生のころ、よく手をつないで歩いていた、小さな赤毛の女の子と黒髪の男の子の姿が浮かんだ。たぶんスネイプは、怒りと屈辱で、一瞬我を忘れたんだと思う。

夜、一人ベッドで鬱々と考える。どうしてあんなひどいことができるんだろう?残酷なジェームスもシリウスも嫌いだ。2人に媚びてスネイプの悪口を言いたてるピーターも嫌いだ。面白がって見ていた生徒たちも。

だけど、一番嫌いなのは、弱い僕自身だ。止めるべきだった。監督生としても、スネイプの友達、そうだ、友達としても。もし僕が止めていれば、リリーが出る必要はなかったし、スネイプも逆上してリリーに暴言を吐くこともなかった。

今日の僕は、叫びの屋敷で見せた醜い獣の姿より、もっと醜かった。醜くて臆病な卑怯者だった。だけど僕はどうしても、この、初めてできた友達から離れることはできない。一人ぼっちの、人狼のリーマスに戻りたくない。

数ヶ月前の満月の翌朝、スネイプが癒してくれた傷の場所をなでてみた。スネイプは獣に変わる僕を許してくれたけれど、今日の、この卑怯な僕を許してくれることはないだろう。僕自身が許せないのだから。
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テーマ : 二次創作:小説 - ジャンル : 小説・文学

tag : スネイプ リリー ルーピン ハリーポッター

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(これは『ハリーポッター』シリーズの本と映画鑑賞後の、妄想です)『暴れ柳事件』は結局、何者かに襲われたスネイプを、ジェームスが命をかけて救ったという話になって終わった。...
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