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(過去2)リーマスの物語16

(これは『ハリーポッター』シリーズの本と映画鑑賞後の妄想です)

7年の新学期が始まってホグワーツに戻ると、思いがけないものを見た。スネイプが明るくなっていたのだ。初めて見た時は思わず目を疑って、まじまじと見入ってしまった。6年の時は生気を失っていた黒い目が輝き、心なし足取りも軽そうに見える。スネイプの歩く姿は、張り詰めた感じか、とぼとぼした感じのいずれかであることが多かったから、スネイプ基準でいえばスキップしてると言ってもいいんじゃないか。スキップするスネイプ、とか思ったら、つい笑ってしまった。

明るいと言ってもスネイプだから、ジェームスたちみたいに人を引きつけ、みんなを笑わせるような明るさはない。けれど、一人幸せをかみしめる様な、ほのぼのとした気配をにじませていて、見ている僕まで幸せな気分になった。

とはいえ、それもしばらく続けば、なぜ?という疑問がわくのは拭えない。よく見ればローブも体にあった新しい物になっているから、夏休みの間に何かあったんだと思うけど。エバンスと仲直りできたんだろうか。あいかわらず彼女が嫌がっていたデスイーター予備軍の生徒たちと一緒にいて、話しながら笑っていることもある。そうだ。スネイプが笑っている。

笑うスネイプ・・・微笑ましいけど、不気味でもある。待ち焦がれた笑顔ではあるけど、彼らと一緒に笑いあうのを見るのは複雑な気持ちだ。などと思いながら眺めていると、ふと、僕と同じように、スネイプを見ているエバンスに気がついた。その表情は、怒っているようにも悲しげにも見える。僕は近付いて話しかけてみた。

リリー、スネイプと仲直りしたの?」

エバンスは顔をしかめて首を振り、もう一度仲間といるスネイプに視線を走らせ、小さくため息をついた。

「私、夏休みの間にセブときちんと話せないかと思って、2人でよく会っていた近所の公園に何度か行ってみたの。ホグワーツから離れて、悪い仲間やポッターたちのいない所で落ち着いて話したいと思ったのよ。でも、会えなかった。」

「君たち、近くに住んでるんだ?」

「ええ。マグルの町で、ホグワーツに来る前から友達だった。私にとって、初めて会った魔法使い。セブに会って、自分が魔女だってわかったのよ。それで、セブの家まで行ってみたけど、会えなかった。お母さんにきいたら、セブは友達の家に泊まっていてうちにいないって言われたの。」

「友達って、、、スネイプにそんな親しい友達いたの?君以外にってことだけど。」

「ルシウス・マルフォイですって。」

「マルフォイって、あのスリザリンのプリンス?僕たちより何年も上だったよね。」

「そう。純血主義の貴族よ。とっくに卒業してるのに、どういうことかと思って新学期が始まってからスリザリン寮に行ってセブを呼んでもらおうとしたんだけど・・・。」

「話せなかったの?」

エバンスが顔を歪めて首を振り、、、なんだか泣きそうに見える。

「スリザリンの女の子にセブを呼ぶように頼んだら、マグルなんて近づくなって言われた。」

「ひどいな。でも君はそんなことで挫ける人じゃない。」

「もちろんよ。だけど、言い返してるうちに何人か集まって来て、セブはマルフォイに可愛がられているんだとか、だからそんなセブにマグルなんかが近付いたらマルフォイが怒るとか、いろいろ言い始めて。」

エバンスはまたため息をついて話し続けた。

「なんでも、キングスクロスの駅にマルフォイがセブを見送りにきていたそうなの。それが恋人みたいな雰囲気だったとかで、、とにかく仲間内でそんな噂話をはじめて、、、私が驚いているうちに、扉を閉められちゃった。」

それは、僕も驚くと思う。

「マルフォイとスネイプが、、、恋人?」

「知らないわ。でもマルフォイは純血主義の貴族よ。デスイーターとつながってるって話しもきいた。そんな人と、、、恋人だなんて・・・。」

「だけど、、、やっぱりスネイプは君と仲直りしたいと思ってると思うよ。」

「どうかしら?あんなふうに浮かれて、悪い仲間と楽しそうにしてるし。ほんとにセブはこのままデスイーターになってしまうのかしら。」

悲しそうに首を横に振り、もう一度大きなため息をついて、エバンスは離れていった。

僕は思いがけない話しの展開にあっけにとられてしまい、それからルシウス・マルフォイの記憶をたどってみた。ホグワーツに入学した頃、人狼の正体を隠して怯えていた僕に、周りはみんな明るく輝いて見えたけど、中でもひときわ目立つ人たちがいた。同じ寮のジェームスシリウスもそうだったけど、ルシウス・マルフォイはまた違う種類の特別なオーラを放っていた。学年が上で大人に見えたせいもあるんだろうけど、近付くことさえなかった僕でも目を奪われてしまうような、整った顔立ちと優雅で冷たい隙のない雰囲気が印象的で。あとで純血貴族の大金持ちの御曹司で、スリザリンのプリンスと言われているときいて納得がいったものだ。

だけどそんなマルフォイと、こういっては悪いけど、みすぼらしくて暗いスネイプが、何をどうしたら恋人だなんて話しになるんだろう。そこまで考えて、最近の、ピカピカのローブを着て明るくなったスネイプを思い出した。そしてゴージャスなマルフォイと、その影に身を寄せるように並ぶスネイプを思い描くと、、、それは意外に似合いの2人であるようにも思えた。

胸に感じた痛みは、スネイプに明るい笑顔を与えたマルフォイへの嫉妬なのか、スネイプが遠くに行ってしまったように思えて寂しかったのか、あるいは華やかな居場所を見つけたスネイプへの嫉妬なのか、わからない。エバンスのため息がうつったように、僕も大きなため息をついた。

それから2、3か月が過ぎて、また目を疑う景色を見た。リリージェームスが、親しげに話していたのだ。これは不思議に思う間もなく、ジェームスが嬉しそうに仲間たちに打ち明けてくれた。

「去年の終わりに、僕、ちょっと調子に乗り過ぎてたかなって話しただろ?そう、リーマスもそう感じてたって言ったよね。あれから反省したんだ。夏休みの間にいろいろ考えたら、エバンスに言われた通り、傲慢になってたとこもあると思った。だからエバンスにきちんと謝ったんだ。今までの態度を反省している、傲慢になってたと思う、不快な思いをさせて悪かったって。」

「しおらしいな、ジェームス。姫は許してくれたわけ?」

あいかわらず茶化すシリウスを笑ってなだめ。

「正直言って、最初は疑わしそうな目で見てたよ。だから、もう、巨大イカのほうがましだなんて君に言われないように努力するって言ったら、エバンスが噴き出してね。一緒に笑って打ち解けてくれた。僕がほんとに反省したのか、きちんと見てるからねって言われて、まあ、その後、涙ぐましい努力が認められたってわけさ。」

ジェームスの念願かなって、ホグワーツきっての人気者カップルが誕生ってことか?めでたしめでたし。」

「それはまだだけど。とにかく、リリーは間違いを犯しても、きちんと反省して努力すれば、認めてくれる寛容な心の持ち主なんだ。」

リリーだって。」

リリーも今は、ジェームスって呼んでくれる。」

「前はポッター!って怒鳴られてばっかだったけどな。」

「勝手に言ってろ、シリウス。僕はもうリリーに怒鳴られるようなことはしない。真剣に彼女のことが好きなんだ。彼女に相応しい魔法使いになる。そして今度のクィディッチの試合で勝ったら、交際を申し込むつもりだ。」

ジェームスは、少し照れながらも、はっきりと言いきった。真剣なまなざしは、1年生の終わりに、僕が人狼だとわかったけど、それでも友達だと言ってくれた時の、力強いまっすぐな瞳を彷彿とさせて、、、。かなわないと思う。ジェームスには、スネイプのことや暴れ柳事件で複雑な思いがあったけれど、やっぱり大好きな、素晴らしい友達だと思わずにいられない。そして、スネイプもこんなふうに、リリーに対して素直に謝り、心の内をはっきりと告げられる性格ならよかったのにと少し哀しくもあった。

ジェームスの真摯な態度に感銘を受けたのは僕だけじゃなかったようで。

「よし、ジェームス、よく言った。俺も応援するぞ。クィディッチの試合、絶対決めてやっから。」

シリウスも熱くなっている。

「それはありがたいけど、シリウス、頼むからリリーの前ではバカやるなよ。僕まで同じと思われるから。」

「あれ、今の発言、傲慢じゃね?」

みんな一斉に噴き出して、しばらく笑い転げた。

しばらく後に行われたクィディッチの試合で、グリフィンドールはみごと勝利をおさめた。ジェームスは大活躍し、だけど今まで見られがちだったスタンドプレーは影を潜め、キャプテンとしてチームをうまくまとめていた。大きな声援に応えて、いつも通り空高く箒で一周した後で、チームの皆を一人ひとり称え、最後は全員で観客の応援に感謝をあらわして退場していく様は、かっこつけたヒーロー気取りより、ずっと立派だった。

そしてジェームスは宣言通り、リリーにデートを申し込み、受け入れてもらえたらしい。2人は親しさを増してゆき、やがて僕たち4人に、リリーが加わることもあるようになった。ジェームスのリリーに対する献身ぶりは見ていて微笑ましかったし、2人は似合いのカップルだと思ったけど、僕はリリーに、スネイプのことはどう決着つけるのか、ききたい気もした。楽しそうな2人を見ていると、口には出せなかったけど。

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テーマ : 二次創作:小説 - ジャンル : 小説・文学

tag : ハリーポッター スネイプ リリー ジェームス リーマス シリウス

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