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魔法薬学教授

(これは『ハリーポッター』シリーズの本と映画鑑賞後の、妄想です)


年が明けると、年度途中で退任するというホラス・スラグホーンの後任として、魔法薬学を教えるようダンブルドアに命じられた。スリザリン寮監も兼任だ。

「子供たちの家族のことにも気配りがが必要じゃの、セブルス?」

ダンブルドアは、魔法界での信任厚いホグワーツ校長として、生徒を探れなどと明言はしない。しかしその問いかけの意味は、陰の任務として、元デスイーターの子供の多くがいるスリザリンで、闇陣営サイドの様子を探ること、そして将来的に予想されるダークロードの復活時には私がスパイとして闇陣営をスパイできるよう彼らの信頼を得ておけということだ。

大半は知能も学習意欲も低い子供たちを相手に魔法薬の真髄を教えるなど時間の無駄に過ぎないと思うが、私にほかに選択肢はない。ダンブルドアの命に従うまでだ。

スリザリン寮監の業務は、予想外に手がかかった。夢遊病の症状を現す生徒がたびたびあらわれる。親が死んだ、逮捕されてアズカバンにいる、それで母が病気に伏せた、あるいは人殺しの子供と非難されたなど、病を生むストレスには事欠かない現状なのだ。

愛するリリーを死に至らしめた絶望感を味わった私は、彼らの感じる喪失感、罪悪感に思いを馳せずにはいられなかった。私と違い、彼らには罪もないというのに。しかし私には生徒たちをやさしく慰めるなどという能力は備わっていない。できることは、夜の見回りをして、見つけた生徒をマダム・ポンフリーのもとに届けるくらいだ。せめてスリザリン生としての誇りを持たせてやりたい。そうして夜回りをしていると、グリフィンドールのいたずら坊主たちに徘徊する大蝙蝠だなどと悪口を言われる。

まったく、私に「学校の先生をやれ」など、ダンブルドアはよく考えついたものだ。私に子供の相手ができると思ったわけでもないだろうに。

そして明け方近くなってベッドに横たわると、心の中のリリーに詫び、今日の出来事を一言加えて眠りに着く。変わり映えなく、有意義とも思えないが、これが私の生活だ。

年度の終わった夏休み。ホグワーツからの外出が許可され、私はマルフォイ邸に向かった。ダンブルドアにも、ルシウスと交友を続け、動向を把握しておくことは重要だと言われている。

あとから思えば、この頃の任務は、私の希望と妙に合致していて、後に感じたような内部の葛藤のないものだった。ただ、任務があるということを言わないでおくだけで。マルフォイ邸に行くのは任務ではあるが私も生きたかったのだし、スリザリン生のめんどうをみるのも任務ではあるがそうしたい思いがあったのだから。

数か月ぶりのマルフォイ邸はかわりなく美しく、ルシウスの温かさも、ナルシッサの歓迎ぶりもあいかわらずだった。ドラコは2歳になって、言葉を発したり、走り回ったり、かと思うと突然眠りこんだりしている。闇陣営の凋落も、マルフォイ家に影響を与えることはなかったようだ。

尽きぬ話を語り明かすと称して、ルシウスと2人、部屋にこもった。言葉もない抱擁。胸に伝わる互いの心音を確かめ合うような。裏切ったのか、とも、なぜダンブルドアが私を助けたのか、とも尋ねられることはなかった。

「リリー、ここが僕の安らぎなんだ。安らぐなど許される身ではないけれど。身を捨てて君の息子を守る、その時が来るまでしばらくは。」
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テーマ : 二次創作:小説 - ジャンル : 小説・文学

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