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スネイプとポッターと賢者の石(1)

(これは『ハリーポッター』の本と映画鑑賞後の、妄想です)



待ちに待った、と言ってよいだろう。この日のために、ホグワーツで学習意欲もない生徒たちに魔法薬学を教え、くだらないいたずらを叱り飛ばし、私のことを内心デスイーターと疑う教授たちとあいさつを交わすという日々に耐えてきたのだ。この日。命をかけて守るべきリリーの息子がホグワーツに来る。私の生きる理由が。

新入生たちが大ホールに入ってくると、私を見つけて手を振ってくるドラコに軽く笑みを送り、リリーの息子を探した。

しかし。

探すまでもなく私の目を捉えたのは、あの、二度と目にしたくない、ポッターの姿だった。私の入学式の日に、ホグワーツ特急の中で突然絡んできた憎らしい少年。なぜジェームス・ポッターがここにいるのだ?

少しでもリリーの面影をと食い入るように眺めたが、小生意気な顔も、くしゃくしゃの髪も、あのポッターそのものだ。悪夢と化したホグワーツの学生時代が走馬灯のようによみがえる。ポッターへの憎しみとともに。ただ、緑の瞳だけが、リリーのものだった。私は目をそむけた。それでも、あの少年を守ることが私の人生なのだ。「生き延びた子」などと祭り上げられて、あのポッターのように、甘やかされて、傲慢に育っているに違いない。

毎年恒例のダンブルドアのばかばかしい演説に、続く生徒たちのバカ騒ぎ。やはりあのとき死ねばよかったと思う心を、リリーの遺志を守る思いで抑え込む。とにかくあの少年の命は守らねばららない。

夜の寝室で、こみあげてくる罵りの言葉を抑え、リリーに語りかけた。

「リリー、今日君の息子に会った。君が身を呈して守ったあの子の命を、これからは僕が守り抜く。必ず。」


年度初めの薬学の時間。スリザリンとグリフィンドールの合同授業だ。まずはポッターの傲慢な性根をたたきなおさねばならぬ。英雄などともてはやされていい気になっていては、命が危険にさらされるのだ。

生徒の出欠から、気合を入れて挑んだ。誰もが英雄だと甘やかしてくれると思ったら大間違いだということを、思い知らさねばならない。ポッターの順番では、一呼吸置いて、皮肉を込めて名を呼んだ。

「おお、ハリー・ポッター、新しいセレブさん?」

出欠を取り終えて、静まり返った新入生たちに魔法薬学の繊細な美学について説明をする。ポッターの様子をみると、なんと、ノートにいたずら書きをしているではないか。

「ポッター!アスフォデルの根の粉末とニガヨモギの浸出液を混ぜるとなにができる?」

ポッターはキョトンとして答えた。

「わかりません。」

「ふん。有名だということは何の役にもたたんな。」

席に詰め寄り、重ねて質問する。隣で誰か手を上げているが、今はポッターの教育だ。

「ではポッター、次だ。ベゾアールはどこで見つけられる?」

「わかりません。」

何も知らぬようだ。予習もしていないのかとさらに問題を出すと、

「僕はわかりませんが、ハーマイオニが手を上げていますから当ててはどうですか?」

と口答えしてきた。なんという、謙虚さの欠片もない生意気な態度。さらに頭も悪い。

「ポッターの口答えで、グリフィンドール1点減点!」

学期がはじまってもこんな調子だった。父親のポッターはそれでも成績は優秀だったが、息子は頭の出来は平凡なのに、傲慢で生意気な英雄気取り、怖いもの知らずの規則破りは父親そっくりだった。

アルバスに訴えたが、他の先生はポッターのことを謙虚で人に好かれ、学業もまあまあ優秀だと言っているとなだめられた。私は偏見を持って見ているのだと。アルバスは私の評価は聞き流し、それよりクィレルに気をつけるよう言った。

クィレル。闇の魔術に対する防衛術(DADA)の教授。ターバンをして、ナヨナヨした口先ばかりの男だ。私がDADAを担当すれば、もっとポッターを、生徒たちを鍛えてやれるのに。ポッターに危害を加えぬよう、クィレルを見張っておかねばならぬ。


ハローウィンの日に事件が起きた。

クィレルが青い顔で、「トロールが地下室に出ている」と大ホールに駆け込んできたのだ。粗暴な巨漢トロールに対面しては、生徒たちが危険にさらされる。

生徒たちを監督生の指示に従ってそれぞれの寮に避難させ、教授たちはクィレルの言う地下室にトロールを探しに行った。クィレルの行動が怪しいので、私はトロールを食い止めるために即座に三階に駆け付けたのだが、、、そこには三頭犬が待ち受けていて、脚を噛まれてしまった。

大きな音に驚いて三階女子トイレに駆け付けると、そこにはポッターとグレンジャーとウィズリーがいて、トロールは倒れて気絶していた。どうやら3人とも無事でほっとした。しかし、無事だったのはよいが、ここは立ち入りを禁じられた廊下。生徒たちはそれぞれの寮に避難させたはずなにに、なぜわざわざ危険な所に来て私たちの手をわずらわせるのか。

当然減点だと思ったが、グレンジャーが2人に助けてもらったのだと言うと、グリフィンドール寮監のミネルバは得点を与えた。そういうことをするといい気になって英雄気取りで規則を破り、またも危険を呼ぶのだと思うが、私の権限ではないのでやむを得ない。

気がゆるむとともにズキズキと痛み始めた脚を引きずりながら、女子トイレをあとにした。

「リリー、今日はハローウィンだ。君もこちらに帰ってきているのかな?君の守りか、とにかく君の息子が無事でよかったよ。」
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(これは『ハリーポッター』の本と映画鑑賞後の、妄想です)待ちに待った、と言ってよいだろう。この日のために、ホグワーツで学習意欲もない生徒たちに魔法薬学を教え、くだらない...
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