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セブルス・スネイプの同窓会(3)

(これは『ハリーポッター』シリーズの本と映画鑑賞後の、妄想です。時期は第3巻「アズガバンの囚人」)


新年度初日、入学式当日にルーピンがホグワーツにやって来た。生徒たちと同じ特急で来たから、会話を交わすこともなく式の職員席に着いた。

ルーピンは学生時代よりさらにシャビーになっていた。継ぎはぎのローブ、鳶色の髪には白髪が混じり、あいかわらずの青白い顔には傷跡が残っている。昨夜は満月で、変身後の傷ついた体を引きずってたどりついたというところだろう。年に12回の満月の夜。子供のころから実に300回以上の変身を経験したことになる。学生時代に見た、満月明けの傷だらけの体が思い出された。あんなことを300回も繰り返す人生というのは、どんなものか想像もつかないが、年より老けるのは当然だろう。

新入生の組み分けが終わると、ダンブルドアは生徒たちに歓迎の祝辞を述べた。そして魔法省の要請でアズガバンの看守をしているディメンターがホグワーツの出入り口にいることになったこと、そのため生徒たちは許可なく校外に出てはいけないこと、ディメンターとの接触は危険だから避けることを生徒たちに告げた。

ダンブルドアは続けて新任教授、ルーピンを紹介した。生徒たちからはまばらな拍手。あのシャビーな身なりでは無理もなかろう。

職員席に並んで座るルーピンに目を向けると、否応なく、学生時代の様々な苦い思いが蘇る。人気者の上面に傲慢で陰険な本性を隠していたポッターとブラック、腰ぎんちゃくのペティグリューに、、、見て見ぬふりのルーピン。

彼らとの諍いの中でリリーに決別を告げられ、こともあろうにポッターと結ばれたリリーはブラックの裏切りで命を落とした。もちろん、私の過ちと罪は逃れようもないが、すべてを投げうっても救いたかったリリーを助けられなかったのは、ブラックの裏切りとそれに気づかず信じたバカなポッターのせいだ。ルーピンは必ずブラックと通じるだろう。ダンブルドアは信じているというが、ルーピンはいつだって、何より彼らとの友情を優先させてきたのだ。彼らの悪事から気弱に目を逸らして。今度はそうはさせぬ。ブラックの手引をする瞬間を必ずとらえてやる。湧きあがる憎しみに、知らぬうち、ルーピンをにらんでいた。神経が苛立ち、頭がズキズキと痛んだ。

ダンブルドアに、リーマスのことをよろしく頼むぞと耳打ちされて部屋に戻ると、すぐにルーピンがドアをノックした。

「入れ。」

頭痛を堪えて招き入れると、ルーピンは子犬がすがるような気弱な笑みを浮かべていた。ふん、ほんとは狼のくせに。

「セブルス、久しぶりだね。君が脱狼薬を作ってくれるんだね。ありがとう。脱狼薬なんて私にとっては夢のようだよ。」

「ルーピン、ダンブルドアの命令だから脱老薬は作るが、おまえにファーストネームで呼ばれる筋合いなどない。」

「でも、、スネイプと呼ぶと昔のことがいろいろと思いだされてね。君にはすまないことばか、、」

「無駄口をたたくな。思い出話をするつもりはない。脱狼薬は満月の1週間前からつくるから必ず時間通り取りに来い。それからブラックを引き入れるつもりだろうが、そうはさせないから覚えておけ。」

「シリウスを引き入れるつもりなん、、」

「ダンブルドアはだませても、私はだまされないぞ。用件はすんだ。帰れ。」

「セブルス、話を、、。」

私は杖を振ってドアをあけた。ルーピンはまだ何か話したそうだったが、「では満月の1週間前にまた来るよ」と言って、肩をすくめて部屋を出ていった。ひどい頭痛をこらえてようやく眠りについたが、浅い眠りに見た夢は、憎いブラックでも変身したルーピンでもなく、満月の翌朝傷だらけの体で雪の上に倒れていた少年の姿だった。


もう1人の新任教授、魔法生物飼育学のハグリッドは、悪い奴ではないが頼りないと思っていたら、最初の授業からヘマをしでかした。3年生の授業で、危険なヒッポグリフのバックビークを扱い、ドラコに怪我をさせたのだ。かわいそうなドラコは、一瞬にしてバックビークの鉤爪に打ち倒され、血だらけになったという。なんとか止めたというが、バックビークに攻撃されれば命にかかわることにもなりかねない。最初の授業に危険な生物を扱うなど、考えが足りないというほかなかった。

怪我は重かったらしく、週後半の魔法薬学の授業にも、ドラコは包帯を巻き腕を吊った痛々しい姿で現れた。縮薬の材料、デイジーの根を片手では切れないので、同じ机のウィーズリーにドラコの分も切ってやるように言うと、おそろしく大雑把に切ってドラコに渡すので、自分のものと代えるよう言いつけた。萎びイチジクの皮をむくのも無理なので、それはポッターにやらせた。

近くの鍋では、ネビル・ロングボトムがまたバカな真似をしていた。言われた通りにすれば緑色になるはずの液体が、、、オレンジ色になっていた。なぜ名門ロングボトムの純血魔法使いが、愚かなことばかり繰り返すのか。私の話をきちんときいて注意深くやればできるはずなのだ。自覚を促すために、できあがった魔法薬を、ロングボトムのペットのカエルに飲ませると言いつけた。うまくいけばオタマジャクシになるが失敗すればまたロングボトム得意の惨事を引き起こす。でしゃばりのグレンジャーがロングボトムを助けると口を出してきたが、それでは本人のためにならないのがわからないのだろうか?

魔法薬が完成し、ロングボトムの薬をカエルに飲ませると、、、私の掌でオタマジャクシがはねていた。グレンジャーがこっそり教えていたに違いない。私は教授の指示に従わないグリフィンドールから減点をとって授業を終了した。

しばらくすると、一部の生徒たちが私の顔をみてくすくす笑っているのに気がついた。闇の魔術に対する防衛術の授業で、ルーピンがボガート(まね妖怪)を扱い、ロングボトムがもっとも恐れるもの、つまり私の姿に変わったボガートを、ネビルの祖母オーガスタス・ロングボトムの服装に変えたのだ。つまりは、私、このスネイプ教授が、女性用の高い羽つきの帽子をかぶり、ドレスにハイヒールを身に付けた姿に。
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(これは『ハリーポッター』シリーズの本と映画鑑賞後の、妄想です。時期は第3巻「アズガバンの囚人」)新年度初日、入学式当日にルーピンがホグワーツにやって来た。生徒たちと同
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