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セブルス・スネイプの同窓会(12)

(これは『ハリーポッター』シリーズの本と映画鑑賞後の、妄想です。時期は第3巻「アズガバンの囚人」)


シリウスに助け起こされて、私たちは説明を続けた。ハリーたちの鋭い質問に答えながら。セブルスもこんなふうに聞いてくれたら、真実をわかってくれるだろうにと思いながら。しかしまずは真実を明かし、ピーターを捕え、シリウスの無罪を明らかにしなければならない。

シリウスは、アズガバンを訪問したファッジが持っていた予言者新聞に出ていたウィーズリー一家の写真を見て、ロンの肩の上に指が欠けたネズミ、つまりピーターを見つけたのだった。ジェームスを裏切ったピーターにシリウスが呪文を投げる前に、ピーターは周りにいた人たちを吹き飛ばして殺し、ネズミに変身して逃げてしまった。

シリウスはジェームスたちの家にかけた忠誠の術の秘密の守人を、すぐわかる自分ではなく、ピーターにしようとジェームスに進言したことを気に病んでいた。その結果が、ピーターの裏切りによるジェームスたちの死となってしまったのだから。

しぶるロンをなんとか説得し、ようやくスキャバーズに解除呪文をかけると、、、ネズミはピーターの姿に変わった。ピーターはヴォルデモートに逆らうことがどんなに恐ろしかったかと言い訳したが、もちろんシリウスと私は聞く耳を持たなかった。今すぐにでも殺してやりたいほど憎い。

ジェームスとリリーの死。孤児として育つことを余儀なくされたハリー。シリウスの12年間のアズガバン暮らし。そして私の絶望の日々。ピーターには償う義務がある。

ハリーとハーマイオニは、ピーターとシリウスにさらに質問を重ね、、、なぜピーターは何年もチャンスがあったのにハリーを殺さなかったのかとか、闇の魔術を使わずにシリウスがどうやってアズガバンを脱獄できたのかとか、、、十分な説明の後に、シリウスの無実とピーターの罪を理解してくれた。

ハリーがピーターはアズガバンに送るべきだと言うので、ピーターを引きつれてホグワーツに戻ることにした。ハーマイオニが気にするのでセブルスの状態を見ると、気絶しているだけだった。ここで騒がれるともっとひどいことになりそうなので、気絶したままのセブルスを呪文で立ちあがらせて、校内に戻ってから介抱しようと思った。あとで説明すれば、きっとセブルスもわかってくれると信じ込むことにした。とりあえず今はピーターを引き渡し罪を明らかにすることが先決だ。

ピーターに逃げられないように、私とロンに鎖でつなぎ、ぞろぞろと叫びの屋敷の通路を外に向かった。気絶したままのセブルスはシリウスが杖で操って連れてきた。

「お前の真の気持ちはブラックが現れた時にわかる」

セブルスが言っていたことを思い出す。結果としてはその通りかもしれない。だけど、シリウスは無実の罪で12年間アズガバンに収監されていたのだから、真実を明かすための成り行きでこうなってしまったこと、きっとセブルスは理解してくれる、いや、理解してもらえるまで説明しようと、少し強気に思っていた。なんといっても、親友のシリウスを取り戻せたことが私は嬉しくて、それに何年もだまし続けたピーターへの怒りと捕まえた満足感で、私は少しハイになっていたのだ。そのすべてが私の愚かさのせいで無に帰すとは思いもせずに。

通路を出てホグワーツに向かう途中、雲が晴れ、そして満月が現れた。体の中から湧きあがるざわめき。狼の雄叫び。今夜は脱狼薬を飲まなかったんだ。そう思ったのが最後だった。

*******************

気がつくと、地面の上に倒れていた。叫びの屋敷でポッターたちに吹っ飛ばされたのだが。裏切り者のブラックにルーピン、助けてやったのに私に杖を向けたポッターたち。憎しみと忌々しさがこみ上げてきたが、近くにウィーズリーが倒れているのを見て血の気が失せた。ポッターはどうした?ポッターはどうなったのだ?

あわてて呪文で担架を出してウィーズリーを横たえ、呪文で担架を浮かせながらポッターたちを探した。湖のほとりでポッターを見つけたときにはほっとした。ポッターとグレンジャー、そしてブラックも担架に横たえて、医務室に向かう。

何が起こったのか、考えるまでもなかった。愚か者のルーピンが脱狼薬を飲み忘れて変身したのだ。私を好きだなどと言いながらブラックを手引きし、信じてほしいと言いながら、生徒たちを危険に晒すという最悪の形で信頼を裏切った。しかし、なにはともあれ、ポッターや生徒たちは無事で、リリーを死に至らしめたブラックにディメンターのキスを受けさせることができるのは喜ばしいことだ。

生徒たちを医務室に運び、ブラックをダンブルドアに引き渡し、事態を報告した。かけつけた魔法大臣のファッジは、私の行動をマーリン勲章に値すると称賛してくれた。ポッターたちが私に杖を向けて気絶させたことについては、ブラックの錯乱術にかかったのだと言っておいた。ブラックにだまされたことには違いないだろう。ポッターたちは意識が戻ってからもブラックをかばっているが、正気のさたとは思えない。

これでやっと、リリーの死に関わった仇の一人に罪を購わせることができると思っていたのに、牢が破られ、ブラックは逃亡していた。ブラックに言いくるめられて、ポッターとグレンジャーが逃亡を助けたに違いない。それしか考えられない。リリーの命を奪った者を逃がすとは。

私は何度もダンブルドアに訴えたが、耳を貸してもらえなかった。英雄ポッターがかかわるとなると、ファッジも同じだ。ポッターたちは医務室から出ていないからというが、ブラックの拘束を知っているのは、私とダンブルドアを除けば、彼らだけではないか。ポッターたちを問いただすことすらせず、ダンブルドアは私をいさめるだけだった。私は怒りと絶望を胸に、医務室を去ることしかできなかった。

許しがたい者たち。ブラックは逃してしまったが、手引きしたルーピンは残っている。それだけでなく、ルーピンは脱狼薬を飲み忘れて生徒たちの前で狼に変身するという過ちを犯した。ダンブルドアとて庇いきれぬ失態だ。ルーピンはホグワーツから追い出す。

私は朝食の大ホールに集まるスリザリン生たちの席に行き、ルーピンの正体を明かした。

************************

目が覚めると、禁じられた森に倒れていた。昨夜の変身時を思い返し、あわてて口を拭ってみたが、どうやら何か
を、、、人を食ってしまった形跡はなかった。ほっとした。体のあちこちに自分のものではない鋭い爪跡が残っていたが、獣のもののようだ。傷ついた体でなんとかハグリッドの小屋にたどりつき、身支度を整えさせてもらった。そこで、ハグリッドから、セブルスが私の正体を生徒たちに明かしたと聞いた。私には二度と望めない恵まれた職を去るのは悲しいが、このような、生徒たちを危険にさらすようなことは二度と起こってはならないのだから、辞職はやむをえないことだと思う。ハリーたちを傷つけることなくすんでよかった。

校長室に向かう途中、すれ違う生徒たちが私を避けて、ひそひそと話すのを見るのは、やはり辛かった。辞意を伝えるとダンブルドアは引きとめてくれたが、これ以上負担をかけるわけにはいかないし、私の過ちは私が受け止めなければならないと思う。

ダンブルドアは昨夜、私の変身後の出来事をおしえてくれた。意識を失っていたシリウスやハリーたちを、セブルスが担架に乗せて医務室に運んできたこと。ハリーたちは無事で、シリウスもディメンターのキスを免れて無事逃げられたこと。

叫びの屋敷で気絶したセブルスが、モビリコーパスで頭をぶつけながら浮遊させられていたことを思い出す。セブルスはシリウスさえ、担架に載せて運んだのか。

「リーマス、残念なことになったが、セブルスをあまり責めんでやってくれ。失望のあまり口走ってしまったのじゃ。」

「わかっています、アルバス。セブルスはこの数カ月、きちんと脱狼薬をつくり、変身時の世話をしてくれました。感謝していますし、申し訳なく思っていますが、、、この気持ちは伝えられませんね。」

「あれももう少し融通がきくとよいのじゃがの。」

ダンブルドアに教授職に招聘してくれた感謝を伝え、このように去ることを詫びた。

部屋に戻り出発の荷造りをしているとハリーがやって来た。ハリーのような生徒を持てて幸せだったことを伝え別れを告げた。私は正直、一刻も早くホグワーツを去りたかった。自分の愚かさのため失うものを、いつまでも目にしていたくなかったから。

セブルスには、もう一目会いたい気持ちはあったけれど、合わす顔がない思いのほうが強かった。そしてシリウス。せっかく無実が明らかになったのに、私の変身のせいでピーターを逃がし、無実を証明することができなくなってしまった。落ち着いたらダンブルドアにシリウスの行方をきき、訪ねて行こう。私の失態を詫び、許してくれたらきっとまた親友に戻れる。12年の空白を埋めて。
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テーマ : 二次創作:小説 - ジャンル : 小説・文学

tag : ハリーポッター セブルス ルーピン ハリー シリウス

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