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セブルス・スネイプの同窓会(13)

(これは『ハリーポッター』シリーズの本と映画鑑賞後の、妄想です。時期は第3巻「アズガバンの囚人」)


ブラックが逃げ、ルーピンがホグワーツを去った後、しばらくは茫然自失の状態が続いた。この手に捕えたと思った仇を逃してしまったのだ。それも他ならぬ、リリーの息子のせいで(そうに決まっている!)。ダンブルドアのポッターびいき、グリフィンドールびいきも耐えがたく思われた。

「リリー、裏切り者のブラックを逃してしまった。」

夜ごと、眠りに就く前にリリーに語りかけた。しかし続く言葉はリリーには聞かせられない。リリーの死に関与し、自分の命を狙うブラックにだまされて逃亡を手助けするような、傲慢な父親そっくりのポッターなど、どうにでもなってしまえ!

しかしそんなことを思うと、心の中のリリーが悲しげな顔をする。それに、いつか復活するヴォルデモートを倒せるのはポッターだけなのだ。しかたないから、魔法薬学にもそれなりの成績をつけてやった。こんなに夏休みが待ち遠しい年はなかった。


やっとのことで学年が終わり、私は早々にマルフォイ邸に向かった。私を満たしてくれるのはルシウスしかいない。グリフィンドールの連中などもう懲り懲りだ。

ルシウスに会うと、ルシウスもご機嫌斜めだった。私はすっかり忘れていたが、去年の夏休み明け、魔法生物飼育法の授業でドラコがヒッポグリフのバックビークに怪我をさせられてから、ルシウスはバックビークの処刑とハグリッドの追放に精を出していたのだった。ハグリッドの追放はダンブルドアにつぶされ、処刑が決まったバックビークも刑の当日に逃げて消えてしまったのだ。考えてみれば、それはくしくも、ブラックの一件と同じ日だった。怪しい、、、疑念が一つ増えた。

「またダンブルドアにしてやられた。忌々しいたぬき爺め。ドラコを傷つけた者たちが無罪放免とは。」

「ルシウス、私もさんざんな年だった。」

「森番に人狼とは、ろくでもない新任教授ばかりだったな。まったく、ホグワーツはどうなっているのだ。」

「ルシウス」

私はルシウスに近付き、肩に頭をもたせかけた。1年近くブラックを警戒し続けた緊張ともろもろの怒りや忌々しい思いを溶かしてくれるのはここしかないのだ。

「セヴィ、お前から甘えてくるとは珍しい。どうしたのだ?」

ルシウスが髪に指を絡めながら撫でてくれた。吐き出したい思いをなんとか飲み込む。後のことを考えればポッターに関わることは伝えるべきではない。

「ただ、、、会いたかっただけだ。」

ルシウスは両手のひらで私の顔を包み、瞳を合わせてきた。

「疲れているようだな。疲れたならホグワーツなど辞めてしまえ。ここにいればよいではないか。」

ルシウスは背中に腕をまわし、私の体を引き寄せた。背中を撫で下りるルシウスの手を感じながら、ふとルーピンを思い浮かべ、忌々しい気分が蘇った。こちらにもあちらにもよい顔をしようとして、全てをぶち壊した愚か者。しかし。ルーピンは最悪だが、私の脱狼薬で飼いならされた狼は悪くなかった。脱狼薬なしで、あの狼は満月のたびにまたどこかに閉じ込められて荒れているのだろうか?

思い浮かんだ雑念は、ルシウスの唇が耳元を這うのとともに消え去った。体から体に伝わる心音を感じながら、私は欲望に身を任せ、快楽にのたうち、やがて、はじけるような解放の時が訪れた。

「セヴィ、少しやせたようだぞ。もともと細いのに、食事はきちんとしていたのか?」

私は、貧弱な体がいっそう貧弱になったかと、さらに身が細る思いで骨の浮き出た体を眺めた。

「ストイックなのもよいが、少し贅沢もしないといけないぞ。マジョルカに秘密の別荘があるから2人で行かないか?」

「しかしナルシッサとドラコが寂しがるでしょう?」

「長くは無理だが1週間くらいならいいだろう?事業の見回りだとでも言っておけばよい。ナルシッサとドラコはクィディッチのワールドカップに連れて行ってやるから。」

数日後、ドラコには1週間分の宿題を与え、見送るナルシッサに心配いらないと伝えて、ルシウスと2人、ポートキーでマジョルカに飛んだ。ルシウスの別荘は穏やかな海に面したこじんまりした建物で、中は趣味のよい家具と装飾品で飾られていた。口の堅い管理人夫婦が食事などの世話をしてくれて、他にしもべ妖精が1人いた。ルシウスは彼らに私を引き合わせると、自分と同じ主人だと思えと命じてくれた。

ルシウスと私はプライベートビーチにイスを並べて寝転んだが、ホグワーツの地下牢に住みなれた身には日差しが強すぎる。私はさっそく鍋を取りだして、手に入った材料で日焼け止めと日焼け後のスキンケアローションを調合し、ルシウスに笑われた。笑っていたルシウスもすぐに肌に赤みが差してきたので、今度は私が笑いながら日焼け止めをつけてあげた。

木陰で日がな一日本を読み、たまに遠くを走る船を眺めたりしているうちに空が夕陽に染まってきた。ホグワーツでの、常に緊張が抜けない日々に比べて、天国のように穏やかに時は流れる。隣で軽い寝息を立てるルシウスを見ると、この優雅な景色に実になじんでいて、やはり別世界の人だと思う。私にはふさわしくないこんな幸せなひと時を与えてくれたことに心から感謝した。

マジョルカからマルフォイ邸に戻り、まもなくルシウスはナルシッサとドラコを連れて、クィディッチ・ワールドカップの観戦に出かけていった。
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テーマ : 二次創作:小説 - ジャンル : 小説・文学

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