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スネイプとポッターと炎のゴブレット(7)

(これは『ハリーポッター』シリーズの本と映画鑑賞後の、妄想です)


私はそのままホグワーツの敷地を出て、ダークロードの元にアパレートした。着いた先はリトル・ハングルトンの墓地。30名ほどのデスイーターが集まるその先に、ダークロードがいた。青白い肌に赤い目、切り込みを入れたような鼻。13年前の、それでも美少年と言われた面影を残した外貌とは一変したおぞましい姿だった。デスイーターたちの間には、怯えた気配が漂っていた。私は恐怖を振り払い、心を閉じて、進み出た。

「おう、これは、セブルス。我がもとから永遠に去ったと思いし者。」

私はダークロードの足元にひざまずき、頭を垂れた。

「我が君、遅れましたのは、、」

「招集からすでに2時間が過ぎた。まずは歓迎の意を表しよう。」

杖が向けられた。

「クルーシオ(苦しめ)!」

体が回り、体中の皮膚が裂けるような痛み。体の中で骨や血管や、すべての臓器が跳ねまわるような感覚。腸が胃をくぐりのどを突き破る・・・

永遠に続くかと思われた苦痛は、突然終わった。地べたに崩れ落ち、しかしなんとか上半身を起こし、再び頭を垂れた。

「セブルス、遅れた代償の味はどうだ?会えて嬉しいぞ。」

「我が君、遅れましたのは、ダンブルドアからの指示を待っていたためでございます。我が君にかつて命じられた任務をこの先も果たせるようにと。」

「ほう、我が命令を果たすためと?それは忠実なものだな。それでは13年間、ダンブルドアの庇護のもとでずっと任務を果たしていたとでもいうわけか?余を探すこともせずに。」

「我が君、愚かなしもべをお許しください。我が君がどちらにいらっしゃるかわかりさえすれば、飛んで行きましたのですが。」

「ここにいる他のしもべたちも同じことを言ったが、余を見捨てぬくぬくと過ごした13年間の代償はこれからたっぷりと払ってもらう。」

目を向けられて、周囲のデスイーターたちに、怯えの気配が強まった。

「ところがセブルス、お前は他の罪も犯しておる。3年前、お前はクィレルがポッターを殺そうとした呪文を遮った。そのせいで、余は憑依していたクィレルの体をポッターに奪われて、実に惨めな姿となり果て、絶望と苦痛の日々を過ごすこととなったのだ。」

赤い目に怒りの炎が燃えたぎった。

「クィレルは怪しい行動をしておりましたの・・」

「話はまだ終わっておらぬわ!まずは己の罪を償え!。」

細い赤い目が不気味に光り、私は体が宙に浮くのを感じた。そして、

「クルーシオ!」

再び、体をえぐる痛み。身を切り刻む苦痛。振り回される腕や足や額や胸や、体中が地面に叩きつけられた。皮膚が裂け、四肢がバラバラに引き裂かれ飛んでいく・・・痛みによじれ息ができない・・

死んだかと思った時、突然術がとけ、地面に激しく叩きつけられた。視界がかすみ、体は鉛のように重い。体中がひりひりと痛み関節がきしむ。ともすれば消えそうな意識をなんとか保ち、息も絶え絶えにわずかに顔を上げると、光る赤い目が私の目を覗き込み、心をこじ開けてきた。ダークロードはまれにみる開心術の名手。私の心をひきはがそうとしている。余力を振り絞り、閉心術に集中した。もちろん、閉心術を使っていると悟られてはならない。与えてよい情報を心に散りばめ、身の凍る時間が過ぎた。

「ふん、今はここまでにしておこう。だがこれで許されたなどと思うな、セブルス。」

「我が君、寛大なる処置を心より感謝いたします。」

ダークロードはデスイーターたちに話し始めた。

「殺すべきポッターが逃げかえり、余の復活がダンブルドアに知れた。ことを急がねばならぬ。陣営の勢力を立て直し、魔法省を我らが手中におさめよ。それぞれの任務を果たせ。」

ダークロードが手を払い、デスイーターたちは解散した。ようやく腕で上半身を持ち上げた私に、ルシウスが気がかりそうな目を向けてきたので、私は目で制し、表情で帰るよう促した。

「セブルス、お前は残れ。」

案の定、ダークロードに命じられた。そのあと、ポッターを逃し怒り心頭のダークロードから、なぜ何年も手中にいたポッターを生かしておいたのかとか、ダンブルドアの手のひらは居心地がよかったかとか、嫌味を交えた尋問が続いた。細心の注意を払い答えていったが、少しでも言い淀むとクルーシオをかけられ、弱ったところを開心術で探られた。

それでも、13年分のダンブルドアに関する情報は価値を認められて、なんとかホグワーツでのスパイ任務を続けることになり、解放された時には精根尽き果てていた。ダークロードの目を離れると、救いを求めるようにリリーを想った。リリーの魂が守ってくれたのだ。リリー。想いにすがりつくように最後の力を振り絞り、アパレートしてホグワーツの門にたどりつくと、深夜にもかかわらず、ダンブルドアの姿があった。

わずかながら、やっと生きた心地が戻って来た。

「ご苦労じゃったの、セブルス。無事でなによりじゃ。」

「アルバス」

崩れるように倒れこむ私を支え、ダンブルドアが医務室に連れて行ってくれた。行く途中、ダークロードとの会合の経緯と得た情報を報告した。

「よくやってくれた、セブルス。かわいそうに、ひどい目にあったの。ゆっくりと休むのじゃ。」

マダム・ポンフリーは私の状態を見て目を見張ったが、誰に対してもそうであるように、事情を聴くことはせず、医務室の奥に隔離カーテンを下げ、必要な処置をとってくれた。強い眠り薬のおかげで、悪夢に脅かされることなく眠りにつけた。

どれほどたったか、薄明かりに気がつき、もうろうとした意識のまま体を動かそうとしたが、鉛のように重く、、全身が痛む。思わずうめき声を上げたようで、カーテンが揺れた。ポピーが様子を見に来てくれたのだろうと目を閉じたままいたが、息を飲む気配に目を開けてみると。

「グ、グレンジャー!」

グリフィンドールの知ったかぶりが、目を見張り、口に手をあてて、カーテンの隙間に立っていた。

「なぜ、こんな、、ひどい!どうなさったのですか、スネイプ先生?」

まずいところを、まずい生徒に見られた。よほどひどい姿になっているのだろう。

「ミス・グレンジャー、それはお前の知ったことではない。なぜおまえが隔離カーテンを開けたかが問題だ。」

当然減点に値するが、しかし、言葉は滑らかに出てこなかった。口を開くのも辛いのだ。苦痛に顔を歪めていると、グレンジャーが答えた。

「目が覚めて、ハリーの様子を見に医務室に来たら、うめき声がしたので・・・」

実にまずいタイミングで目ざめてしまったというわけだ。

「口外してよいことと悪いことがある。わかっているな、グレンジャー?」

「はい、先生。」

「ポッターやウィーズリーにもだ。」

疑わしそうに見ていると、忘却術を掛けられるかとでも思ったのか、グレンジャーが言い募った。

「もちろんわかっています。去年、ルーピン先生のことも、誰にも言いませんでした。」

ルーピンの正体に気がついていたのだ。気がついても誰にも言わなかったから、私が言うことになった。間の悪い生徒だ。

「わかっているならいい。隔離カーテンを元に戻し、さっさとポッターの見舞いに行け。」

グレンジャーはそれでもまだ何か言いたげに口を開けかけたが、私が睨みつけると、大人しく去って行った。知ったかぶりの出しゃばりだが、ポッターよりはずっと優秀だ。少しだけ安心して再び眠りに落ちた。

今度は浅い眠りの夢の中で、ダークロードの赤い目が杖を向け、お前も裏切り者、クルーシオ!と叫ぶ。苦痛に身をよじっているのは、ルシウスだった。我が身のような痛みを覚えて目ざめると、全身ひどい汗をかいていた。
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テーマ : 二次創作:小説 - ジャンル : 小説・文学

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