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スネイプとポッターと炎のゴブレット(8)

(これは『ハリーポッター』シリーズの本と映画鑑賞後の、妄想です)


夏休みに入り、私はマルフォイ邸に戻った。ダークロードに受けたクルーシオの傷がまだ残っていて、ルシウスにこんな体を見せたくはなかったのだが。

頬の傷跡を見て驚いたナルシッサとドラコには、転んで怪我をしてしまったと笑って言っておいた。私がクルーシオを受けたのを見ていたルシウスは、もちろんそうでないことを知っている。

ルシウスと2人で私の部屋に入ると、さっそくルシウスが傷の具合を尋ねてきた。

「セヴィ、あのあとどうなったのだ?心配していたのだぞ。」

ルシウスがローブ、そしてシャツを剥いでいくのに任せていたが、露わになった胸や腹や背中、いたる所にある傷跡を見てルシウスが息を飲んだ。

「ホグワーツで治療したからもう大丈夫だ。心配かけてすまない、ルシウス。跡が消えるのにはもう少しかかるだろうが。それより、私が着く前はどうだったのだ?」

私が着くまでの、ダークロードの様子を知りたかった。それに、どうやってダークロードが体と力を得たのかも。

「まずエイブリ―がクルーシオを受けた。それから私がなじられた。13年間、自分が苦労している間、探しもせずにぬくぬくと暮らした不誠実な友だと言ってな。」

ルシウスは苦々しそうに言い、不安げな私を見て付け加えた。

「私はクルーシオは免れたから心配するな。あの場に集まれたのは口を拭って探さなかった者ばかりだ。許さなければ仲間はいないのだから、エイブリ―を見せしめにしただけだ。あの場では。」

「そもそも、ダークロードはどうやって生き延び、復活したのか、そういう話はあったのか?」

「ポッターの一家を襲い、じゃまする母親を殺した時に赤ん坊に愛の守りの魔法がかかったらしい。そのあと赤ん坊に投げた死の呪文が跳ね返されて自分にかかり、魂だけの惨めな姿になっていたそうだ。あの方はそれまでに死を逃れる魔法をいろいろと研究していたから命は落とさなかったようだが、体もなく杖も振れぬまま、仲間の助けを待っていたところにワームテールがやっと現れたということだ。」

跳ね返ったダークロード自身の死の呪文を受けて生き延びられるとは、どういう魔法なのか?闇の魔術には違いないが、調べる必要がある。再び危機に際して生き延びられてはかなわない。黙っていると、ルシウスは私があのときリリーの命乞いをしたことを思い出したらしい。

「母親は、、、たしかお前の幼馴染だったな?気の毒だった。命は奪わないと言っていたのに。」

「もう昔のことだから、、もうよいのだ。それで?」

ダンブルドアが賢者の石を壊してしまったから、永遠の命はあきらめて、ひとまず以前と同じレベルの体を手に入れる魔術を自分で開発したらしい。あの墓場にあった父親の骨と、ワームテールの腕の肉と、敵であるポッターの血を使い。」

ルシウスはその場を思い出したのか、少し身震いした。

「それからポッターと一対一で戦ったのだが、2人の杖が繋がり、そこから死者の姿が現れてポッターを助けた。ああ、母親の姿もあったぞ。それでポッターに逃げられて、ご立腹というわけだ。復活したことをもっとも隠しておきたかったダンブルドアにばれてしまったからな。腹立ち紛れに何人かにクルーシオをかけて、それから魔法省の支配とか仲間を増やす計画を指示しているところに、おまえが到着した。」

「魔法省の支配というと、具体的にはどんなことを計画しているのだろう?」

「秘密主義のあの方だから、具体策は個別に指示するのだろうが、ひとつにはディメンターを仲間に引き入れると言っていた。捕らわれているデスイーターたちを救出すれば力が一気に増す。ところでセブルス、あのあとどうなったのだ?裏切り者だと責められたのではないか?」

「ああ。ダンブルドアにかばってもらい、ずっとホグワーツにいたからしかたがない。だがダンブルドアを探るのはそもそもダークロードに命じられたことだったから、なんとか納得してもらって、、、これからもホグワーツで情報を集めることになった。」

ルシウスの顔色が変わった。

「セヴィ、それは、危険ではないのか?ダンブルドアも知っているのだろう?」

ダンブルドアは私がダークロードをスパイすると思っているし、そのことをダークロードも知っている。」

「二重スパイではないか!セヴィ、そんな危険なことを。」

「ルシウス、今までの経緯から、それしか私に生き延びる道はない。それで、、、。」

口ごもる私に、ルシウスが尋ねるような視線を向けて待っていた。

「私はこの屋敷を出ようと思うのだが。」

「なんだと?なぜだ?」

「たった今あなたが言ったように、二重スパイは危険な立場だ。いつ、どちらの陣営から裏切り者と糾弾されるかわからない。そのときに私がここで暮らしていると知れたら、、、あなたと私の関係が知られたら、あなたにまで危険が及ぶ。」

「そんなことを気にするな、セヴィ。その時には私がダークロードに話し、守ってやる。お前は家族も同然ではないか。」

「ルシウス、ダークロードはそんなに甘くないし、ダンブルドアサイドからつけ狙われる恐れもある。私が闇陣営のスパイとして捕まれば、この屋敷に魔法省の取り調べが入るかもしれないし、闇祓いの攻撃を受けるかもしれない。」

「そんなものは、、」

「私たちはいいにしても、ナルシッサとドラコはどうなる?」

「それは、、、。しかしおまえを手放すなど」

「屋敷を出るだけだ、ルシウス。ときどき訪れるくらいなら、どちらの陣営にも言い訳は立つ。私たちが長年の友人であることは皆が知っていることなのだから。」

「だが、セヴィ、、、」

「ルシウス、夢を見たのだ、悪夢だった。」

「悪夢?」

「私が裏切り者と名指しされて、あなたもクルーシオを掛けられる夢だった。耐えられない。私のためにそんなことになったら、、、私にはとうてい耐えられない。」

ルシウスが私の肩を抱いてきた。

「自分がクルーシオを掛けられたと言うのに。私とて耐えがたかったのだぞ。」

「わかっている。わかっているから、避けられる危険は避けよう。」

ルシウスがしぶしぶうなずいた。

「私は今夜、この屋敷に暮らした痕跡を消して、スピナーズエンドに戻る。」

「今夜?そんなに急いでか?」

「一刻も早いほうがいいと思う。ダークロードは復活し、ダンブルドアも対策を急くはずだ。」

「、、、わかった。それほど言うのなら、気の済むようにするがよい。だがセヴィ、覚えておくのだぞ。離れて暮らしていようと、どちらの陣営がどうなろうと、私はおまえの味方だ。何かあったら必ず知らせるのだ。」

「ルシウス、ダンブルドアもダークロードも、開心術の名手だ。どちらの前でも、私たちの関係のことは思い浮かべないで。特に会うことの多いダークロードの前では、ただの旧友だと考えていてほしい。」

その夜、ルシウスは私の体の傷跡一つ一つを癒すように撫でて、労わるように抱きしめてくれた。ルシウスが部屋を出ると、私は荷物をまとめ、夏休みの度に帰り、ルシウスと愛をかわした部屋から自分の痕跡を消した。そしてそのまま、スピナーズエンドの家にアパレートした。

父と母が相次いで死んだあと、住む者もなかったスピナーズエンドの家は、荒れ果てて埃がたまり、黴臭かった。辛い思い出ばかりのその家を、杖を使ってさくさくとかたつけた。マルフォイ邸にあったような温かみは欠片もないけれど、これからは、休み中もダンブルドアから指示が来るかもしれない。ルシウスの屋敷でダンブルドアからの指示を受けるわけにはいかないではないか。どちらに対しても。ともすれば湧きあがる寂しさを、そんな言葉で振い退けた。

ホグワーツとマルフォイ邸。私には身に過ぎる温かい家だった。これからの任務の厳しさを思えば、スピナーズエンドのこの家こそふさわしいのだ。

「リリー、君の魂がまたポッターを守ったんだね。私も君の魂とともに、ダークロードに立ち向かう楯となり、ポッターを守る。ポッターがダークロードを倒すその日まで。必ず。」

寂しいけれど、孤独ではない。いつだってリリーの魂とともにいるのだから。
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テーマ : 二次創作:小説 - ジャンル : 小説・文学

tag : ハリーポッター ルシウス ダンブルドア スネイプ クルーシオ ダークロード

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