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セブルス・スネイプと不死鳥の騎士団(11)

(これは『ハリーポッター』シリーズの本と映画鑑賞後の、妄想です)


マルフォイ邸のゲストルームに着き、ルシウスはローブに覆われた私の肩を抱いたまま、まんじりともせず座っていた。互いに、今夜起こったことを、どう処理すればよいのか、途方に暮れていた。

気がつくと、私はルシウスに寄りかかったまま、手のひらに顔を埋めていた。リリーに決別を告げられ、暗闇に一人佇んでいた私に差し伸べられた手を握り、そのまま長い年月を寄り添って生きてきたのだ。その間、人生を揺るがすような出来事もあったが、ルシウスのもとを離れることなど考えたこともなかった。

妻子を得たルシウスに男の私が寄りそうなど、一般には褒められた話ではないだろうが、私自身は16歳の時からただ一人想い定めた人を守るのを誇らしく思っていた。人との関わりが薄い私にとって、ルシウスは父であり兄であり、友であり恋人だった。何があろうと私の味方だと言ってくれた、ただ一人の人。私からルシウスを取り除けば、残るのはリリーに捧げた魂だけだ。ダークロードのように、魂だけの惨めな命になり、ユニコーンの血でもすすって生きながらえるのだろうか。

ルシウスも私のことを大切にしてくれたと思う。私と違って、多くの人に囲まれた華やかな生活を送りながら、それでも長い年月、何があってもそれは揺るがなかった。抱くたびに「おまえは私だけのもの」と言っていたルシウス。あのような浅ましい姿を曝し、私たちは密やかに守ってきたたいせつなものを、変わりなく育んでゆくことができるのだろうか?

「セヴィ」

すぐ横にルシウスの顔があった。肩を落とし、傷ついた、弱々しい表情。こんな姿は見たことがなかった。

「すまなかった。私のせいだ。私への報復だったのだ。私の一番弱いところを突いて痛めつけるために、、、あのような、、ひどいことを。セヴィ、すまない。守るどころか、ひどい目にあわせてしまった、、」

「ルシウス。私こそ、、あのような浅ましい、汚らわしい姿を曝して、、消えてしまいたい気分だ。」

「セヴィ、汚らわしいなどと思うことはない。すべては媚薬の作用なのだ。」

そう言いながらルシウスはわずかに眉をしかめた。あの姿態を思い浮かべたのだ。払っても拭えぬその景色を振りきるように言葉を続けた。

「セヴィ、約束する。二度とあんな目にはあわせない。二度と失敗はしない。予言玉を首尾よく手に入れさえすれば、、、ダークロードの怒りも和らぐはずだ。そうすれば二度とあのようにお前を傷つけることはない。」

私は激しい怒りを感じた。ルシウスにではなく、ダークロードにだ。ルシウスの心を痛めつけ、再度の報復をほのめかし、脅して支配するそのやり口に。心の中で、崩折れていた何かが立ち上がるのを感じた。私は屈しはしない。体に潜む浅ましさを曝しはしたが、恵まれて育ちのよいルシウスと違い、私の人生などハナから踏みにじられているのだ。心の中にリリーの魂の灯火がある限り、私はダークロードと戦い、ルシウスをこの泥沼から救い出す。無謀に戦いを挑んでも勝算はない。ポッターダークロードを倒すその日まで、命をかけて守り抜くのだ。

ホグワーツに戻らねばならぬ時間だったが、ルシウスに引きとめられた。今夜はともに過ごすべきだと。私もそう思った。ルシウスの腕枕にぎこちなく身を寄せて、しかし私は一睡もしなかった。ルシウスの寝息も、ついに聞こえることはなかった。


ホグワーツに戻り、集会のことをダンブルドアに報告した。私とルシウスが受けた報復については触れなかったが、ダンブルドアが尋ねもしなかったことで、すでにわかっているのだと推測できた。ダンブルドアに知られようとかまわない。ダンブルドアも私の状況を利用するかもしれないが、、、リリーへの想いを利用して私をスパイにしたように、、、それは邪悪なダークロードを倒すための導きなのだ。

しかしポッターの閉心術の授業で、ポッターがダークロードの視線でルックウッドに対峙している景色を見て、冷や汗をかいた。ポッターがその視線で、私の受けた報復、、、痴態を、、見た可能性に思い至ったのだ。

「今のはなんだ?」

問い詰めたが、そのような場面を見たのはその一度きりのようだった。ほっとして、釘を指しておくことにした。そもそもダークロードとの意識のつながりを断つためにこの授業をしているのだ。

「なぜ私が時間を割いて閉心術の授業をしているのかわかっているのだろうな?ダークロードがデスイーターに何を言うか知るのは、お前の役割ではない。」

「わかっています。それは先生の仕事でしょう?」

「その通りだ、ポッター。」

あのような邪悪な世界は子供が見るものではない。個人的にも、あんな姿はよりによってポッターなどに見られたくない!

ポッターの返事に満足し、再度レジリメンスをかけた。すると、ポッターがプロテゴ(防衛呪文)を使い、術を解いた。逆に私の心に押し入って来たのだ。私の幼少期の記憶をいくつか見られただろうが、見られてまずい記憶はペンシーブにおさめてある。2カ月もかかり、ようやく上達が見られたのだ。この調子だ。

「今のは確実に進歩だ。もう一度やるぞ。レジリメンス!」

すると今度は、猛スピードで廊下を走る景色が見えた。廊下を走り神秘部の扉を、、、開けた。そして部屋の中を見ている。

「ポッター!」

「僕、何が起こったかわかりません。廊下は何度も見たけど、中は見たことなかった。」

危険な兆候だった。私の痴態を見られなくてよかったなどとほっとしている場合ではない。これはダークロードが意図的にポッターに見せているに違いない。予言が保存されている神秘部に、ポッターを侵入させようと企んでいるのだ。予言玉を取り出せるのは、予言に関わる者だけと知って。こんなことを避けるために閉心術が必要だと訓練しているというのに。

「おまえが怠け者で術を身につけないからそんなものを見るのだ。だからダークロードに利用され・・」

ポッターが私を遮り言い返してきたとき、玄関ホールから悲鳴が聞こえてきた。
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テーマ : 二次創作:小説 - ジャンル : 小説・文学

tag : ルシウス ポッター ダンブルドア ダークロード

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