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セブルス・スネイプと謎のプリンス(8)

(これは『ハリーポッター』シリーズの本と映画鑑賞後の、妄想です)


思いがけずセブルスに受け入れてもらえて、なんだか泣きたいような気分だった。子供のころから私たちの間にあった様々な出来事、、、辛いことや苦い思いが多かった、、そんなことすべてを許されて受け入れられた気がした。もちろん、セブルスが酔って私のことをルシウス・マルフォイと勘違いして始まったことだし、私のほうにはシリウスに対する後ろめたい気持ちもあった。それでも、厳しい情勢の中、互いの温もりはなによりの慰めだった。

騎士団で会う時のセブルスは相変わらず険しい顔をして、私にも誰にでも、辛辣な皮肉めいた言葉を飛ばしていたけれど、2人になったときの落差も私には嬉しいものだった。セブルスの表情といえば、怒りや嫌悪、あるいは皮肉めいた嘲り程度で、あとは何を考えているのかわからない無表情ばかりだった。それが、2人だけになった時は、わずかとはいえ、喜びや悲しみ、寂しさや優しささえ表すことがある。日ごろ無表情に押し殺したセブルスの感情をみせてもらえるのは、心が温まり溶けていくような喜びだった。人に懐かない野良猫が自分にだけ心を許しているのを見るような。

だけど、何回目かに会った時、セブルスはいつにも増してピリピリしていた。集会の間、ダンブルドアの名が出るたびに眉間に深いしわを寄せ、言った相手を一瞬睨みつける。おかしなことだった。「ダンブルドアがおっしゃているから」とか言うのは、よくあることだったから。しかも、集会後に抱き合ったあと、涙をにじませているのに気がついた。驚いた私が顔を覗き込むと、プイと横を向いてしまったけれど。

「セブルス、どうしたの?何かあったんだね?」

ルーピン、何もない日などない。ディメンターの襲撃もあったし、また行方不明者が出た。」

「そんなことじゃなくて。君が涙を見せるようなことが。」

「ふん。私のことをスニベルスと言いたいのだろう?」

「ごまかさないでくれよ。私は君をそんなふうに呼んだことはないよ。」

顔を包んでこちらを向かせ、瞳を覗き込むと、セブルスは閉心術を使っていた。私は傷ついたし、ようやく開いた扉がまた閉ざされるような不安に焦りを感じた。

「私は心配なんだ。君はまた一段とやつれて痩せ細っているし、食事は摂っているのかい?」

セブルスは答えず、唇を噛みしめている。それはまるで嗚咽を堪えているように見えた。

「セブルス、私のことを信頼して、話してくれないかな。」

「おまえのことなど、信頼できない。」

私はまた傷ついた。

「どうして?私たちは同じ騎士団の仲間じゃないか。それに、信頼できない相手にこんな無防備な姿を曝すのか、君は?私はずっと君を信じているよ。」

「おまえは私のことを信じたりしない。」

「何を言い出すんだ、セブルス!たしかに君の過去のことを影で何か言ったりする者もいるけど、私は何があっても君のことを信じるし、ダンブルドアだっていつも・・・。」

セブルスの視線がきつくなって、私は失言したことに気がついた。セブルスの瞳には憎しみと悲しみと、、、怯え?

「何があっても私のことを信じると?」

「もちろんだよ。だから君も、、」

ルーピン、それは、何かあった時にわかるだろう。」

謎のような言葉を残してセブルスはそれきり口を開かず、何か物思いに沈んでいた。私ももう何を言ってよいのかわからなかったから、ただ髪をなでて額に唇を寄せた。セブルスは汗と疲労の匂いがした。

「眠っていないんだろう。さあ、寝るんだ。」

セブルスは私の腕の中で大人しく眠ったけれど、眠りは浅いようで、何度もうなされていた。いやだ、いやだと涙を滲ませながら。何があったかわからないけれど、セブルスが眠れない食べれない状況に陥っていることは確実に思えた。私の不安は最大限に達し、浅い眠りから覚めて帰ると言うセブルスを引き留めて言ってみた。

「セブルス、シリウスが死んで、私はもうブラック邸に留まる意味がなくなった。もしできたら君の家に、任務で出かけている時以外ということだけど、君の家に泊めてもらうことはできないかな?」

「それはできない。ワームテールが来るのだ。」

「ワームテール?ピーターが?どういうことだい?」

「ダークロードが私の補助に家に寄こすと言っている。」

「親切だね。」

「ああ、実にありがたいことだ。大方、近くに置いておくのがうっとうしくなったのだろう。誰も彼も、私にめんどうばかり押し付けてくるのだ。」

セブルスは苦々しげに言って去って行った。細い後ろ姿は痛々しかったけれど、それでも眠る前よりは少しましになったように思えた。

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テーマ : 二次創作:小説 - ジャンル : 小説・文学

tag : セブルス ルーピン ダンブルドア

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